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発売と同時に納車されて以降、雑誌『モトメカニック』誌面上でカスタムやメンテナンス連載のネタとなっている、ミヤシーノ所有のCT125ハンターカブ 。マフラー交換については、CT125ミーティングや用品店の店頭イベントなどで熟考を重ねること1年半。悩みに悩んだ末にチョイスしたのは、スペシャルパーツ忠男製のフルエキゾースト。メーカーの表現する「気持ちイー!!」を体感できる素晴らしいマフラーで、待った甲斐があったと喜びを隠せない様子だ。
●文/写真:モトメカニック編集部(ミヤシーノ宮下豊史) ●外部リンク:スペシャルパーツ忠男
乗り味を大きく変えるマフラー交換
マフラーの交換は、排気効率をアップさせることでエンジンの持つポテンシャルを引き出し、パワー特性も変化させるなど乗り味を大きく変えます。もちろんサウンドも変化します。令和3年5月にオーナーミーティングを主催した際に、数多くの社外マフラーの音を聞くことができ、さらにオーナーから交換後の感想をリアルにお聞きすることができました。そこから3ヶ月、長い熟考の末、筆者がチョイスしたのがSP忠男製のマフラーです。
上品で野太く、しっかり上まで回転を上げてからシフトアップしたくなる心地良い音量が気に入りました。スタイリングにもひと目惚れ。細身でシンプルなサイレンサーとは真逆のトグロを巻いた独特のエキゾーストパイプ。よく使う回転域でのトルクアップを体感でき、大満足です。
【スペシャルパーツ忠男 CT125ハンターカブ用PURESPORT カーボン】●材質:エキパイ=ステンレス サイレンサー=カーボンタイプ ●音量:近接83dB 加速76dB ●JMCA認証 ●価格:7万9200円
マフラーの交換作業
トルクレンチが必須なのはもちろんですが、12mmのギアレンチがあるとサイレンサーを外すときに便利です。コーケン製ショートのラチェットハンドルも小回りが利いてグッド。
エキゾーストパイプからサイレンサーまで一体構造でシンプル。サイレンサーバンドとパイプワークで作られたエキパイガード付き。ガスケットは新品を別途用意。
右サイドカバーの下にサイレンサーを固定しているボルトがある。サイドカバー後端のボルトをプラスのスタッビドライバーで外す。サイドカバーは外しにくく、CT125オーナー泣かせ。
サイドカバー下側に、プッシュリベットがあるので、先端が細いヘキサゴンレンチで中央を押し、固定を解除し外す。見えにくい位置なので、忘れないように注意。
サイドカバーはボディーにグロメットや爪で固定されている。外す際に勢い余ってキックペダルとサイレンサーにあたりそうなので、ウエスで養生する。
サイドカバー下に隠れていたボルトを外す。思いのほか高いトルク値で締まっているので、持ち手の長いスピンナーハンドルで外す。他のボルトも固く締まっていて驚く。
マフラーはリヤサスペンションのアッパーボルトに重なるよう吊り下げられている。ボルト中央のナットにレンチをかけ、外側の袋ナットをギアレンチで外す。
サイレンサーがサスのボルトに引っかかっている状態で、アンダーガードを外す。両脇のエンジンガードにキャップボルトで装着されている。4個外し前方へ引っ張ると外れる。
エキゾーストパイプのフランジナットを外す。CT125は林道走行やキャンプツーリングで使用しているので、エンジンまわりも泥で汚れている。せっかくなのでパーツクリーナーで洗浄。
マフラーがこれでフリーとなったので、エンジンガードの隙間を縫うように、まるで知恵の輪を外すように縦に傾けつつ抜き取る。デイトナ製ガードに変更してあるが、純正でも同じ。
古いガスケットを取り除く。エンジン側に食い込んでおり、ピックアップツール/細いマイナスドライバー/ラジオペンチを駆使して取り除く。これが大変だった。
古いガスケットのカスと汚れをきれいに取り除き、新品のガスケットを装着。裏表に液体ガスケットを塗布。粘着力があり、ヘッド側にぺたりと張り付く。
純正マフラーに装着されているゴムブッシュとカラーを移植。純正マフラーの重量は約4.7kgで、SP忠男マフラーは3kg。その差は1.7kg! かなりの軽量化に成功。
エキゾーストパイプが傷つかないよう、エンジンガードにウエスを巻きつけ保護。取り外し時と同じように、ガードの隙間をかい潜り装着。SP忠男マフラーは軽いので作業が捗る。
移植したゴムブッシュ&カラーにボルトを通し車体に装着。サスペンション/カウル/エンジンガードに干渉していないかを確認するため、まだ手締めのみ。
エキゾーストパイプの位置を調整し、フランジナットを装着。各部のクリアランスを保つために、ここもまだ仮組み。液ガスがはみ出していたらキレイに拭う。
サイレンサーバンドをサイレンサーに巻き、リヤサスペンションのボルトに純正の袋ナットを使い仮組み。社外の太いリヤサスで心配だったが、接触はない。
エンジンガード/リヤサスペンションなどに干渉せず、クリアランスが保たれているのを確認し、すべてのボルトを徐々に増し締めしていく。一気に締め上げると、偏ったりするので注意。
トルクレンチを使用し、トルク値を念入りに管理。エキゾーストパイプのフランジナット/サイドカバー下に固定されるボルト/サイレンサーバンドの3ヶ所。
ヘッドに装着されている純正O2センサーの配線を一度エンジンから外し、エキゾーストパイプに干渉しないようプラグコード側にタイラップで固定する。
エキゾーストパイプのガードを装着。エンジンを始動する前に、エキパイやサイレンサーの汚れをパーツクリーナーで除去。始動後も排気漏れがないかをチェック。
今までギヤを落としていた勾配も、そのままのギヤで登り切ることができるように。吹け上がりは軽やかで気持ちよく吹け切る! サーキットで最高速アタックしてみたい!!
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