ヤマハは欧州で、2日前に発表したばかりの新型「MT-09」にSP仕様を追加発表した。削ぎ落とし系ボディや新メーターなどを踏襲し、サーキット向けの電子制御モードや強化した足まわり、スマートキーなどを追加した上位モデルだ。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
プレミアムスペックが与えられ、デザインはR1M寄りに
ヤマハは欧州で、従来型MT-09にもラインナップされていたSP仕様を新型の発表からわずか2日後に追加発表。ヤマハのフラッグシップスーパースポーツの上位機種、R1Mにインスパイアされたディテールが与えられ、レーストラック(サーキット)に対応する4つのライディングモードやハイグレードな足まわりなどが与えられ、さらなるスポーツ性をアピールする。
基本は新型MT-09と共有しており、余計なものを削ぎ落としたかのような燃料タンクや低く構えたLEDヘッドライト、新しい5インチTFTメータースクリーン、前後分割シート、新しいライディングポジション、バックスリップレギュレーター(BSR)が追加された電子制御などをベースに、さらなる“走り”とプレミアム感を追求した仕様になっている。
SPに与えられたのは下記。
- R1Mにインスパイアされたブレミアムなディテール
- 4つのカスタム可能なトラックモード
- “トラック”をテーマとしたメーター表示テーマの追加
- ブレンボ製Stylemaキャリパー
- KYB製フルアジャスタブルφ41mm倒立フォーク+DLCコート
- オーリンズ製フルアジャスタブル リヤショック
- スマートキーシステム
- アルミの地色を活かしたスイングアーム
MT-09の3モードに4つのトラックモードを追加
R1Mにインスパイアされたというデザインの通り、スーパースポーツ的な使用も視野に。電子制御による走行モードはスポーツ/ストリート/レインの3モードに加え、SPならではの4つの“トラック”モードが追加された。それぞれに、サーキットで想定されるコンディションに合わせたチューニングとなっており、さらに個別のエンジンブレーキマネジメント(EBM)およびブレーキコントロール(BC)も設定可能。リヤのABSをOFFにすることもできる。
また、5インチTFTメーターはSP専用の表示テーマを持ち、こちらも“トラック”での使い勝手に優れた情報、たとえばラップタイムなどを表示する。
ブレンボ製Stylemaキャリパー
アップグレードされた前後サスペンション
フロントにKYB製フルアジャスタブルφ41mm倒立フォークを採用するところまでは標準仕様と同じだが、SPではこれにゴールドのアウターチューブとDLCコートされたインナーチューブを採用。リヤショックはオーリンズ製フルアジャスタブルで、プリロードはリモート式アジャスターを備えている。
スマートキーシステム
ヤマハのハイパーネイキッドで初めてスマートキーシステムを採用。エンジン始動はスマートキーを身に着けたままメインスイッチをひねればよく、燃料タンクキャップのロック/アンロックもスイッチで行う。
R1Mにインスパイアされたデザイン
MT-09 SP は、燃料タンクとエアインテークに専用のシルバー、ブラック、ヤマハレーシングブルーのカラーリングを施し、スイングアームは艶消しシルバーに仕上げられる。
なお、欧州の価格と発売時期は未発表で、仕向け地によって異なるため順次発表されるという。日本への導入もほぼ確定と見ていいだろう。
YAMAHA MT-09 SP[2024 EU model]のカラーリングとスペック
車名 | MT-09 SP |
全長×全幅×全高 | 2090×820mm×1145mm |
軸距 | 1430mm |
最低地上高 | 140mm |
シート高 | 825mm |
キャスター/トレール | 24°40′/108mm |
装備重量 | 194kg |
エンジン型式 | 水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ |
総排気量 | 890cc |
内径×行程 | 78.0×62.1mm |
圧縮比 | 11.5:1 |
最高出力 | 119ps/10000rpm |
最大トルク | 9.5kg-m/7000rpm |
始動方式 | セルフスターター |
変速機 | 常時噛合式6段リターン |
燃料タンク容量 | 14L |
燃費 | 20km/L |
タイヤサイズ前 | 120/70ZR17 |
タイヤサイズ後 | 180/55ZR17 |
ブレーキ前 | φ298mmダブルディスク+4ポットキャリパー |
ブレーキ後 | φ245mmディスク+1ポットキャリパー |
価格&発売時期 | 未発表 |
色 | Icon Performance |
【動画】2024 Yamaha MT-09 SP: Master of Darkness
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