
ハーレーダビッドソンは、中国市場向けに水冷353cc並列2気筒エンジンを搭載したブランニューモデル「X350」を今年3月に発表。これが日本にも導入されるのではないかと思える状況になってきた!
●文:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:ハーレーダビッドソン CHINA
XR750スタイルでフレンドリーなサイズ感と価格を実現
ハーレーダビッドソンのブランニューモデルとして中間排気量のマシンが複数登場し、海外を賑わしている。このところ2輪市場が活気づいている中国ではQJモーターサイクルとのコラボレーションで「X350」および「X500」を開発、そしてインドでは440ccの空冷シングルエンジンを搭載した「X440」をヒーローモトコープとのコラボレーションで発表している。
いずれも、ハーレーならではのスタイリングを体現しながらコンパクトかつリーズナブルな価格設定とし、ブランド入門モデルの役割が与えられているのが特徴だ。
このうち、今回注目しているX350について、どうやら日本へ導入されるのではないかと思われる状況になってきたようだ。
ハーレーダビッドソンのフラットトラックレーサー×2車で、左は長年にわたって活躍したXR750、そして右は新世代水冷エンジン搭載のXG750Rだ。※写真はウィズハーレー提供
X350は、ハーレーダビッドソンが1970年代初頭から40年以上にわたってフラットトラックレースで活躍してきたXR750をセルフオマージュしたかのようなデザインで発表された。ハーレーのスポーツスターはフラットトラックレースの血筋を引いていることでも知られ、2009年にはXR1200というモデルも発売している。新型X350は、そんなXR系と同じオレンジ×ブラックのカラーをラインナップし、ハーレーのレガシーをガッツリ活用しているのだ。
ベースモデルは、イタリア発のブランドで中国企業の傘下にあるベネリのストリートモデル「302S」のようで、フレームやエンジンを見ると、日本でも販売されている250cc版「TNT249S」そっくり。これをうまくXRテイストのデザインの落とし込んでいる。
エンジンは、ハーレーとしては珍しい並列2気筒で、これをスチール製トレリスフレームに搭載。メカニズムの基本はベネリだが、それをどこから見てもハーレーと思えるデザインに包んでいるのだからさすがのひとことである。
エンジンはボア×ストローク比が70.5×45.2mmというショートストローク設定で、ヘッドはDOHC4バルブを採用。最高出力36.7psを発揮する。
灯火類はフルLED。φ41mm倒立フロントフォークを採用し、フロントブレーキにはウェーブタイプのダブルディスクを奢る。
ライバル勢とガチンコ勝負するには……!
そんなX350がなぜ日本に入ってくるのか。
それは、来季以降の販売台数目標や、トライアンフ/ロイヤルエンフィールドといったライバル外車勢がこぞって400ccクラスにニューモデルを投入していることが挙げられる。
ハーレーダビッドソンジャパン(HDJ)の野田社長は以前のインタビューで、今後は年間2万台のセールスを目指していくと述べており、2022年には前年の落ち込みからV字回復を果たしている。これをさらに加速するため、大型二輪免許の教習車として現行最新モデルを供給することも検討(おそらくナイトスターベースだろう)しているといい、さらに中国向け350と500のモデルについても言及。そのときの感触から、実際に日本へ400cc以下のモデルを導入することへの障壁は低いように感じられた。
また、トライアンフがスピード400やスクランブラー400Xを発表し、2023年末には日本を含むグローバル展開を予告している。ロイヤルエンフィールドの躍進も見逃せないだろう。
HDJがX350を導入しない理由を見つけるほうが難しいのではないか、そう思えてならない。じっさい、導入へ前向きな気配も漂いはじめたようだとの声もディーラーからは聞こえてくる。となれば、あとはディーラー網全体がそれを望むかどうかにかかっている。
2023年内に導入されるとすれば今秋にもなんらかの情報が入ってくるはず。価格については……正直なところまだ読めないが、ライバル勢とガチンコ勝負に出るなら70万円台までだろう。
待て、続報!!
空冷OHV2バルブの45度V型2気筒エンジンを搭載したXR1200。発売は2009年だった
HARLEY DAVIDSON X350[2023 China model]
HARLEY DAVIDSON X350[2023 China model]
| 車名 | X350 |
| 全長×全幅×全高 | 2110×──×──mm |
| 軸距 | 1410mm |
| 最低地上高 | 185mm |
| シート高 | 817mm |
| 装備重量 | 195kg(乾燥重量180kg) |
| エンジン型式 | 水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ |
| 総排気量 | 353cc |
| 内径×行程 | 70.5×45.2mm |
| 圧縮比 | 11.9:1 |
| 最高出力 | 36.7ps/──rpm |
| 最大トルク | 3.16kg-m/7000rpm |
| 変速機 | 常時噛合式6段リターン |
| 燃料タンク容量 | 13.5L |
| WMTCモード燃費 | 20.2km/L |
| タイヤサイズ前 | 120/70ZR17 |
| タイヤサイズ後 | 160/60ZR17 |
| ブレーキ前 | 油圧式ダブルディスク |
| ブレーキ後 | 油圧式ディスク |
| 価格 | 未発表 |
| 発売時期 | 未発表 |
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
あなたにおすすめの関連記事
足まわりもエンジンも、X350とは違う! ハーレーダビッドソンのブランニューモデルが2か月連続で登場! 2輪市場が活気づく中国で、3月発表のX350に続くニューモデル「X500」を発表した。ベネリのレ[…]
ハーレーダビッドソン「X440」の写真をまとめて見る(全26点) 350ccのライバル勢に対し440ccシングルで対抗 ハーレーダビッドソンのブランニューモデル「X440」がインドで発表された! エン[…]
ポテンシャルの高さはこんなものじゃない。課された使命は年間2万台だと思っている HDJは昨年、'17年以来の販売台数1万台超えを記録しV字回復を成し遂げた。さらに、今年はハーレーダビッドソン(以下H-[…]
ハーレーダビッドソンは2019年8月19日、バイクの日に行われたハーレー2020年モデル発表会で「ローライダーS」の復活をアナウンス。この時、本誌では気になる世界戦略モデルについてH-Dジャパンのグレ[…]
最新の関連記事(新型小型二輪 [251〜400cc])
11/1発売:カワサキ カワサキ ニンジャH2 SX SE カワサキの最高峰スポーツツアラー「ニンジャH2 SX SE」の2026年モデルが、11月1日に発売された。スーパーチャージャー搭載のバランス[…]
11/1発売:カワサキ W800 カワサキが50年以上にわたり培ってきた「W」ブランドの最新進化系「W800」の2026年モデルが11月1日に発売される。この国産クラシック系の旗艦モデルは、美しいベベ[…]
11/1発売:カワサキ Z250 カワサキ「Z250」はニンジャ250と骨格を共有するこの軽二輪スーパーネイキッドは、アグレッシブな「Sugomi」デザインを継承。軽さと力強さを併せ持つ本格的スーパー[…]
「ハーレーダビッドソン東大阪」と「AELLA」が共同開発 ブラックに塗装されたメガホン形状のサイレンサーは、ハーレーダビッドソン東大阪と京都のカスタムパーツメーカー「AELLA(アエラ」)が共同で開発[…]
多くのカラーパターンを採用するCB350C、特別な2色のスペシャルエディション ホンダはインドでCB350C(日本名:GB350C)を発表した。これは前年に登場したCB350を名称変更したもので、従来[…]
最新の関連記事(ハーレーダビッドソン)
ロードグライド131RRか? いいや違う、 さらに上回る143だ クラッチミートするや否や、極低回転域から図太いトルクでロードグライドの巨体が力強く押し出される。クイックシフターのアシストもあり、ス[…]
ハーレー乗りじゃなくても大歓迎! ブルースカイミーティングは、ハーレーオーナーのみならず、ライダー/ノンライダーに関わらずどなたでも大歓迎のカルチャーイベント。 北陸初の開催となる今回は、景勝地の東尋[…]
「ハーレーダビッドソン東大阪」と「AELLA」が共同開発 ブラックに塗装されたメガホン形状のサイレンサーは、ハーレーダビッドソン東大阪と京都のカスタムパーツメーカー「AELLA(アエラ」)が共同で開発[…]
FLHTCUTG TRI GLIDE ULTRA:直感的にハーレーとわかる威風堂々のスタイル バットウイング・フェアリングを備える「トライグライドウルトラ」は、堂々たる装いと快適な乗り心地が楽しめるモ[…]
バトル・オブ・ザ・ツインの歴史に刻まれる存在 1981年に米国、デイトナスピードウェイで第一回が開催され、その熱が日本に伝わり、1984年に日本の筑波サーキットでも火蓋が切られることとなったレース“バ[…]
人気記事ランキング(全体)
3気筒と変わらない幅を実現した5気筒エンジンは単体重量60kg未満! MVアグスタはEICMAでいくつかの2026年モデルを発表したが、何の予告もなく新型5気筒エンジンを電撃発表した。その名も「クアド[…]
未塗装樹脂の白ボケ原因とツヤを復活させる方法 黒かったものが白っぽくなってくると古臭く見えてしまいます。…いいえ、「白髪」ではなくて「黒樹脂(未塗装樹脂)パーツ」のオハナシです。 新車の頃は真っ黒だっ[…]
冬ツーリングを快適に! デイトナの防寒アイテム デイトナ(Daytona) 防風インナー バイク 冬 防寒 ハーフジップ ウェア DI-001FA ブラック Mサイズ 31948 [デイトナ] バイク[…]
APトライク250って高速道路で通用するの? チョイ乗り系トライクとして知られるAPトライク125は、125ccという排気量ながら「側車付き軽二輪」という区分のおかげで高速道路を走れます。しかしながら[…]
スマホを固定しながら充電まで。カエディアのバイク用充電スマホホルダー Kaedear(カエディア) バイク スマホホルダー デビルホーン 充電機能付き Kaedear(カエディア) バイク スマホホル[…]
最新の投稿記事(全体)
背中をしっかり支える高反発スポンジを採用 本製品のバックレストパッドは、高密度かつ高反発のスポンジ素材が採用されている。柔らかすぎず、長時間寄りかかっていても型崩れしにくいため、腰や背中をしっかり支え[…]
ロング形状&凸面鏡で後方視界がしっかり確保できる KEMIMOTOのバーエンドミラーは、ロングアーム形状と広角な凸面鏡により、バーエンドミラーとしては後方の視認性が高い。ハンドルグリップの外側からしっ[…]
最新の安心感と46worksテイストを両立した「究極のコンプリートモデル」 この『#02』は、2024年に限定販売された初代モデルに続くコンプリートカスタムモデル。今まで46worksが得意としてきた[…]
距離もブランドも関係なし!50人同時通話を実現 EVA Rモデルは、EVANGELION RACINGをモチーフとした特別デザイン(初号機A/B、2号機A/Bの全4モデル)をまとい、ナイトランでも存在[…]
防寒着に求められる3要素を網羅 真冬のバイク乗りにとって、防寒は死活問題だ。アウターで風を遮断しても、その内側、つまりミドルレイヤーやインナーの選択次第で、ツーリングの快適度は天と地ほど変わってしまう[…]
- 1
- 2











































