’19年に本誌がその存在をスクープして以来、近年まれに見るほどのスクープ合戦が各バイク雑誌を賑わせてきた大注目のダックスが、その全貌を明かすときがやってきた! ’22年最大の注目車といえるこの1台を大特集でお届け。本記事では、スタイリングの変化を旧ダックスと比較しながら解説する。
●文:ヤングマシン編集部(谷田貝洋暁) ●写真:真弓悟史 ●外部リンク:ホンダ
- 1 待望の現代版ダックス復活! 三代目となる新型をとくと拝見
- 2 ’22 ホンダ DAX125
- 3 ダックス新旧比較:新型は最新技術で独創スタイルを再現
- 4 スタイリング:新型は頼れる骨太/ご先祖様はコンパクト!
- 5 フロントまわり:太く力強く前足を強化!
- 6 リヤまわり:お尻も大きく進化してダックススタイルを見事に125cc化
- 7 アイポイント:乗車ビューもまさしくダックス! 2人乗りも楽チンそう
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待望の現代版ダックス復活! 三代目となる新型をとくと拝見
出るぞ出るぞとは噂されていたが、ホンダが主催するメディア向け撮影会にて、ようやくその姿を拝むことができた新生ダックス。モンキー125/スーパーカブC125/CT125ハンターカブに続く復刻シリーズ第4弾で、モチーフは当然、’69年登場の「ダックスホンダ」だ。ダックスは’95年にもリバイバル発売されており、今回は都合2回目のリボーンということになる。
この新たなダックスの正式車名は”ダックス125″。車体のエンブレムには“ST”と従来モデルの形式名が入っているものの、国内仕様の車名にSTは入らない。ちなみに、欧州仕様の正式車名には”ST125 DAX”と、STが入る模様。
さて、このダックス125。特徴はなんといってもファニーなロー&ロングスタイルだろう。名前から想像がつくと思うが、そのモチーフはドイツ原産の狩猟犬であるダックスフンド。このバイク最大の特徴といえる、プレス鋼板のT型バックボーンフレームによって、胴長なダックスフンドのイメージを作り出している。
リボーンにあたって搭載されたエンジンは、’21年のグロムで初登場し、その後スーパーカブC125やモンキー125などで順次置き換えられつつあるロングストローク仕様の123ccエンジン。トランスミッションはスーパーカブC125と同じ4速で、同車や初代ダックス同様、クラッチレバーレスの自動遠心クラッチを採用している。
’22 ホンダ DAX125
ダックス新旧比較:新型は最新技術で独創スタイルを再現
そんなホンダの新生ダックス125に対し、今回は比較のため’70年代後半の車両を初期型エクスポート風にカスタムした「ダックスホンダ ST70」を特別に用意。この2台を並べた上で、みっちりねっちり新生ダックスを考察していくとしよう。
スタイリング:新型は頼れる骨太/ご先祖様はコンパクト!
往年の名車をモチーフにして作られてきたリボーンシリーズ。今回のダックスの場合、最大のポイントとなるのはやはり真横から見たときの、ダックスフンドを連想させるユニークな胴長スタイリングに尽きるだろう。
この見た目にも特徴的なフレームは、T型バックボーンフレームと呼ばれる鋼板プレス製。左右別々にプレス整形したスチールパネルを溶接で張り合わせており、おおざっぱに言えば和菓子のモナカのような構造だ。ご先祖様はこの特徴的なフレームに、小径10インチタイヤ/前後に長いシート/アップマフラーなどを組み合わせる。
ここで新型を見ると、現代レベルの強度/剛性/コスト面でも難題だったと思われるプレスフレームの採用が奏功して、ダックスらしい胴長のスタイリングを見事に再現。ロゴ部分の”首輪”も実にハマっており、今やリボーンシリーズのシンボルとなったオールドタイプのウイングマークエンブレムが実に誇らしげだ。
また、新型は排気量が125ccにアップしていることもあり、タイヤは10→12インチへとひとまわり大型化。ホイールベースも’76年式ST70の1035mmから実測で1200mmへと大きく伸びている。ご先祖様が車への積載も考慮して採用していた折り畳みハンドルなどは省略。レジャーバイクだったご先祖様から、モーターサイクルへと進化した印象だ。2人乗りのしやすさにも相当こだわっているという。
フロントまわり:太く力強く前足を強化!
フロントに120/70-12と太めのタイヤを履くこともあって、新生ダックスはフロントフォークの左右ピッチもワイドで、たくましく骨太な印象を受ける。ご先祖様の車体幅は630mm(’76年式ST70)だったが、新型は760mmと130mmもワイド。ミニチュアダックスから“ミニチュア”が取れた雰囲気だ。ご先祖様の特徴的装備だった折り畳み式ハンドルなどは省略されている。
リヤまわり:お尻も大きく進化してダックススタイルを見事に125cc化
かなりボリューミーな新生ダックスのリヤまわり。リヤタイヤは130/70-12と、グロムと同じでモンキーよりは扁平率が低いというサイズで、ご先祖様と並べてしまうと随分と雰囲気が違う。ご先祖様はハンドルを畳んで4輪のトランクに横倒し積載することを前提に作られたレジャーバイクなので、一概には比べられないのだが…。新生ダックスは実に頼もしい走りをしそうだ。
アイポイント:乗車ビューもまさしくダックス! 2人乗りも楽チンそう
新生ダックスが最も大きく見えたのは、歩きながら近づいた時のアイポイント、いわゆる乗車ビューだ。新生ダックスはひとまわり以上大きく、犬種…じゃなかった排気量区分のランクの違いをまざまざと感じる。実際、ご先祖様の時代とは交通環境も変わり、現代の一般道では70km/h制限区間もある。新生ダックスはそんな新しい交通社会にも対応しているというワケだ。見た目はハンターカブほど大きくないが、駐輪スペースはバイク1台分必要そう。
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