
信号待ちをしている車両がいることを検知してから青に切り替わる「感応式信号」。おもに交通量が多い主道路/交差する従道路などに設置されており、従道路のみが感知式になっている信号機は「半感応式信号」と呼ばれます。ただしバイクの場合は、感応式信号に検知されにくい傾向があるようです。
●文:ヤングマシン編集部(ピーコックブルー)
感応式信号=超音波センサーに検知されないと信号が変わらない
多くの感応式信号は、停止線付近の頭上に備わった超音波センサーで信号待ちの車両を検知しているため、センサーに検知されなければ信号は変わりません。
超音波センサーは、停止線の少し手前の地上5〜6mの場所に備わっており、直径15cmほどの拡声器のような形状をしています。
センサーはつねに超音波を発しており、路面に跳ね返ってくるまでの時間を計測して、センサーの下に車両が来て計測時間が変わったことをきっかけに、信号機を青に切り替えます。
これが信号待ちの車両を検知してから青になる感知式信号の仕組みですが、じつは検知範囲が意外と狭く、センサー直下の直径約1.2mの範囲に車体がなければ検知できないとのこと。
そのため、バイクは停止する位置によって反応しないことがあるというわけです。また、誤作動防止のため3秒間車両を検知し続ける必要もあり、バイクでは余計に反応しにくくなるばかり…。
「感知中/おまちください」といった表示が信号機に出るタイプであれば、検知されたかどうか確認できますが、そのように表示されない信号機の場合、検知されているかどうかすら判断できません。
また、交通量の少ない夜間にのみ感応式に切り替わる場所では、周囲が暗くてセンサーの位置自体がわからない場合もあります。
こういった事態を防ぐため、感応式信号には“2輪車用ボタン”が併設されているものも。歩道側の電柱にボタンがあれば、それを押すことで信号を切り替えられます。
なお、2輪車用ボタンがない場合は、歩行者用ボタンを押すことでも信号が切り替わります。
狭い道路や小さいバイクほど停止位置に注意
感応式信号機にしっかりバイクを検知させるためには、なによりも停止位置が重要になります。
センサーを通り過ぎて停止線のギリギリに止まったり、左折する大型車への備えとしてセンサーの手前に止まると、検知されない場合があります。
また、両側一車線しかない狭い道路の感応式信号の場合、対向車による誤作動を防ぐため、検知範囲がさらに狭い設定になっています。
優先道路との交差点に差しかかる際は、信号の色だけでなく、感応式信号の標識と頭上のセンサーの位置を確認して、なるべくセンサーの直下に停まるようにしましょう。
また、2輪車用ボタンを押すためにバイクから降りる際は、たとえ後続車にクラクションを鳴らされたとしても慌てないことが大切です。
交差点付近の路面は轍(わだち)で凸凹になっている場所も多く、慌ててバイクを降りると足を挫いたり立ちゴケをするリスクが高まることも覚えておきましょう。
感応式信号機の仕組みを知っておけば、こうしたトラブルも回避できます。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(交通/社会問題)
規制の根拠は「道路法・第46条第3項」 高速道路などを走っていると、時折インターチェンジの手前などで「危険物積載車両ここで出よ」という表示を目にすることがある。この表示を見かけた場合、その先に危険物積[…]
地域活性化ツーリングを開催、移動課題改善への提言も 2024年9月29日に開催された地域活性化・ライダー誘致イベント“伊豆ライダー誘致ツーリング”。 主催は若年層を中心に構成。バイクやクルマ、特定原付[…]
バイク駐車場の拡充に取り組む千葉市 千葉市内には6区で50の鉄道駅がある。中でも千葉駅は千葉県の中心駅として、JR東日本の在来線6線と京成電鉄、さらに千葉都市モノレールが乗り入れている。 都心や成田空[…]
「危険なら道路を改善しないの?」との疑問を感じるが…… 市中の道路を走っていると「事故多発交差点」と書いた立て看板を見かけることがあります。 その交差点で交通事故が多発しているので気を付けて運転してほ[…]
情熱は昔も今も変わらず 「土日ともなると、ヘルメットとその周辺パーツだけで1日の売り上げが200万円、それに加えて革ツナギやグローブ、ブーツなどの用品関係だけで1日に500万円とか600万円とかの売り[…]
最新の関連記事(バイク雑学)
シート後部、リヤ両サイドにある白バイの計3つのボックス 白バイのボックスは3つあります。荷物を入れるためのサイドボックス、無線機を入れる無線機ボックスがあり、サイドボックスは車両後部の左右に1つずつ、[…]
規制の根拠は「道路法・第46条第3項」 高速道路などを走っていると、時折インターチェンジの手前などで「危険物積載車両ここで出よ」という表示を目にすることがある。この表示を見かけた場合、その先に危険物積[…]
日本語表記では「前部霧灯」。本来、濃霧の際に視界を確保するための装備 四輪車ではクロスオーバーSUVのブーム、二輪車においてもアドベンチャー系モデルが増えていることで、「フォグランプ」の装着率が高まっ[…]
白バイがガス欠することはあるの!? 今回は、「白バイが警ら中にもしもガス欠になったら!?」について、お話したいと思います。結論を先に言うと、ガス欠にならないように計画を立てて給油しています。 私も10[…]
免許制度は基本、ヨーロッパで共通 イタリアのバイク事情を現地からお届けするコラム「Vento Italiano」(イタリアの風)第2回。今回はイタリアの自動車運転免許制度について紹介していきます。 と[…]
人気記事ランキング(全体)
エンジン積み替えで規制対応!? なら水冷縦型しかないっ! 2023年末にタイで、続く年明け以降にはベトナムやフィリピンでも発表された、ヤマハの新型モデル「PG-1」。日本にも一部で並行輸入されたりした[…]
7月上旬発売:ヒョースン「GV125Xロードスター」 ヒョースンモーター・ジャパンから、原付二種クラスに新型クルーザー「GV125Xロードスター」が投入される。発売は2025年7月上旬から日本国内向け[…]
青春名車録「元祖中型限定」(昭和51年) CB400FOUR(CB400フォア)は、CB350フォアをベースとしたリニューアルバージョンとして1974年12月(昭和49年)に発売。クラス唯一のSOHC[…]
高評価の2気筒エンジンや電子制御はそのままにスタイリングを大胆チェンジ! スズキは、新世代ネオクラシックモデル「GSX-8T」および「GSX-8TT」を発表。2025年夏頃より、欧州、北米を中心に世界[…]
カバーじゃない! 鉄製12Lタンクを搭載 おぉっ! モンキー125をベースにした「ゴリラ125」って多くのユーザーが欲しがってたヤツじゃん! タイの特派員より送られてきた画像には、まごうことなきゴリラ[…]
最新の投稿記事(全体)
当時を思わせながらも高次元のチューニング ◆TESTER/丸山 浩:ご存知ヤングマシンのメインテスター。ヨシムラの技術力がフルに注がれた空冷4発の完成度にホレボレ。「この味、若い子にも経験してほしい![…]
メッキのプロが開発したクロームメッキ専用品!! 鉄素材のさまざまな表面処理の中で光沢や質感、高級感のいずれにおいても秀でているのがクロームメッキだ。しかしながら近年では、メッキ工程で使用される六価クロ[…]
7月上旬発売:ヒョースン「GV125Xロードスター」 ヒョースンモーター・ジャパンから、原付二種クラスに新型クルーザー「GV125Xロードスター」が投入される。発売は2025年7月上旬から日本国内向け[…]
青春名車録「元祖中型限定」(昭和51年) CB400FOUR(CB400フォア)は、CB350フォアをベースとしたリニューアルバージョンとして1974年12月(昭和49年)に発売。クラス唯一のSOHC[…]
モリワキイズムを変えずに継承していく モリワキの面白さは、ライダーが主役のもの作りだと思っています。サーキットを速く走るにはどうしたらいいのか、ライダーの意見を聞いて解決策をプロダクトとライダーの両方[…]