スズキはジャパンモビリティショー2023の出展概要を発表。スズキとパナソニック サイクルテックが電動アシスト自転車の駆動ユニットを活用した新しいモビリティの共同開発に合意したと発表したのは9月15日だが、“原動機付自転車”の意味を再定義しなおしたとも言えそうなのが「e-PO(イーポ)」だ。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:スズキ
折りたたみ式の電動アシスト自転車をベースに原付へ
見た目はほとんど電動アシスト自転車、なのに原動機付自転車扱いになるという「e-PO」がジャパンモビリティショー2023(JMS2023)に展示される。スズキが発表した参考出品車の中でも、かなり攻めたなぁと思わせる新ジャンルの原付一種だ。
車両としては折り畳み電動モペッドになり、フル電動/アシスト走行/ペダル走行が可能な超軽量二輪車とされている。ベースになっていると思われるのはパナソニックサイクルテックの「オフタイム(OFF TIME)」という電動アシスト自転車で、折り畳めるフレームやスイングアームなどの形状が酷似。これに前後ディスクブレーキやフェンダー、デジタルメーターなどを取り付けている。
面白いのは3種類の走行モードだ。フル電動走行では通常の原付一種並みの動力性能を発揮。そしてアシスト走行時においては、電動アシスト自転車のような“24km/hまでしかアシストできない“といったルールが適用されないはずなので、原付一種として車道を走っても問題ないレベルまでアシストされることがイメージできる。もちろんアシストする力も電動アシスト自転車のような制約はないはずなので、一般に販売されている公道向け電動アシスト自転車よりも格段にパワフルな走りを披露するだろう。
さらにペダル走行についてだが、原付一種として登録した車両が走行する場合、ペダル走行であっても保安部品の電源がONになっていないと違反になってしまう。これを避ける対策として、バッテリーが空になる前にアシストまたは電動走行を強制的に終了し、ペダル走行で最後の移動を行う、といった使い方を想定している模様だ。また、バッテリーを温存しておきたい時などに使うこともできるだろう。
似た形の電動原付一種としてグラフィット社の電動バイクが存在し、そちらはナンバーを収納するなどして原付一種と軽車両を切り替えられる“モビチェン”を採用している。この「e-PO」については今のところそうした想定はない模様だが、勝手ながら将来的にはそうした利便性の向上手段も期待したい。
元々は自転車に小さなエンジンを搭載したことからはじまった“原動機付自転車”のカテゴリーだが、このイーポはある意味で原点回帰したものと言えるのかもしれない。
小さな保安部品に前18/後20インチタイヤ
主要諸元■全長1520 全幅570 全高930 シート高790~955(各mm)■タイヤサイズ前:18-2.125 後:20-2.124
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