HRC Sakuraでは、‘60年代の第一期、’80年代の第二期のF1マシンの動態保存も担当しており、工業用CTスキャナーを用いて部品の老朽度合いを検証し、使用限界を超えたパーツのリプロダクトなどを行っている。このリプロダクトも当時と全く同じものを作るのではなく、動態保存という最大の目的を踏まえて、コストや目的、今後の耐用年数、残すべき製法や素材なのかなど、総合的な検証を経て製法や素材を決めていくという。その例として展示されていたRA272用サスアームは、オリジナル(上)は板材を溶接で組み立てているが、それ自体は特筆すべき製法ではないうえ、さらに耐用年数も短いため、リプロ品(下)はあえてNCによる削り出し製法を採用している。