ヤマハは、880ccの並列3気筒エンジンを搭載するネイキッドスポーツ「MT-09」「MT-09 SP」と、ネオクラシックモデル「XSR900」の価格改定を発表した。MT-09とXSR900は4万4000円、MT-09 SPは6万6000円の価格上昇となる。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:ヤマハ
MT-09/SPは10月6日、XSR900は10月31日に発売
ヤマハの国内モデルを販売するヤマハ発動機販売は、クロスプレーンコンセプトの並列3気筒を搭載する大型スポーツバイクの「MT-09 ABS」、「MA-09 SP ABS」、「XSR900 ABS」の価格を改定し、それぞれ10月6日および10月31日に発売すると発表した。MT-09とXSR900は4万4000円、MT-09 SPは6万6000円の価格上昇となる。
これにともない、MT-09/SPはフロントフェンダーのYAMAHAグラフィックのカラーを変更、XSR900は燃料タンクのYAMAHAエンブレムのカラーが変更される。
価格改定は以下の通り。
- 【MT-09】 110万円→114万4000円
- 【MT-09 SP】 126万5000円→133万1000円
- 【XSR900】 121万円→125万4000円
価格上昇については、為替変動や各種原材料等の高騰に歯止めがかからず、従来の価格を維持することが困難になったためとしている。 外観の変更は各モデルのカラーを参照のこと。
YAMAHA MT-09 / SP 解説
2021年のモデルチェンジでシャーシからエンジンまでほとんどを新設計とされたスポーツネイキッド。クロスプレーンコンセプトの並列3気筒エンジンは3mmのストロークアップで排気量を845→888ccとし、最高出力は4psアップの120psに。フレームは最低肉厚を3.5→1.7mmと半分以下にした新設計のCFアルミダイキャストで製造される。ヘッドライトはバイファンクションタイプのLEDモノアイだ。
このほかフルカラーTFTメーターの採用、バンク角連動型トラクションコントロールシステムやブレーキコントロールといった電子制御の充実、さらにSPにはクルーズコントロールまで導入しながらモデルチェンジによる価格上昇を最小限に抑えていた。さらに2022年は価格を据え置きしていたのが驚きだった。
ちなみにSPは、上記クルコンのほかKYB製の専用フォークやオーリンズのリヤショック、塗り分け塗装のタンク、ダブルステッチのシート、黒いハンドルバー&レバーなどを採用している。
※写真はいずれも2022年モデル
YAMAHA XSR900 解説
最新型のMT-09をベースとしたネオレトロモデルで、1980年代レーサーをオマージュしたようなスタイリングに仕立てられている。バーエンドミラーやブレンボ製の純ラジアルマスターシリンダー、専用セッティングのフルアジャスタブル倒立フロントフォークといった装備を誇り、各種電子制御のほかクルーズコントロールなども搭載している。
※写真はいずれも2022年モデル
Specifications
車名 | MT-09 / MT-09SP | XSR900 |
認定型式/原動機打刻型式 | 8BL-RN69J/N718E | 8BL-RN80J/N718E |
全長×全幅×全高 | 2090×795mm×1190mm | 2155×790mm×1155mm |
軸距 | 1430mm | 1495mm |
最低地上高 | 140mm | ← |
シート高 | 825mm | 810mm |
キャスター/トレール | 25°00′/108mm | ← |
装備重量 | 189[190]kg | 193kg |
エンジン型式 | 水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ | ← |
総排気量 | 888cc | ← |
内径×行程 | 78.0×62.0mm | ← |
圧縮比 | 11.5:1 | ← |
最高出力 | 120ps/10000rpm | ← |
最大トルク | 9.5kg-m/7000rpm | ← |
始動方式 | セルフスターター | ← |
変速機 | 常時噛合式6段リターン | ← |
燃料タンク容量 | 14L(ハイオク) | ← |
WMTCモード燃費 | 20.4km/L(クラス3、サブクラス3-2、1名乗車時) | 20.4km/L(クラス3、サブクラス3-2、1名乗車時) |
タイヤサイズ前 | 120/70ZR17 | ← |
タイヤサイズ後 | 180/55ZR17 | ← |
乗車定員 | 2名 | ← |
価格 | 114万4000円[133万1000円] | 125万4000円 |
色 | 灰、青、暗灰、[銀] | 青、黒 |
発売日 | 2023年10月6日 | 2023年10月31日 |
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