バイク用プレミアムヘルメットブランドとして確固たる地位を築いてきたSHOEIは、新たにBMXレーシングに挑戦する。これまでMotoGPやモトクロス世界選手権で培ってきた経験と技術を投入し、つくり上げたのは「X-GRID(クロス-グリッド)」だ。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:SHOEI
パッと見は新作モトクロス用ヘルメットだが……
SHOEIは、長年にわたって培ってきたヘルメット開発技術にモトクロス用ヘルメットのデザインを融合した新作ヘルメット「X-GRID(クロス-グリッド)」を発表した。
一見するとモトクロス用の新作ヘルメットだが、さにあらず。SHOEIが初めて投入するBMX競技用ヘルメットである。
SHOEIはこれを新たな領域への挑戦と位置付け、これまで培ってきた安全性と機能性でBMXライダーの限界を引き出すとしている。
帽体は専用設計で、手に取るとバイク用よりも明らかに軽量。ノウハウは生かしつつも全ての部品を軽量設計(一部ネジやストラップなど除く)とし、バイザー込みの重量は基準サイズでわずか962gだというから驚きだ。シェルは顔を起こしやすいように首への当たり部分を削り込んだ形状で、可聴性を高めるイヤーホールや多くのベンチレーションホールを備えるのも特徴的だろう。
すでに複数のBMXレーサーと契約しており、発表会ではこれまでモトクロス用ヘルメットを使用していた選手から「軽い!!」「フィッティングがいい」「周囲を見やすい」「首が動かしやすい」「止まっていても風が抜けて過ごしやすい」「音が聞きやすいのは一番に感じた。他のライダーの気配を感じるのにとても重要」などとコメントしてくれた。
特にBMX競技では音を聞くことが周囲の状況を判断するのにとても大切とのことで、エンジン音がない乗り物ならではの、バイク用との違いとも言えそうだ。
サイズはXXSから用意され、5歳からエントリーできるというBMX競技では着用するキッズが増えそう。次のロサンゼルスオリンピックでは表彰台のてっぺんでX-GRID使用ライダーの姿が見られることを期待したい!
SHOEI独自の衝撃吸収構造「M.E.D.S.」は衝撃時に内装が可動
SHOEIがオフロード用ヘルメットで採用している、独自の衝撃吸収構造「M.E.D.S.」(Motion Energy Distribution System)をX-GRIDにも採用。転倒時にヘルメットに衝撃が加わった際、インサートライナー中央にある突起を中心にインサートライナーがスイングすることで回転加速度を低減する構造だ。これにより、軽量性や被り心地を損なうことなく、衝撃吸収性能と回転加速度低減の両立し、首への負担なども軽減する。
チンガードはバイク用ヘルメットと同じ衝撃テストをクリア、また緊急時に第三者がヘルメットを脱がせ安くするE.Q.R.S.(エマージェンシークイックリリースシステム)もバイク用ヘルメットでお馴染みだ。
このほか、内装のジャストフィットを可能にするP.F.S.(パーソナルフィッティングシステム)をX-GRIDにも導入。頭の形は十人十色だが、これならどんなユーザーでも安心してオーダーメイド的な被り心地を享受できる。
なお、これまでのモデルではP.F.S.を有料サービスとしていたが、X-GRIDに関しては本体価格に含まれるのが特徴だ。
SHOEI X-GRID / X-GRID DOMINATE
スタンダードモデルのほか、グラフィックモデルの「X-GRID DOMINATE(クロス-グリッド ドミネート)」も同時発表。いずれもSHOEI GalleryおよびSHOEI Gallery オンラインストアで販売される。店舗に来店購入した方には各店舗先着50名でノベルティも用意されるという。
※オンラインストアで購入の場合は、SHOEI Gallery及び野外イベント等でP.F.S.(Personal Fitting System)を受け、その場で発行される16桁の診断コードが必要
●価格:STD=6万8200円/DOMINATE=7万9200円(P.F.S.含む) ●サイズ:XXS(51cm)、XS(53cm)、S(55cm)、M(57cm)、L(59cm)、XL(61cm) ●色:STD=白、つや消し黒/DOMINATE=赤×黒、銀×灰 ●規格:SG、JCF公認 ●構造;AIM+(Advanced Integrated Matrix Plus Multi-Fiber) ●付属品:V-490バイザー、MXバイザースクリュー、バイザー反射防止ステッカー(マットブラックを除く)、ヘルメット袋、SHOEIロゴステッカー、サービスツール ●2024年9月下旬発売予定(スタンダードモデルのM/L/XLは2024年9月5日発売)
X-GRID
X-GRID DOMINATE
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