
絶版車から現行車までカテゴリーや車種を問わずサーキット走行を楽しめるイベント「アストライド」には、オーナーのこだわりが詰め込まれた数多くのマシンがエントリー。ライダーにとってはコースを走行するのが楽しいが、観客として参加したならパドックの端から端まで歩くだけでも新鮮な発見がいっぱい。気になるマシンがあれば、オーナーに声をかけてみるのも一興だ。
●文/写真:モトメカニック編集部(栗田晃) ●外部リンク:オーヴァーレーシングプロジェクツ
絶版車やビンテージ車両に優しいアストライドは、スポーツ走行やカスタムマシンのシェイクダウンにも最適
オーヴァーレーシングプロジェクツとモトジョイの共催により、鈴鹿ツインサーキットを舞台に開催されているアストライド。モータースポーツの楽しさを知り、サーキット走行を通じてライディングの奥深さやラップタイムを更新する達成感を得て、模擬レースの興奮も味わえる。現行モデルよりもちょっと古めの絶版車や、往年のF1/F3レーサーやクラシックモデルが走行できるイベントとしても注目を集め、’21年も多くのライダーが集まっている。
選手権でもサンデーレースでも、レースに参戦するなら勝つためのマシン作りが重要視される。また競技となればレギュレーションによる制限が加わることもある。エンジンから漏れたオイルをまき散らさないためのアンダーガードはその一例だ。
一方で、ライダーの安全やレース運営には重要であり有効だが、マシンのスタイルに影響を与えるパーツを追加したくないという声もある。
アストライドでは解釈や運用を弾力的に行い、安全性を重視するのはもちろんだが、歴史観やムードを尊重したマシンを容認している。
ここでは個性的でこだわりを感じられるマシンを掲載するが、アストライドにはこれ以外にもオーナーの思いが詰まったマシンが数多くエントリーしており、こうしたマシンを見るためにパドックを歩くだけでも楽しいイベントである。
ナンバー付きからレーサーまで幅広い年式のバイクが次々と走行する様子は見ていて飽きない。ゼッケン122のラッジ アルスターは、オーナー手作りのアルミ箱がメンテ台。4個並べてバイクを載せて、中間の2個を抜けばエンジンメンテが楽にできる。コンパクトにまとまるのでトランポにも積みやすい。 [写真タップで拡大]
ヤマハSRX600:30年間乗り続けてもなお飽きることのないスーパーシングル [ライダー:a1さん]
レーサーレプリカブームと重なる’85年にデビューしたヤマハSRX400/600は、トラディショナルスタイルを採用したSR400/500とは異なり、スタイリッシュでスポーツ性を前面に押し出したキャラクターで一世を風靡。そのSRXを初めてのバイクとして選び、以後27年間のバイク歴のすべてをSRXとともに過ごしてきたのがa1さん。
他のバイクとの複数所有もありながら「端的に表現できないほど愛しすぎた」初期型SRX600は、オリジナルを崩さない範囲で自分好みにモディファイを重ねてきた。足まわりやエンジンには手を加えても、燃料タンク/シート/シートカウル/メーターまわりはオリジナルをキープしているところにこだわりを感じさせる。
スズキRG50:’70年代のベース車両で製作した60年代レーサー風レトロレーサー [ライダー:Y.SAWADAさん]
愛知県新城市でクラシックビンテージバイクの販売や整備を行うモトサイクレットサワダ。同店の澤田会長が製作したのが、レトロテイスト満点のRGレーサー。ベース車両はRG50ガンマでもRG50Eでもなく’77年に発売されたRG50で、純正を基に延長された燃料タンク/叩き出しで製作されたテールカウル/青と銀のカラーリングで’60年代の工場レーサー風に大変身。
雰囲気だけでなく、エンジンは鉄シリンダーのRG50からアルミシリンダーのRG50E用に変更した上で排気量を70ccにアップ。ポート研磨/キャブレター変更/バッテリー点火/チャンバー装着でレーサーとしてのパフォーマンスも向上。小排気量カスタムも突き詰めると超魅力的だ。
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