
カワサキはインドネシアで、空冷2バルブ単気筒エンジンを搭載したネオクラシック・スクランブラーの「W175TR」の2023年モデルを発表した。13psの出力と車重121kgの扱いやすいサイズ感は、まさしく「こういうのでいいんだよ」を地でいくお手頃モデルだ。日本ではW230が正式発表された後、バリエーションモデルの追加なるか!?
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
スリムな7.5L燃料タンクやアップハンドルが個性!
2017年にエストレヤ(250)が生産終了になり、同型のマシンはタイなど海外でW250と車名を変えてしばらく生き残っていたものの、相変わらず日本でカワサキ製の軽二輪(126~250cc)ネオクラシックモデルは消滅したまま。2023年秋のジャパンモビリティショー2023では、ようやく新型モデル「W230」および「メグロS1」が参考出品され、2024年モデルとしての正式発表が期待されている。
いっぽう海外では、インドやインドネシアでもっと手軽なシリーズ末弟のW175もラインナップされている。車両のベースはフィリピンで販売されているバラコIIという実用車だが、しっかり作り込まれたネオクラシックスタイルに、ジャストサイズのかわいらしさや手頃なサイズ感、リーズナブルな価格が魅力だ。
そんなW175がシリーズ展開されるインドネシアで、先に2024年モデルが登場していたスタンダードモデル「W175 SE」、カフェレーサー仕様「W175カフェ」に続き、レトロなスクランブラーモデルの「W175TR」のニューカラーが発表された。
W175TRは、かつてエストレヤの兄弟車として日本でラインナップされていた250TRを彷彿とさせるクラシカルなトレールモデル。トルクの数値が他の2車よりもわずかに高く、アップマフラーやアップフェンダー、スリムな7.5L燃料タンク、エンジンを路面の石などから守るスキッドプレートなどを備えるのが特徴だ。2024年モデルでは、鮮やかなパールブリリアントイエローを採用した。
価格は3430万ルピア(日本円換算約31万8000円)。以前のモデルは日本にも並行輸入という形で入ってきていたことがあるものの、今後の日本での発売は望み薄か。ただし、正式発表が待たれるW230/メグロS1の兄弟車としてW230TRが登場する可能性はゼロではないだろう。まだ情報収集するには気が早いが、そんな予想も楽しみにさせてくれるのが昨今のカワサキだ。
KAWASAKI W175TR[2024 Indonesian model]
主要諸元■全長1950 全幅805 全高1085 軸距1285 最低地上高195 シート高805(各mm) 車重121kg■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 177cc 13ps/7500rpm 1.4kg-m/6000rpm 変速機5段 燃料タンク容量7.5L■ブレーキF=φ220mmディスク+2ポットキャリパー R=φ110mmドラム タイヤサイズF=80/100-17 R=100/90-17 ●参考価格:3340万ルピア(日本円換算約31万8000円) ●色:黄 ※諸元と価格は全てインドネシア仕様
KAWASAKI W175TR[2024 Indonesian model]PEARL BRILLIAN YELLOW
KAWASAKI W175TR[2024 Indonesian model]PEARL BRILLIAN YELLOW
KAWASAKI W175TR[2024 Indonesian model]PEARL BRILLIAN YELLOW
先行発表のW175/W175カフェはトラディショナルなロードスター
W175 SEは、キャブトンタイプのマフラーとシンプルなスタイリングが特徴で、燃料タンクは14L、13psの空冷単気筒を搭載した車両重量は126kgだ。最低地上高は、路面舗装率の関係か165mmと高めに設定され、前後17インチのスポークホイールに前ディスク/後ドラムブレーキを組み合わせている。レッドおよび淡い青が2024年モデルのカラーラインナップだ。また、W175 SEにはブラックスタイルというバージョンも用意される。
カフェレーサースタイルのW175カフェは、W175 SEとほぼ同スペックの車体にメーターバイザーを加え、シート形状を変更したもの。2024年モデルはシルバーと濃い目のブルーの2色がラインナップされる。
KAWASAKI W175 SE / BLACK STYLE[2024 Indonesian model]
主要諸元■全長1940 全幅765 全高1045 軸距1275 最低地上高165 シート高785(各mm) 車重126kg■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 177cc 13ps/7500rpm 1.3kg-m/6000rpm 変速機5段 燃料タンク容量14L■ブレーキF=φ220mmディスク+2ポットキャリパー R=φ110mmドラム タイヤサイズF=80/100-17 R=100/90-17 ●参考価格:3350万ルピア(日本円換算約31万円) ●色:赤、薄青 ※諸元と価格は全てインドネシア仕様
KAWASAKI W175 SE[2024 Indonesian model]CANDY PERSIMMON RED
KAWASAKI W175 SE[2024 Indonesian model]PHANTOM BLUE
W175 SE BLACK STYLE[2024 Indonesian model]
KAWASAKI W175 CAFE[2024 Indonesian model]
主要諸元■全長1940 全幅765 全高1045 軸距1275 最低地上高165 シート高785(各mm) 車重126kg■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 177cc 13ps/7500rpm 1.3kg-m/6000rpm 変速機5段 燃料タンク容量14L■ブレーキF=φ220mmディスク+2ポットキャリパー R=φ110mmドラム タイヤサイズF=80/100-17 R=100/90-17 ●参考価格:3590万ルピア(日本円換算約33万3000円) ●色:銀、濃青 ※諸元と価格は全てインドネシア仕様
KAWASAKI W175 CAFE[2024 Indonesian model]METALLIC RESPLENDENT SILVER
KAWASAKI W175 CAFE[2024 Indonesian model]METALLIC OCEAN BLUE
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
あなたにおすすめの関連記事
クロームメッキと黒塗装の燃料タンクが眩しい! メグロS1ここに見参! カワサキはジャパンモビリティショー2023でワールドプレミア=世界初公開車を5モデル用意するとしていたが、さっそくプレスカンファレ[…]
「らしいエンジン」目指して頑張っています! カワサキがジャパンモビリティショー2023のワールドプレミアした5台の中で、大きな注目を集めるのがMEGURO S1とW230。カワサキモータースジャパンが[…]
シルバーとグリーンの2色! カワサキがインドのSNSで、数日前からティーザーを展開してきたニューマシン「W175ストリート」の姿を初公開。公式ページも半日後にオープンし、スペックや13万5000ルピー[…]
シンプルなグレーと豪華なブルーを追加! カワサキインディアは、先に発表されたW175ストリートに続き、ベースモデルの無印「W175」にニューカラーを追加し、2024年モデルとして発表した。これにともな[…]
GB350は受注一時停止中だが、ロイヤルエンフィールドは供給順調 中型クラス……というか普通二輪免許で乗れる空冷ネオクラシックバイクが大人気だ。ホンダはインドで「ハイネスCB350」として発表したモデ[…]
最新の関連記事(新型ヘリテイジ/ネオクラシック)
フレディ・スペンサーが絶賛! 軽さと「フォーギビング」な安定性を評価 伝説のライダー、フレディ・スペンサーがHSR九州でCB1000Fをガチ走行し、そのインプレッションを語っている。スペンサーは、CB[…]
スポーティなライディングを気軽に楽しむ最初の1台に! 英国にルーツを持ち、現在はインドの二輪メーカーとして活動するロイヤルエンフィールド。このうちハンター350は、ブリットやメテオやクラシックといった[…]
低中回転域とリヤブレーキがスムーズな走りにつながる 新生BSAのゴールドスターは、ビッグシングルエンジンを搭載した新型ネオクラシックモデル。レースではこれまで単気筒エンジンばかり操縦してきたので、そも[…]
ひっそりと終了したスズキの名Vツイン スズキのミドルクラスを長きにわたり支えてきた傑作ネイキッド、『SV650』およびカフェレーサースタイルの『SV650X』が、ついにその生産の歴史に終止符を打った。[…]
Z900RS CAFE歴代カラー系統譜 Z900RS CAFEは、Z900RSがデビューした翌2018年3月に登場し、独自のビキニカウル、ローハンドル、専用シートによってカフェレーサースタイルを確立し[…]
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI])
ナナハン並みの極太リヤタイヤに見惚れた〈カワサキ GPZ400R〉 レーサーレプリカブーム真っ只中の1985年。技術の進化に伴い、各社はレースで培ったテクノロジーをフィードバックさせたモデルを多く打ち[…]
新型Z900RS発表を記念した火の玉グラフィック! 「かわす性能」をさらに高めるためのフォルムを生み出す、世界初のシールドシステム〈VAS-VCシステム〉を搭載したアライヘルメット「RAPIDE-NE[…]
通勤からツーリング、サーキット走行まで使えるカウル付き軽二輪スポーツ 日本の道に最適といえるサイズ感や、通勤/通学からツーリングまで使える万能さが軽二輪(126~250cc)の長所。スクーターやレジャ[…]
Z900RS CAFE歴代カラー系統譜 Z900RS CAFEは、Z900RSがデビューした翌2018年3月に登場し、独自のビキニカウル、ローハンドル、専用シートによってカフェレーサースタイルを確立し[…]
ミリ波レーダーと各種電制の賜物! 本当に”使えるクルコン” ロングツーリングや高速道路の巡航に便利なクルーズコントロール機能。…と思いきや、従来型のクルコンだと前方のクルマに追いついたり他車に割り込ま[…]
人気記事ランキング(全体)
超高回転型4ストローク・マルチのパイオニアはケニー・ロバーツもお気に入り 今回ご紹介するバイクは1985年春に登場した超高回転型エンジンを持つヤマハFZ250 PHAZER(フェーザー)です。 フェー[…]
KTMの進化ポイントを推測する 第17戦日本GPでマルク・マルケスがチャンピオンを獲得した。ウイニングランとセレブレーションは感動的で、場内放送で解説をしていたワタシも言葉が出なかった。何度もタイトル[…]
フルレプリカのフォルムが遂にリッタークラスへ及びヤマハもラインナップ! 1980年代後半になると、スポーツバイクがレプリカとカテゴリーで区別されるほど、レーシングマシン直系にまでエスカレートしてきた中[…]
フレディ・スペンサーが絶賛! 軽さと「フォーギビング」な安定性を評価 伝説のライダー、フレディ・スペンサーがHSR九州でCB1000Fをガチ走行し、そのインプレッションを語っている。スペンサーは、CB[…]
輝かしい歴史を持つXT500は、なんと2002年まで生産 そもそもXT500は、1976年にヤマハが初めて作った4ストロークのビッグシングル搭載のトレールバイク。2スト全盛ともいえる時期に、空冷4サイ[…]
最新の投稿記事(全体)
ボルドールカラーのCB1000Fがアクティブから登場 アクティブが手掛けるCB1000Fカスタムが発表された。CB-Fといえば、純正カラーでも用意されるシルバーにブルーのグラフィックの、いわゆる“スペ[…]
“鈴菌”と呼ばれて 二輪と四輪を両方とも継続的に量産しているメーカーは、世界を見渡してもホンダ、BMW、そしてスズキの3社のみだ。1920年(大正9年)に個人経営だった織機向上が鈴木式織機株式会社へと[…]
ナナハン並みの極太リヤタイヤに見惚れた〈カワサキ GPZ400R〉 レーサーレプリカブーム真っ只中の1985年。技術の進化に伴い、各社はレースで培ったテクノロジーをフィードバックさせたモデルを多く打ち[…]
オフロードでASAはプラスに感じられる場面が多い! 驚いたのは写真の緑の機体・オートマチックのASAを積んだR1300GS ツーリングASAのオフロード性能。微妙なクラッチ操作を多用するオフロードでA[…]
前バンクはクランクリードバルブ、後バンクにピストンリードバルブの異なるエンジンを連結! ヤマハは1984年、2ストロークのレプリカの頂点、RZシリーズのフラッグシップとしてRZV500Rをリリースした[…]
- 1
- 2




![KAWASAKI W175 series[2023 Indonesian model]|32万円の小さなスクランブラー! カワサキ「W175TR」に2024年の新カラー登場【海外】](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2022/05/Kawasaki_W175_seat-compare-768x534.jpg?v=1653146350)
![KAWASAKI W175 series[2023 Indonesian model]|32万円の小さなスクランブラー! カワサキ「W175TR」に2024年の新カラー登場【海外】](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2022/05/Kawasaki_W175_engine_2-768x534.jpg?v=1653146354)











































