原付二種クラスに多機種攻勢を仕掛けるホンダ。車種間でパーツを流用してはいるものの、それを感じさせないほど作り分けは見事だ。どこがどう違うのかしっかりチェックしよう! 本記事では、5台のエンジン/足まわりの違いについて検討する。
ホンダ ダックス125 エンジン/足まわり:特徴的なアップマフラーをギリギリまで車体に寄せる
【新123cc】現行グロムに端を発する63.1mmストロークの空冷SOHC2バルブ単気筒。9.4ps、1.1kg-mはモンキー125と共通だが、それぞれ発生回転数は異なる。マフラーは車体にギリギリまで寄せるため、ショックユニットと干渉しそうな部分をコの字形状に。
5本スポークの前後ホイール、2種類の標準装着タイヤ(ヴィーラバー/IRC)はグロムと共用で、さらにスイングアームもグロムをベースにツインショック用としている。
φ31mm倒立式フロントフォークもセッティングまで含めてグロムから流用している。
ホンダ CT125 ハンターカブ エンジン/足まわり:国内仕様も間もなく新型に。低回転域で最大トルク発生
ホンダ125ccシリーズで唯一57.9mmストロークの旧型エンジンを搭載する。8.8psは5車で最も非力だが、最大トルク1.1kg-mを4500rpmという一番低い回転数で発揮。ハイマウント吸気ダクトやアップマフラーの採用で渡河時の浸水さえ防ぐ。
ブレーキディスク径はフロントφ220mm/リヤφ190mmで、リヤのディスクブレーキはカブシリーズ初。フロントのみABSを採用。標準装着タイヤはIRC製だ。
上下のブラケットでインナーチューブを支持する正立式フォークを採用する。
ホンダ モンキー125 エンジン/足まわり:5段ミッションの変速比はベースのグロムと共通
’22年型で63.1mmストロークとなり、クラッチ機構がクランク軸からメイン軸へと移動。ベースはグロムだが、モンキーらしい特性を追求し9.4ps/1.1kg-mを発生。アップマフラーは’22年型でエンド形状が変更された。
タイヤはグロムやダックスが70偏平なのに対し、モンキーのみ外径が一回り大きくなる80偏平を採用。長円断面のスイングアームは専用設計で、’22年型からABS仕様のみに。
先代グロムから流用したY字スポークの12インチホイールを採用している。
ホンダ スーパーカブC125 エンジン/足まわり:スムーズなシフトフィール、低振動&低ノイズの技術も
ヘリカルプライマリーギヤや高精度クランクジャーナルベアリングでノイズを低減。さらにシフトドラムベアリングやシフトアームラバーで変速フィールを滑らかに。カブシリーズの最上位だけにコストのかけ方が違う。
切削加工を施した17インチのアルミキャストホイール。スポークは中空だ。IRC製の標準装着タイヤはチューブレスの専用設計。リヤブレーキは5車で唯一のドラムだ。
フォークをアンダーブラケットのみで支えるユニットステアを採用する。
ホンダ グロム エンジン/足まわり:海外でも人気のミニモト。10psは最もハイパワーだ
一足早く63.1mmストローク&高圧縮比となった新型エンジンは、オフセットシリンダーやローラーロッカーアームを採用し、5車で最もハイパワーな10psを発生。ハンドクラッチ&5速ミッションはモンキーと共通だ。
リバイバルシリーズではないため、グロムのみリンクレスのモノショックを採用している。グロムを含む5車すべてがニッシン製のブレーキキャリパーを採用し、ABSはフロントのみとされる。
フォークはダックスにも流用されたφ31mm倒立式だ。
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