去る4月13日、東京オートバイ協同組合(AJ東京)ほかの二輪関連団体が小池百合子東京都知事の事務所を訪問し、バイク駐車場の設置拡大等について要望書を提出した。その効果がさっそく発揮されたのかは不明だが、小池氏の勉強会(5月)等の場にて「東京国際フォーラムへのバイク駐車場の設置が決定した」ことが話題となった。本記事ではその訪問時のやり取りについて紹介する。
●文/写真:ヤングマシン編集部(田中淳磨)
去る4月13日の午後5時30分、都庁からほど近い小池氏の個人事務所に二輪関連団体の代表者らが集まった。オートバイ政治連盟の吉田純一会長は、開口一番「駐輪場がないんですよ」と切り出した。
吉田氏「駐輪場にも大きなバイクを入れてもらえるようにお願いしたい。国家公安委員長にも『二輪を除く』を復活させてほしいとお願いしています。その補助標識を外して取締りを始めたものですから。もともと置ける場所はたくさんあったわけです。警察庁にも通達(実情に沿った取締り)を出してもらってますけど、’06年からこれまでに東京都の二輪車保有台数(約100万台)と同じくらいの取締りを受けています」
全国オートバイ協同組合連合会(AJ)の大村直幸会長も続ける。
大村氏「’06年以前は都内にも『二輪を除く』の場所がありました。生活実態として邪魔かどうかは別として、停められたんです。バイクが電動になっても、停め場は絶対についてくる問題です。そこをどう利活用するのかが大事で、利用促進に関する会議体のようなものを東京都に持っていただきたいんです。東京都が動けば日本全国が動くという期待感を持っているからです」
ここで、小池氏へ要望書が手渡された。書類を目にした小池氏は「東京国際フォーラムね…。これ、わかりました」と即座に返答した。さらに小池氏は、新型コロナ禍でバイク通勤者が増えたことを実感していると伝え、社会情勢的にも需要が高まっていることを示唆し、「都立の駐車場も含めて」検討するとした。ここで、AJ東京の野間健児理事長が発言する。
野間氏「有楽町駅前の東京国際フォーラムも都立ですが、実はあそこ、二輪の駐車場がゼロなんですね。せめて四輪駐車台数の5%=20台ぐらいは置けるようにお願いしたい。大地震が起きた際には、あそこを災害ボランティアバイクの基地にもできる。前回お願いした時は、担当者から『四輪と交差する場所があってバイクは危ないから』という返答でした」
AJの石井大事務局長は「そこは危ないで済ませるのではなく検証していただきたいです。テストへの協力は惜しみません」とフォロー。吉田会長も「大型バイクでも自然に都営駐輪場に入れるようにしてほしい」と具体的なイメージを要望した。
こうしたやり取りを間近に見て、ひと言でいえば、かつてないほどに期待感が膨らんでいる。民間駐車場と同様に、都営の様々な施設にも大型バイクも停めれる駐車場が増えていく流れに期待したい。
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