’19年度の国内販売台数1958台、前年対比113%と上り調子にあるトライアンフ。’20年もタイガーに900シリーズが登場したり、ストリートトリプルSを登場させるなど勢いに乗っている。本記事ではアドベンチャーツアラーシリーズのフラッグシップモデル「タイガー1200」をさらにハードな冒険仕様にした「デザートスペシャルエディション」の試乗インプレッションをお届けする。
先進ハイテク装備がお買い得価格で
現在「タイガー1200」には、ロードセクションに重きを置いたキャストホイール仕様の「XRT(275万6600円)」と、ワイヤースポークホイールやオフロード専用の走行モードを備えた「XCA(283万7700円)」の2種類がある。
今回紹介する「デザートスペシャルエディション」は、オフ適性の高いXCAがベースの特別仕様車。限定色サンドストームに砂丘をイメージさせるグラフィックを付加。これだけでもスペシャルだが、驚くのは265万円という値付けだ。XCA比で、ヒーテッドシートやアルミ削り出しステップなどが省略されるものの、その差はなんと18万円以上。XRT比でも10万円以上安い。クルーズコントロールやオートシフターも付いてのこの価格である。
走り出せば、そのフィーリングは他のタイガー1200と同様、ファーストクラス。この上質な乗り心地は、フラットトルクでどこまでも吹け上がりそうな3気筒エンジンもそうだが、一番はWP製の電子制御サスペンション「TSAS」によるところが大きい。
今回の試乗にあたっては、空荷/キャンプ道具の満載で走行路面も変えて走ってみたのだが、相当量の荷物を載せても走行フイーリングがほとんど変わらないことに驚かされた。荷重に合わせて自動調整される減衰特性はもちろんだが、リヤショックにはプリロードの自動調整機能も付加され、荷重に合わせてプリロードをセット。おかげで大きく重い荷物を積んでも、フロントの接地感がなくなることがない。
この電子制御サスペンション、それぞれの走行モードで個別に減衰力を設定したりもできるのだが、”AUTO”モードを選んでおけば、走っている場所がオンロードかオフロードかをストロークセンサーで検知して、減衰力を切り替えるなんてギミックも搭載されている。実際、ダートへ設定を変えずに飛び込んでみたりしたのだが、なかなか不思議。さっきまでスポーティにコーナリングをキメていたサスペンションが、ダートセクションでは初期の動きが良くなり、水たまりなどのギャップを軽々いなすようになる。
このマシンなら、サスセッティングなんて考えず、つねにマシンが最適な状況を作り出してくれる。まさにファーストクラスな待遇である。
【WP製電子制御サスペンション】タイガー1200シリーズには、800/900シリーズにはない最新の電子制御式サスペンション「TSAS(トライアンフ セミアクティブ サスペンション)」が搭載されている。前後サスの伸/圧の減衰調整は自動、リヤに関してはプリロードもモーター駆動で自動調整。設定で”AUTO”を選択すれば、システムが走る路面を自動検知して、プリセットされた伸/圧減衰セッティングに切り替えてくれる。
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