伊豆は関東~近畿圏のライダーにとってツーリングに欠かせないエリア。でも、下田方面に向かう際の休日渋滞は相当なもので、地元の方にとって生活を守るうえで好ましくない状態が続いていました。これを解消すべく延長を進めているのが伊豆縦貫道です。
●文:Nom(埜邑博道) ●写真協力:国土交通省 中部地方整備局 沼津河川国道事務所
伊豆縦貫道と繋がる予定の『河津下田道路』
伊豆は関東のライダーのみならず、日本中の多くのライダーが愛するツーリングスポットです。
気持ちのいいワインディング、海沿いを走る風光明媚な道、そして山があって海があり、温泉もグルメも目いっぱい楽しめます。
雑誌のツーリング企画でも、伊豆は絶対に欠かせないエリアで、ボク自身も何度、企画で取り上げたことか。
ただ、そんな魅力いっぱいの伊豆ですが、難点は「道が混む」こと。左右を海に囲まれ、中央部分に山があるせいで東側(東伊豆方面)も西側(西伊豆方面)も国道は1本ずつしかありません。
それでも、ターンパイクや伊豆スカイライン、西伊豆スカイラインなどを利用することで、渋滞を避けながら走ることも可能ですし、新東名高速道路の長泉沼津ICと接続している伊豆縦貫道もかなり延長されているので(伊豆市の月ケ瀬ICまで開通)、以前とは比較にならないくらい便利で快適になっています。
しかし、依然として休日には大渋滞が起こってしまうのが、月ケ瀬ICを過ぎて下田方面に向かう国道414号。とくに浄蓮の滝を過ぎたあたりからは道も細く、クネクネと曲がっていて、前に大型バスやトラックがいたりすると延々とノロノロ運転を強いられてしまいます。
でも、この辺りは浄蓮の滝や天城トンネル、河津七滝といった観光スポットもあるので、平日でもそこそこの数のバイクが走っています。混雑さえしなければいい道なのになぁと常々思っていました。
ただ、休日の渋滞を解消するために、下田まで伊豆縦貫道を延長する計画(名称は河津下田道路・延長12.5km)があり、今年の3月19日にその延長区間の一部である河津七滝IC~河津逆川ICまでの約3km(河津下田道路Ⅱ期部分)が開通。
国土交通省の発表によると約4割の交通が河津下田道路を利用し、国道414号を利用した場合に比べ9分、国道135号を利用した場合に比べ約12分、所要時間が短縮されたそうです(今年のGW期間の調査による)。
なんだそんなものか、そう思われる方も多いと思いますが、重要なのは国道414号のほかに新たな道ができたこと。道が1本から2本になったことで、単純計算ですが2倍の交通量を受け入れられるようになったのです。
そして、この縦貫道の延長は伊豆の住民にとっては「悲願」で、この延長部分の開通により救急医療施設への搬送時間30分圏内が拡大して、救命率の向上が大いに期待されるのだそうです。もちろん、伊豆半島南部の観光需要も増加することが予想されています。
ツーリングで走っているときはそんなことは考えませんが、道路は人々の生活を支えているライフラインでもあるのです。
さて、先日久しぶりに下田に行く機会があり、初めて河津七滝IC~河津逆川IC間を通りましたが、片側1車線の自動車専用道路はとっても快適。あっという間に終点の河津逆川ICに着いてしまいましたが、国道414号を通っていて、もしも大型バスなどが前を走っていたらと思うと、本当に便利になったんだなと実感しました。
そして、河津逆川ICを降りて右折して国道414号に合流すると、前方に新たな道路が建設されていることに気づきました。そう、下田まで続く新たな道路の建設がすでに始まっていたのです。
お盆休みなどに下田方面にツーリングに行くライダーも多いと思いますが、ほんのちょっとの延長ですが、抜群に快適かつ便利になった河津下田道路をぜひ通って、その快適&便利さを味わってみてください!
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