
1987年のル・マン24時間耐久レースに参戦したレーシングマシン「ホンダNR750」が、レース活動終了後では世界初となるエンジン始動イベントを開催する。実施日時は5月4日/5日、場所はモビリティリゾートもてぎ内のホンダコレクションホールだ。
●文:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:モビリティリゾートもてぎ
楕円ピストンレーサーが世界初のエンジン始動!
5月4日/5日にホンダコレクションホール(栃木県芳賀郡・モビリティリゾートもてぎ内)の中庭にて、1987年のル・マン24時間耐久レースに参戦したレーシングマシン「ホンダNR750」のエンジン始動イベントが開催される。
ホンダNRは「4ストロークで2ストロークに勝つ」ことを目標に、楕円(長円)ピストンを採用した伝説のレーシングマシン。世界戦では未勝利に終わったものの、ホンダの掲げたロマンや独自極まるメカニズムにいまだファンは多く、その後のホンダを支えた多数の名技術者を輩出したことでも知られる。1992年に発売されたNR(750)はこの公道仕様だ。
レーシングNRには世界GPに挑んだNR500と耐久レーサーのNR750が存在し、ともに車両はコレクションホールで保存されていたが、レース活動終了後にエンジンに火が入ることはなかった。それが今回、1987年のル・マン24時間耐久車が整備を受け、36年ぶりに“レーシング楕円ピストン”の生音を聞ける機会が訪れたというわけだ。
当日はNR750のほか、1976年式のRCB1000、2000年式のVTR1000SPWも始動イベントを開催予定。さらに5月5日にはモビリティリゾートもてぎのオーバルコースにて、1997年式のNSR500や4輪レーシングマシン(1965年式RA272/1995年式NSX-GT2)のデモランも予定されている。当日のモビリティリゾートもてぎへの入場は、G/Wの特別料金や駐車料金が必要となるため、あらかじめホームページで確認してほしい。
■イベント開催日時
- 5月4日(木)11:00/15:30
- 5月5日(金)11:00
- 天候不良時は中止の場合あり
■始動イベント・開催場所
- モビリティリゾートもてぎ内・ホンダコレクションホール中庭
■エンジン始動車両
【ホンダNR750(1987年/ル・マン24時間耐久参戦車)】レーシングライダーのマルコム・キャンベルに、根本健/ジルベール・ロイという日仏のジャーナリストを加えた3名体制で挑み、予選2位のリザルト(決勝は3時間31分でリタイヤ)。エンジンは750ccのV型4気筒で、1つの長円ピストンあたり2本のコンロッド/点火プラグと8つのバルブを備えたDOHC32バルブだ。
【ホンダRCB1000(1976年/ボルドール24時間耐久優勝車)】圧倒的な強さから“無敵艦隊”の異名を取った‘70年代の耐久マシン。1976年は世界耐久選手権への参戦初年度だが、ジャン・クロード・シュマランとアレックス・ジョージがボルドール24時間を制するなど、見事に年間チャンピオンを獲得。
【ホンダVTR1000SPW(2000年/ル・マン24時間耐久優勝車)】新開発の水冷V型2気筒を積むレース用ホモロゲマシン・VTR1000SP-1がベースのワークスレーサー。W.コステス/S.シャーペンティア/S.ジムベールが駆り、デビューレースとなった2000年の世界耐久第一戦、ル・マンを見事に制した。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
あなたにおすすめの関連記事
【ダイナマイトSCOOP!】中免でも乗れる! 予想価格200万円、予想発売時期は'93年4月だ!! ※以下、しばらく当時の記事にお付き合いください NRはスゴイ。まさに夢のようなマシンだが、価格も夢の[…]
※本記事で取り上げる「初」は、公道走行可能な量産二輪市販車としての”初”を意味します。なお、その定義には諸説ある場合があります。 ’92 ホンダNR〈世界初:楕円ピストン&国産初:500万円超〉 型式[…]
最後のV4エンジン搭載車が生産終了 さる4月28日、ホンダが「法規対応に伴う、Honda二輪車の一部機種の生産終了について」というリリースを出した。厳しさを増す排出ガス規制に対し、一部機種を生産終了す[…]
小さなポケバイをベースに往年の名車を再現する。ホンダ社内で行われる若手モデラー育成プロジェクト「模刻」のデキがあまりにも見事なのでWEBでもご紹介。パート4はNR500の写真集です。 楕円ピストン×8[…]
小さなポケバイをベースに往年の名車を再現する。ホンダ社内で行われる若手モデラー育成プロジェクト「模刻」のデキがあまりにも見事なのでWEBでもご紹介。パート6はNR500編の写真集です。 ホンダの情熱と[…]
最新の関連記事(ホンダ [HONDA])
2ストローク90ccの「CO-29」は、キーレスにポップアップスクリーン採用 1988年に劇場版「AKIRA」が公開された翌年、1989年8月にウェルカムプラザ青山で「MOVE HONDA MOTOR[…]
オーディナリーホワイトとアーティザンレッドの組み合わせ カブハウスのSNSでスーパーカブC125の新色が公開された。詳細は記されていないが、1958年以来の“Sシェイプ”デザインに新たなカラーデュオを[…]
CB1300シリーズに「ファイナルエディション」が登場! 1992年に生まれたCB1000 SUPER FOURから始まり、Honda「PROJECT BIG-1」を現代にまで継承してきた「CB130[…]
ABSタイプに上品なホワイトが登場 発売は、2018年4月20日。ABSの有無によって、2つのタイプが設定されていた。ABSタイプには、CBR250RRの先鋭的なフォルムが際立つニューカラー、パールグ[…]
通勤からツーリングまでマルチに使えるのが軽二輪、だからこそ低価格にもこだわりたい! 日本の道に最適なサイズで、通勤/通学だけでなくツーリングにも使えるのが軽二輪(126~250cc)のいいところ。AT[…]
最新の関連記事(レース)
『状況によって』と予想はしたが── 前回のコラムで「状況によってはトップ5に入る」と予想していた、小椋藍くん。MotoGP開幕戦・タイGPで、本当にやってくれました! 土曜日のスプリントレースが4位、[…]
Moto3、Moto2に続き、最高峰MotoGPクラスにも 昨晩(日本時間3月6日午後7時過ぎ)、レース関係者ならびにレースファンの間に激震が走った。 現在、ワールドスーパーバイク(WSBK)、ワール[…]
この1枚の写真、どこかに違和感を感じませんか? さて、この1枚の写真、どこかに違和感を感じませんか? アレっと思ったそこのアナタ、鋭い! そして、かなりのマニア(ぴったんこカンカン)です。[…]
ミルとガードナーのマネージャーが一緒! 親友ラバトも被るカブトとの縁 マーケティング戦略に関わるサポートライダーとの契約は、綿密な計画に基づいて進められると考えられますが、今回のジョアン・ミル(ホンダ[…]
拍子抜けするぐらいのスロットルの開け方で加速 マレーシアテストレポートの第2弾。まずはシェイクダウンテストからいきなり速さを見せた、小椋藍選手について。本人は「ブレーキングが課題」と言っていたが、ブレ[…]
人気記事ランキング(全体)
自分のミスではないアクシデントで運命を分ける空気圧! タイヤの空気圧は大事……わかっちゃいるけど、つい面倒でチェックが疎かになりがち。 しかし脅かすワケではないけれど、実は空気圧が適正に保たれていない[…]
1位:「モンキー125」で黄色いモンキー復活【欧州】 ホンダが欧州で、125ccモデル×3車種を発表。いずれも、日本で販売中のカラーリングを纏ったモンキー125、ダックス125、スーパーカブC125の[…]
1990年に撤廃された、国内販売車の排気量上限自主規制 大排気量ランキングの話を始める前に、少し歴史を遡ってみよう。日本では、1969年のホンダCB750Fourの登場を機に、当時の国産車の最大排気量[…]
整備部門に加えて塗装や磨き作業まで社内で行うエルオート。コンディションに応じた最善策で販売車両を製作できるのが最大の強み 数ある絶版車の中で頂点に君臨し続けているカワサキZシリーズ。人気車種ゆえ大物の[…]
オイルの匂いとコーヒーの香り。隠れ家へようこそ。 56designが4月12日に奈良県奈良市にオープンさせる「56design NARA」。以前から要望が多かったという、同社初となる関西圏の新店舗だ。[…]
最新の投稿記事(全体)
XSR900 GPの登場によりカジュアル寄りに回帰したXSR900 ヤマハは、クロスプレーンコンセプトの888cc並列3気筒を搭載するスポーツヘリテイジ「XSR900」をマイナーチェンジ。ライディング[…]
2025年2月6日改訂 125ccスクーターは16歳から取得可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)[…]
1位:ホンダ「CB1000ホーネット」試乗インプレッション エンジンが抜群に気持ちいい! ホンダが2025年1月23日に発売した新型モデル「CB1000ホーネット/SP」は、ダブルアールこと「CBR1[…]
スマホで各種申請書を作成、二次元バーコード経由でプリントアウト可能に 自動車検査登録手続きのデジタル化を推進する国土交通省は、関東運輸局にて2025年2月より「登録手続き申請書メーカー」を運用開始した[…]
時代に合わせて生き続けた、愛すべきヤマハの象徴 スポーツバイクにおいて、スペックが重要な指標のひとつなのは間違いない。しかし1000ccで200psオーバーが当たり前の近代において、最高出力が25ps[…]
- 1
- 2