
サスペンションのKYB/ショーワ、クラッチのFCC、ブレーキのニッシンといったメーカーのパーツを取り扱うだけでなく、オリジナルホイール「イグザクト(EXACT)」の設計からテストまで独自に行う、足まわりパーツのプロフェショナル「アドバンテージ」。同社の鍛造ホイールは、材料/製法/加工のすべてにおいて「メイドインジャパン」のこだわりが貫かれており、そのプライドは量産部品としては決して利点が大きいとは思えない片持ちホイールにも反映されている。新たに片持ちスイングアーム用ホイールが登場したので紹介しよう。
●文/写真:栗田 晃 ●外部リンク:アドバンテージ
開発から製造まですべて日本国内。絶版車から最新モデルまで幅広いラインナップ
ホンダのプロアームに代表される片持ちスイングアームは、ホイール交換に要する時間を短縮できる、レース由来のメカニズムである。
市販車ではホンダVFR750R/RVF400/NSR250R、ドゥカティスーパーバイクシリーズ、新しいところではカワサキニンジャH2やホンダCB1000Rも片持ちスイングアーム採用車だ。
ホイールに注目すると、片持ち用と両持ちスイングアーム用はまったくの別モノ。ホイール径やリム幅が同じなら、機種が異なっても別体センターハブの設計変更で対応できるのが両持ち用。一方、片持ち用は固定方法がセンターロックかホイールナットかによってハブ形状が異なる。機種によってフランジ面からホイールセンターまでのオフセット量も変わり、両持ち用より少数派のため量産効果も期待しにくい。
アドバンテージでは、本当に価値ある製品をユーザーに提供するため、片持ち用ホイール「イグザクト(EXACT)」の開発を行なっている。素材はアルミニウムとマグネシウムの2種類で、いずれも国内屈指の8000トンプレスで鍛造成型を行い、切削加工をできる限り最小限とすることで鍛造時の鍛流線を活かした状態で製品化しているのが特長だ。
20年に及ぶ設計ノウハウと厳しいテストによる高い安全性/耐久性をベースに、軽さと回転バランスにこだわるイグザクト。最新モデルだけでなく、RC30やMC28など今なお多くのユーザーに愛され続けている絶版車向けにもリリースされているのはありがたいかぎりである。

200馬力を発生するスーパーチャージャー付998ccエンジンをスチール製トレリスフレームに搭載し、’15年にデビューしたカワサキニンジャH2。カワサキ初の片持ちスイングアーム装着車だ。 [写真タップで拡大]
【アドバンテージ イグザクトII レーシング10 フル鍛造アルミホイール NSR250(MC28)用】フロント6本/リア7本の純正スポークに対して、前後とも10本スポークのNSR250R最終プロアーム用イグザクト。リム幅は350/550と300/500の2種類で、350/550を選択するとフロント120/リヤ170サイズのタイヤを装着できる。設計の最適化により、純正よりセンターハブが小さく、ブレーキローターがはっきり見える。●リム幅:350/550 300/500 ●色:半艶ブラック ●価格:30万8000円 [写真タップで拡大]
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