
1984年に登場し、今も熱狂的なファンを持つ’80年代随一の人気機種・カワサキGPZ900R。この”初代ニンジャ”の復活機運が高まりつつある? 2024〜2025年の2年間で30機種以上のエンジン車を投入すると発表しているカワサキだが、このタイミングがGPZ900Rの生誕40周年とピタリ一致するのだ。復活ともなれば”カワサキ内燃機関大攻勢”の象徴的存在として、これ以上ないほどのインパクトを発揮するはずだッ!!
●文:ヤングマシン編集部 ●CG:SRD
’80sネオクラの大本命。出さない理由がない?!
2023年のミラノショー(EICMA)における、カワサキモータースの伊藤浩社長のスピーチは衝撃的だった。EVやハイブリッドなどの投入計画を発表し、その返す刀で「2024〜2025年に30機種以上の内燃機関車を投入する」と発表したのだ。バイクの電動化に積極的に取り組みつつも、エンジン車の楽しさも諦めないカワサキの姿勢には本当に頭が下がる。
とは言え、電動化のこのご時世にエンジン車で勝負をかけるには、何がしかの意味合いやストーリー性が欲しいところ。そこでGPZ900Rの出番である。新生エンジン軍団の象徴として、2024年に生誕40周年のアニバーサリーを迎える初代ニンジャを復活させる。恐ろしいほどズバリとハマるシナリオではないだろうか? 今も絶大な人気のGPZ900Rが復活となれば、2017年のZ900RSと同等以上のインパクトをもたらすハズ。もう出さない理由なんてない?!
よ〜く見ると…状況証拠もチラホラリ?!
この”GPZ復活”は完全な編集部の妄想ストーリだが、状況証拠と言えそうなものはここ数年のカワサキ周辺に見え隠れしている。世界的なリバイバルブームの興隆や、これまでもお伝えしてきた、バリエーション機種の大量投入というカワサキの新車戦略も同様だし、2021年に伊藤社長が「メグロやZ900RSに代表される、伝統を継承するモデルは今後も投入する」と発言したことにも注目したい。ここ数年、Z/W/メグロと伝統を蘇らせる動きを見せてきたカワサキにとって、“ニンジャ”も重要なブランドなのは言うまでもないだろう。
そして、2022年から2023年初頭に掛けて、GPZ900Rはやたらとカワサキ絡みの露出が増えているのだ。映画『トップガン・マーヴェリック』で、トム・クルーズ演じるマーヴェリックの愛機として登場したのはもちろん、この劇中車は2022年11月のEICMAでカワサキブースに展示され、直後の12月には日本で行われた川崎重工の株主向け報告会の場にも登場。さらに1月22日までは、神戸にあるカワサキの企業ミュージアム・カワサキワールドで一般公開されるなど、一般の目につく機会が妙に増えているのだ。
EICMAで展示された、トップガン劇中車のGPZ900R。「離陸に備えよ」って…、40周年に向けた復活の狼煙としか思えない!?
そしてダメ押しとなるのが、EICMAやカワサキワールドで展示された際、バックパネルに躍っていた「PREPARE FOR TAKE‐OFF(≒離陸に備えよ)」の文言だろう。ここまでされたら”ニンジャが飛び立つ!? それってつまり、GPZ復活ってコトですよね!”と取らずにはいれらないってモンですよカワサキさん!!
〈YM未来予想〉カワサキGPZ900RSニンジャ:ニンジャスタイルに最新機能を実装
【KAWASAKI GPZ900RS Ninja|予想モデル】Z900RSベースということで、GPZ900RSと編集部では命名。ぜひ実現して、映画トップガンや’90年代第三京浜ブーム世代を直撃してほしい! ●予想登場時期:2024年頃 ※写真はイメージCG
ここからは来たる(来て欲しい!)新生GPZ900Rの姿を占ってみよう。ベースはもちろん、排気量設定も申し分ないZ900…というより、ここはもうZ900RS。GPZのシルエットを再現するにはフラットなシートレールを持つRSの方が最適だし、ホイールもカスタムチックなデザインのRSの方がぴったりハマる。
オリジナルでは左右2本出しだったマフラーも、多くのオーナーが集合管にカスタムしていたことを思えば、RS譲りのマフラーでも違和感ないはず。サイレンサー形状についても、いかにも最新なZ900より、RSのものがGPZには似合いそう。
メーターには、Z900をはじめとした多くのカワサキモデルに採用されている、4.3インチのカラーTFTユニットを使うのがベストか。このメーターにはスマートフォン連携もあるので、機能的にも魅力。
電子装備面では、トラクションコントロールの他に2段階パワーモードもZ900には付いているので、そちらを継承してもらいたいところだ。欲を言えば、現行Z900&RSのどちらにもないクイックシフターもぜひ追加で!
足まわりはセッティング変更のみで十分だろう。リヤ1本サスペンションはRS以上にGPZのイメージ通りだし、なにしろオリジナルで誰もが憧れた倒立フォークが最初から手に入る。しかもRSベースなら、ゆくゆくはオーリンズ&ブレンボのSEも簡単に…と妄想は果てしなく膨らむ。
ニンジャ40周年となる2024年秋のEICMAで発表し、2025年モデルとして発売…という流れが盛り上がり的に最高と思えるが、果たして妄想どおりに運ぶのか?
ネオクラブームは’80年代に焦点が移動中。初代ニンジャ復刻を求める声も日々高まるばかり。時期は来た! ※写真はイメージCG
【ベース:’23 KAWASAKI Z900RS】大元のベースとなるのはストリートファイター系ネイキッドのZ900。そこから派生したRSは、設計時に蓄えた変身ノウハウを復刻GPZ作成時にも存分に発揮できるはず。各部の意匠も、復刻GPZにはよりマッチング度が高い印象だ。■水冷並列4気筒 948cc 111ps 10.0kg-m 215kg ●価格:143万円
【モチーフ:’84 KAWASAKI GPZ900R】当時世界最速としてデビュー。後継となるGPZ1000RXやZX-10よりも人気を博し、排ガス規制を通せなくなる’03まで生産が続けられた。その鋭角フォルムは唯一無二。■水冷並列4気筒 908cc 115ps 8.7kg-m 228kg(乾) ※写真はGPZ750R
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI])
過激な初代からフレンドリーな後継モデルへ カワサキのビッグバイクと言えば、優れた資質を備える初期型をベースにして、2代目以降で徐々に動力性能を高めていくのが通例だ。だがマッハシリーズの場合は、初期型が[…]
2025モトクロス世界選手権チャンピオンが全日本に参戦! 株式会社カワサキモータースジャパンは、2025年11月1日(土)・2日(日)スポーツランドSUGO(宮城)で開催される第63回 MFJ-GP […]
1,000ドルを謳い文句に全米で大ヒット! カワサキは1972年のZ1以来、Z650RSにZ750TWINと念願だったビッグバイクの領域で世界のリーダーへと君臨することに成功。 またそのいっぽうで、ホ[…]
次世代を見据えた新技術を随所に投入 ’73年から開発が始まったZ650は、当初は”Z1ジュニア”と位置づけられていた。とはいえ、単なるスケールダウンをヨシとしない開発陣は、次世代を見据えた新技術を随所[…]
超えるべき指針はトライアンフ・ボンネビル ’54年に第一号車として、2スト60ccスクーターを手がけたカワサキが、2輪事業に本腰を入れるようになったのは’60年代に入ってからである。 もっとも、当初の[…]
人気記事ランキング(全体)
キジマ(Kijima) バイク スマートディスプレイ SD01 5インチ キジマの「SD01」は、スマートフォンとWi-Fi(2.4GHz)で接続し、スマホのマップをナビ表示できる5インチのモーターサ[…]
次世代を見据えた新技術を随所に投入 ’73年から開発が始まったZ650は、当初は”Z1ジュニア”と位置づけられていた。とはいえ、単なるスケールダウンをヨシとしない開発陣は、次世代を見据えた新技術を随所[…]
メカもライテクもこの1台に教わった 原付というジャンルが、若者にとって比較的手軽にモータースポーツを楽しむ道具として浸透していく中、別の意味で趣味性の高いアイテムとして発展したのがレジャーバイクと呼ば[…]
超えるべき指針はトライアンフ・ボンネビル ’54年に第一号車として、2スト60ccスクーターを手がけたカワサキが、2輪事業に本腰を入れるようになったのは’60年代に入ってからである。 もっとも、当初の[…]
新型CBは直4サウンドを響かせ復活へ! ティーザー画像から判明したTFTメーターとEクラッチ搭載の可能性 ホンダは中国がSNS『微博』にて、新たなネオクラシックネイキッドのティーザー画像を公開したのは[…]
最新の投稿記事(全体)
奈良県からスタート! 北海道から九州まで全国で増加中の「カブの駅」 突然ですが、皆さん、『カブの駅』ってご存知ですか?現在、1200カ所以上登録されている『道の駅』はツーリングの集合場所や休憩スポット[…]
8月後半から9月末の日本GP、10月の全日本へ怒涛のレースシーズン アッという間に10月も半ばが過ぎてしまいました。全日本ロードレース選手権を中心に取材活動をしているボクにとっては、8月23日・24日[…]
過激な初代からフレンドリーな後継モデルへ カワサキのビッグバイクと言えば、優れた資質を備える初期型をベースにして、2代目以降で徐々に動力性能を高めていくのが通例だ。だがマッハシリーズの場合は、初期型が[…]
ヤマハ・ハンドリングのこだわりを400レプリカ路線へ融合! 1980年にRZ250をリリース、レプリカの時代に先鞭をつけたヤマハも、4ストのスポーツバイクXJ400系ではツーリングユースを前提とした、[…]
X-ADVの兄弟車として欧州で販売される「フォルツァ750」 ホンダは欧州でフォルツァ750(FORZA 750)の2026年モデルを発表した。主要諸元に変更はなくカラーバリエーションの一部変更でイリ[…]
- 1
- 2