
ハーレーダビッドソンジャパンは、水冷エンジン「レボリューションマックス」を搭載する最新機種のプライスダウンを敢行。200万円切りのスポーツスターSやナイトスター/スペシャルは、長年にわたって空冷スポーツスターが親しまれてきた価格帯に近付き、パンアメリカ1250スペシャルも60万円以上の値下げで約260万円に。X350/X500と合わせてエントリークラス大攻勢だ!
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:ハーレーダビッドソン
50万円近くお得になったスポーツスターS
ハーレーダビッドソンジャパンが9月21日に行なった価格改定により、スポーツスターS、ナイトスター、ナイトスタースペシャル、パンアメリカ1250スペシャルの大幅な値下げを実現した。これは2023年モデルに切り替わった際にさまざまな事情から大きく値上がりしていたものが、2022年モデル並み、またはさらにリーズナブルな価格設定とされたものだ。
まず嬉しいのはスポーツスターS。最後の空冷スポーツスターだった「フォーティーエイト ファイナルエディション(2022年モデル)」が179万9600円~だったのに近い、199万8800円~になった。直近のモデルが249万4800円~だったことを考えれば、この物価高&円安の時期に約50万円ものプライスダウンは驚愕に値するだろう。
カラーバリエーションやスペックに変更はなく、イヤーモデルも2023年のまま。空冷時代のスポーツスターはハーレーダビッドソンのエントリーユーザーに優しい価格帯だったが、水冷スポーツスターSにも改めて『多くのライダーにハーレーの魅力を伝える』という使命が課せられたことになる。
スポーツスターSは、水冷60Vツインエンジンに可変バルブシステムやツインスパークを採用し、1252ccの排気量で121ps/7500rpmのハイパワーを発揮するストリートスポーツだ。
【スポーツスターS】主要諸元■全長2270 軸距1520 シート高765(各mm) 車重228kg■水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ 1252cc 121ps/7500rpm 12.75kg-m/6000rpm 燃料タンク容量11.8L■タイヤサイズF=160/70R17 R=180/70R16 ●価格:199万8800円~ ●色:黒、白、灰、青
同じく50万円近い値下げのナイトスターシリーズ
水冷60度Vツインの「レボリューションマックス」を975ccとし、トラディショナルなハーレースタイルと現代を融合させたようなデザインに包むのがナイトスター。これにセパレート式のピリオンシートやパッセンジャー用ステップを追加装備し、4インチ丸型TFTスクリーンを装備したのがナイトスタースペシャルだ。
ナイトスターは226万3800円~だった従来の価格に対し177万8800円と、48万5000円の値下げ。ナイトスタースペシャルは、229万6800円~だった従来に対し188万8800円と、40万8000円の値下げとなった。
こちらはスポーツスターSが新世代をアピールするアグレッシブなのに対し、よりハーレーらしく親しみやすいデザインが与えられ、975ccで89ps/7500rpmと、エンジン特性も扱いやすくなっている。
発表されたばかりのエントリーモデル、X350が70万円前後、X500が85万円前後と予想されるなか、ビッグツイン系との間を取り持つ立ち位置となる。
【ナイトスター】主要諸元■全長2250 軸距1545 シート高705(各mm) 車重221kg■水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ 975cc 89ps/7500rpm 9.69kg-m/6000rpm 燃料タンク容量11.7L■タイヤサイズF=100/90-19 R=150/80B16 ●価格:177万8800円~ ●色:黒、赤
【ナイトスタースペシャル】主要諸元■全長2265 軸距1545 シート高715(各mm) 車重225kg■水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ 975cc 89ps/7500rpm 9.69kg-m/6000rpm 燃料タンク容量11.7L■タイヤサイズF=100/90-19 R=150/80B16 ●価格:188万8800円~ ●色:黒、艶消し黒、青、黄
60万円以上の値下げとなったパンアメリカ1250スペシャル
水冷60度Vツインの「レボリューションマックス」シリーズを搭載する、ハーレー唯一のアドベンチャーモデルがパンアメリカ125シリーズだ。今回値下げが敢行されたのは上級モデルの“スペシャル”のみで、スタンダード仕様は変更なし。これにより、上級モデルのほうが安価という逆転現象が起きているが、すでにスタンダード仕様は在庫ななくなっているなどの理由からだろう。
パンアメリカ1250スペシャルは、従来が319万8800円~だったのに対し258万6800円~になり、なんと60万円の以上の値下げになる。
パンアメリカ1250スペシャルは、電子制御で減衰力をコントロールしたり、ライダーや荷物の重量に合わせてリヤのプリロードを自動調整するSHOWA製セミアクティブサスペンションを搭載。さらに、停車時にはシート高を低くして足着き性を確保するアダプティブライドハイトを市販車で最初に採用したのもパンアメリカ1250スペシャルだ。
これら4機種の価格改定により、高価なCVOシリーズ、層の厚いビッグツインシリーズ、エントリー~中間層のレボリューションマックス系、そしてハーレー入門に最適なX350/X500と、幅広いラインナップが完成した。
【パンアメリカ1250スペシャル】主要諸元■全長2270 軸距1585 シート高830/875(各mm) 車重258kg■水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ 1252cc 150ps/8750rpm 13.06kg-m/6750rpm 燃料タンク容量21.2L■タイヤサイズF=120/70R19 R=170/60R17 ●価格:258万6800円~ ●色:黒、灰、黄×白
【パンアメリカ1250スペシャル】インダストリアルイエロー×ホワイトサンド(レーススポークホイール) ●265万2800円
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
高回転までスムーズにトルクが盛り上がっていく ローライダーやファットボーイなど、いつの時代もハーレーの布陣はレジェンド揃いだが、中でもスポーツスターはラインナップに欠かせないモデルとして主軸を担ってき[…]
ハーレーダビッドソン ナイトスタースペシャル 概要 [◯] 力強く従順なエンジン。サスペンションの動きに懐かしさ 現在、ハーレーのスポーツファミリーは水冷60度Vツインを搭載しており、排気量は975c[…]
日の出とともに太平洋岸から石川県千里浜なぎさドライブウェイを目指す、ツーリングラリー 水平線に沈みゆく茜色の夕日を眺めつつ、波打ち際をバイクで疾走。楽しさを通り越し、この上ない幸福感を噛みしめている。[…]
日本ではX350の導入が検討されている模様 ハーレーダビッドソンのブランニューモデルとして中間排気量のマシンが複数登場し、海外を賑わしている。このところ2輪市場が活気づいている中国ではQJモーターサイ[…]
ポテンシャルの高さはこんなものじゃない。課された使命は年間2万台だと思っている HDJは昨年、'17年以来の販売台数1万台超えを記録しV字回復を成し遂げた。さらに、今年はハーレーダビッドソン(以下H-[…]
最新の関連記事(ハーレーダビッドソン)
「ハーレーダビッドソン東大阪」と「AELLA」が共同開発 ブラックに塗装されたメガホン形状のサイレンサーは、ハーレーダビッドソン東大阪と京都のカスタムパーツメーカー「AELLA(アエラ」)が共同で開発[…]
FLHTCUTG TRI GLIDE ULTRA:直感的にハーレーとわかる威風堂々のスタイル バットウイング・フェアリングを備える「トライグライドウルトラ」は、堂々たる装いと快適な乗り心地が楽しめるモ[…]
バトル・オブ・ザ・ツインの歴史に刻まれる存在 1981年に米国、デイトナスピードウェイで第一回が開催され、その熱が日本に伝わり、1984年に日本の筑波サーキットでも火蓋が切られることとなったレース“バ[…]
ウィズハーレー掲載記事のウラ側がわかる 俳優/タレント/サックスプレイヤーとしても活躍する武田真治さんが、故郷・北海道を同級生たちと結成するハーレーチーム「BLACK NOTE」とともに駆け抜けた!ハ[…]
サイドバルブ方式を採用した”フラットヘッド” WシリーズはショベルヘッドやエボといったOHVエンジンよりはるか昔、1937年に3世代目、739ccのサイドバルブ(フラットヘッド)エンジンとして登場。 […]
最新の関連記事(新型クルーザー)
北米レブル300にEクラッチ仕様が登場 ホンダEクラッチが世界戦略進行中だ。欧州で人気のグローバル車・CBR650R/CB650Rを皮切りに、日本では軽二輪クラスのベストセラーであるレブル250に搭載[…]
スクランブラースタイルのCL500はカスタマイズも楽しい トラディショナルなスクランブラースタイルの大型バイクとして、2023年に登場したHonda「CL500」とはどんなバイクなのでしょうか? 筆者[…]
ニューカラー採用、ビキニカウルの“カフェ”も新色に カワサキは北米で、アーバンクルーザー「バルカンS」および「バルカンSカフェ」の2026年モデルを発表した。流麗なスタイリングはそのままに、標準モデル[…]
基本構成は日本仕様のエリミネーター/SEと変わらないが、排気量は異なる カワサキは北米でエリミネーター/SEの2026年モデルを発表した。すでに日本仕様でもホワイトおよびブラックのSEとレッドのプラザ[…]
低く長いデザインが個性マシマシ! レトロモダンなボバークルーザー 中国から新たな刺客がやってきた! ベンダは2016年設立の新興メーカーで、独自設計のエンジンを搭載したクルーザーを中心に、ネイキッドな[…]
人気記事ランキング(全体)
北米レブル300にEクラッチ仕様が登場 ホンダEクラッチが世界戦略進行中だ。欧州で人気のグローバル車・CBR650R/CB650Rを皮切りに、日本では軽二輪クラスのベストセラーであるレブル250に搭載[…]
乗ってみた! APトライク250 やっと乗るチャンスがやってきました。APトライク250を作った、株式会社カーターさんのご協力によるものです。ありがとうございます! 以前は同様にAPトライク125も体[…]
最新Z900/Z500らに共通する3眼LEDヘッドライトやファットバーを採用してデザイン刷新 カワサキは欧州で、2026年モデルとして新型車「Z650 S」を発表。つい最近、スタンダードの「Z650」[…]
世界初公開の2機種はいずれもモーターサイクル カワサキが発表したジャパンモビリティショー2025出展モデルで確定しているのは、日本初公開となる「Z1100 SE」、スーパーチャージドエンジンを搭載した[…]
新型CBは直4サウンドを響かせ復活へ! ティーザー画像から判明したTFTメーターとEクラッチ搭載の可能性 ホンダは中国がSNS『微博』にて、新たなネオクラシックネイキッドのティーザー画像を公開したのは[…]
最新の投稿記事(全体)
90年代の魂を注入! アールズギア×TSR「ネオクラシック・レベリオン」 CB1000Fコンセプトを大胆にカスタムした「Neo-Classic Rebellion CB1000F Concept Mo[…]
F1の英雄アイルトン・セナとドゥカティから続く熱い絆 セナとバイクのつながりが最初に報道されたのは、おそらく1990年のことでしょう。当時、ドゥカティのオーナーだったクラウディオ・カスティリオーニが8[…]
2023年ローンチのSmaChariシステムがさらに広がる! いつか自転車通学を楽にするものをつくりたい……。そんな想いでホンダの若手エンジニアが立ち上げた「SmaChari」は、自転車を電動アシスト[…]
防水・防寒性能も万全。オールシーズン対応のスタイリッシュパーカ:MOBLAST WP JACKET 街の景色に溶け込むことを意識した、スタイリッシュな防水パーカ。メイン生地に防水メンブレンとソフトシェ[…]
最新Z900/Z500らに共通する3眼LEDヘッドライトやファットバーを採用してデザイン刷新 カワサキは欧州で、2026年モデルとして新型車「Z650 S」を発表。つい最近、スタンダードの「Z650」[…]
- 1
- 2