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「このバイクって、どこが良いの?」バイク好きなら一度は口にしているであろうこのセリフ。そんな疑問に一発回答! 日夜ニューモデルに触れまくっているヤングマシン編集部が、取材で得た裏話も交えて注目モデルの魅力のキモをピンポイントで伝えます。今回は、適度なパフォーマンスと本格的サーキット能力を併せ持った注目の新世代のスーパースポーツ・ヤマハYZF-R7だ。
●文:ヤングマシン編集部(マツ) ●写真:真弓悟史
元レプリカ小僧たちが自分たちの願望を形に!?
青春時代をレーサーレプリカとともに過ごした、現在40代後半〜50代の峠上がりライダーから見れば、現状のニューモデルラインナップは「帯に短し、襷に長し」と言えるものかもしれない。250や400じゃもの足りないし、かといって600や1000は速すぎるし、値段も高くて手が届かない。年相応に落ち着きたい気持ちはあるものの、でも、やっぱり俺はバリッとしたスーパースポーツに乗りたいぜ…。
そんなライダーにとって福音となるのがヤマハのYZF-R7だろう。エンジンやフレームなど、車体の基本構成はMT-07と共用化することでコストを下げつつ、それでいて倒立フォークやブレンボのラジアルポンプマスターシリンダーといった、走り屋ゴコロをそそるパーツを投入。それらをまとめるべく、車体の各部に入念な剛性コントロールを施して走りのバランスを再構築した、新世代のスーパースポーツだ。
特筆点はまずライポジだろう。グッと低く構えたセパレートハンドルが生み出すポジションは、元レプリカ乗りが「そうそうコレコレ!」と膝を打ちそうなスポーティなもの。最新のYZF-Rモードを纏いつつ、250と見紛うほどスリムに仕上げられた外観にもチープさはまったくない。それでいて100万切りの税込み99万9900円という価格まで実現しているのだから、今や一家の大黒柱となった元レプリカ乗りも「なんとか大蔵省の裁可が下りるかも…」と希望が持てるというものだ。
その走りはMT-07譲りのフレンドリーさを持ちつつ、かつ本格的なサーキットランにも対応できる奥の深いもの。自分がうまくなったかのような扱いやすさは元レプリカ乗りのココロを掴むだろうし、688cc並列ツインが生む73psというスペックも、心地いい汗をかくのにちょうどいい、速すぎず遅すぎずの時流に沿ったパフォーマンスと見ることができる。
加えて特筆したいのは、R7の開発陣にはレプリカ大好き40〜50代が多々潜んでいる…という事実。彼らがコッソリ教えてくれた裏コンセプトは「レプリカ世代のおじさんホイホイ」。かつてレプリカでブイブイ言わせ、リッターSSまでステップアップしたものの、月日は流れ、体力も落ち、しかし250ccへのダウンサイジングはプライドが許さない。サーキットに通うトランポやライセンスこそないけれど、膝を擦るくらいのスキルとツナギだったら今も持っている…と、元レプリカ乗りが「俺のこと!?」となるような仮想ユーザーが設定されていたというのだ。
YZF-R25やR3からのステップアップという役割を担うR7だが、実は開発陣は裏でそんなことを考えていた…と知ると、このバイクと元レプリカ乗りの距離感は今よりもグッと縮まるハズ!? そんなバイクを作ってくれたからには、オジサン達をより燃え上がらせるような、今後のヤマハサイドの仕掛けや施策にも期待したいところだ。
【YAMAHA YZF-R7】機能とデザインを融合させたスリムなプロポーションを追求。専用の小型LEDヘッドランプでカウル周辺をスリム化し、排気系とのクリアランスをギリギリまで詰めるため、アンダーカウルにはアルミ素材を採用している。■水冷4スト並列2気筒DOHC4バルブ 688cc 73ps/8750rpm 6.8kg-m/8750rpm ■車重188kg シート高835mm 15L ■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●色:ディープパープリッシュブルーメタリックC/ヤマハブラック ●価格:99万9900円 [写真タップで拡大]
ストレートで伏せた際に顎を収まるエグリを設けたタンクカバーは、社外メーターの装着まで考慮。ほか、シングルシートカバーやスライダー、スクリーンなどは既存機種の流用を可能とし、サーキット走行時に必要なアイテムを揃えやすくしたのもR7の配慮のひとつ。
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