
2023年6月18日(日)、埼玉県教育委員会の主催により「令和5年度高校生の自動二輪車等の交通安全講習」が秩父地区で開催された。前年度に引き続き、バイク通学が許可されている同地区の状況を鑑み、3年生のみによる早い時期での講習会となった。本講習の今年度の変更点と併せて紹介しよう。
●文:ヤングマシン編集部:田中淳磨(輪)
様々な改善/変更が見られた5年目の交通安全講習
埼玉県が行なう高校生向けの安全講習では、運転実技の習得よりも運転操作の難しい部分を体験したり自身の現状を知るという点に重きが置かれている。車両を運転できなくても座学の受講によって運転中の危険を知り、予測を踏まえた素早い認知と判断力を身に付けることができるだろう。
今回取材した秩父地区は受講生徒が多く、計3回の開催となった。例年、午前組と午後組に分かれての受講となっていたが、回数が増えたことで午前のみで対応できるようになった。また、会場が自宅から遠い場合は車両なしでの参加も可能とした。交通安全教育を届けるという点で、より間口が広がったわけだ。
2023年度の座学では、7月1日に施行された改正道交法から特定小型原動機付自転車(特定原付)についても説明された。特に、電動キックボードについて、見た目は似ていても一般原付モデルと特定原付モデルでは走れる場所が違うこと、免許不要かつヘルメットは努力義務と手軽だが、特定原付でも自賠責保険への加入が必要で、違反をすれば交通反則通告制度や放置違反金制度の対象となること、危険行為を繰り返せば講習受講が命じられることも説明された。
埼玉県警察本部交通部交通総務課が行っている座学講習「二輪車安全運転講習 交通社会の一員としての自覚」の中でも電動キックボード等の特定原付車両について説明が行われた。社会課題の改善を目的として新設された特定原付が、三ない運動のように禁止されてしまっては本末転倒だろう。
バイク通学の統一許可証は県内共通。秩父エリアは中山間地で坂道も多く、通学やアルバイトなどバイクのニーズは高い。電動キックボードや電動サイクルの普及も気になるところだ。
ヘルメットのあご紐締結や胸部プロテクターといった安全装具のほか、「ブタと燃料」といった基本的かつ重要な運行前点検についても説明。タイヤの溝と空気圧は特に重要な点検項目だ。
日本自動車工業会のYouTubeチャンネルで公開されている「梅本まどかと宮城光のセーフティライディング」の二次元バーコード付きカードも配布された。
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