抜群の安定感を持つGTスクーター

ヤマハ トリシティ300試乗インプレッション【安定性と運動性を両立する熟成のLMW技術】

●文:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:富樫秀明

トリシティ125/155、ナイケン/GTに続くヤマハのLMWシリーズ第5弾として登場したトリシティ300。125/155とは車体から全くの別物で、初のスタンディングアシスト機構を採用。292cc水冷エンジンによる走りやいかに。

[〇] 排気量の大きさに納得。LMWの安心感は秀逸だ

ネーミングからして誤解されそうだが、このトリシティ300は125/155の単なる排気量拡大版ではない。フレームから専用設計であり、さらにフロント2輪のLMWテクノロジーには、深いバンク角でも違和感なく旋回する”LMWアッカーマン・ジオメトリ”を採用。フロントフォークが外側か内側かの違いはあるが、このジオメトリはナイケンで培われたもの。つまり、コミューターの枠を超えたスポーティな走りも追求しているという証拠だ。

【YAMAHA TRICITY300】■全長2250 全幅815 全高1470 軸距1595 シート高795(各mm) 車重237kg ■水冷4スト単気筒SOHC4バルブ 292cc 29ps[21kW]/7250rpm 3.0kg-m[29Nm]/5750rpm Vベルト式無段変速 燃料タンク容量13L ■ブレーキF=Wディスク R=ディスク ■タイヤF=120/70-14 R=140/70-14 ●色:灰 黒 深緑 ●価格:95万7000円 [写真タップで拡大]

ホイールは3輪とも14インチで、ブリヂストンの専用タイヤを装着。フレームはヘッドパイプとメインチューブの接合部を箱型として高剛性を確保した専用品だ。ヘッドライト、ポジションランプ、テールランプにはLEDを採用する。 [写真タップで拡大]

シート高はXMAXと同じ795mmだが、車体の幅が広いのでさらに足着き性は厳しい。ライディングポジションそのものはバランス良し。[身長175cm/体重:62kg] [写真タップで拡大]

まずはエンジンから。292ccなので車検が必要となるが、実際に走り出して納得した。250ccのXMAXより車重が58kgも重く、そこにフロント2輪による転がり抵抗も加わるので、どうしてもこれだけの排気量が必要だったのだ。100km/h巡航時のエンジン回転数はおよそ6000rpmで、そこまでの加速感はXMAXと同等。体に伝わる微振動がほとんどなく、スロットルレスポンスも過不足なし。自己主張の強すぎない、ライダーにとって実に優しいエンジンと言えるだろう。

欧州向けXMAX300に搭載されている292cc(70×75.9mm)水冷SOHC4バルブ単気筒をベースに仕様を最適化。エンジン懸架はリンク式で、不快な振動を軽減できる懸架ポイントに設置している。 [写真タップで拡大]

さて、注目のハンドリングについて。パラレログラムリンクと片持ち式フォークで構成されるLMWテクノロジーにより、フロントの高い位置に重さを感じるのはナイケンらと共通。また、微速域では一般的な2輪車のようにスロットルオンで車体が起きてこないなど、最初は違和感を覚えるが、これはすぐに慣れるはず。どんなに荒れていてもアスファルトを”面”で捉え続け、メインスタンドが接地するまで深く寝かせても、旋回中の安定性や安心感は2輪車では到達できない高みにある。

フロントの左右輪が同心円を描くLMWアッカーマン・ジオメトリを採用。ただしナイケンとは異なり、ホイールを支える2本のフォークは内側にレイアウトされる。ブレーキセットはABSとUBSを採用。 [写真タップで拡大]

パラレログラムリンク上部アームにある専用キャリパーを作動させ、車体の傾きを抑えるのがスタンディングアシストだ。10km/h&2000rpm以下、スロットル全閉時にのみ操作可。 [写真タップで拡大]

そして、アスファルトを面で捉え続けるからこそブレーキ性能も優秀だ。左レバーの操作で前後に効力をバランス良く配分するUBS(ユニファイド・ブレーキ・システム)の採用により、どんなシチュエーションでもイージーかつ強力に減速できてしまうのだ。 防風効果の高いスクリーンや大容量のトランクなど、コミューターとしてだけでなくツーリングバイクとしての資質も十分以上。所有欲を満たす各部の作り込みにも注目を。

スマートキーやDCジャック、ヤマハ初のラチェットレバー式リヤブレーキロックなどを採用。メーターはモノクロ液晶で、外気温や燃費も表示。 [写真タップで拡大]

約45Lのトランクにはフルフェイス×2個が入り、LED照明も。座面が約40mm低くなるローシートは3万4100円で、XMAXと共通品。 [写真タップで拡大]

[△] 自立アシスト機構は便利だが慣れは必要

ついに採用されたスタンディングアシスト。足着き性があまり良くないので、特に長い信号待ちでは便利だ。その一方で、操作時の警告音がかなり大きいのと、路面の傾斜によってはリリース時にグラリと倒れそうになるので、使いにくい場面も。

[こんな人おすすめ] フロント2輪の可能性を広げる魅力的な1台

ナイケンほどではないが、フロント2輪を含む押し出しの強いデザインにより、街中での注目度は高い。タンデムする機会が多い人ほど、この安定性をより高く評価するだろう。LMWテクノロジーの真髄を多くの方に体感してほしい。


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