1億総スーパーカブ主会

’60ホンダスーパーカブC100徹底改造レポート【ロングストローク化計画進行中】

初代OHVエンジンのスーパーカブC100シリーズの中でも、比較的初期の第2世代のエンジンをベースに、ロングストローク化を図ろうとしているモトメカニック編集部。組んではバラしての繰り返しを行った結果、あろうことかクランクシャフトのネジ山をナメてしまい。井上ボーリングに助けを請うたところ…。

もはや数年越しで進行している、スーパーカブC100エンジンの「ロングストローク&排気量アップ」プロジェクト。そもそも他メーカー製流用ピストンを見つけたことで、そのピストンを組み込むためには「ストロークアップが必要」と判明し、いわば必然的に大がかりな大改造を行うことになった。

実はその後、ピストン加工(ピストンピンのオーバーサイズ加工)とボーリングのみで、もっと気楽にボアアップできる他メーカー製純正流用ピストンを見つけたので、近々、そのピストンで具体的な検証も予定している。

さてさて、ボア拡大とロングストローク化によって70ccになったわがC100エンジンだが、試運転を繰り返すと一次クラッチの作動がイマイチだと判明。組んではバラしての繰り返しを行った結果、あろうことかクランクシャフトエンドのネジ山がナメてしまったことに気が付いた。分解時はインパクトレンチで良いが、組み立て時にインパクトを使うのは良くない。量産工程は別として、通常メンテナンスの組み付けではやっぱり手組みが基本…。

そんなクランクエンドの写真を井上ボーリングへ送信すると、過去に似たような加工依頼を受け、修理実績があるそう。サイズダウンしたロックナットを使う予定だとお話すると「やってみましょう!!」と心強いお返事。井上ボーリングの森田技師に尋ねると「過去にもネジ山がナメてしまったクランクシャフトを修理したことがあります。マルチエンジンでは無理ですが、単気筒なら何とかなると思いますよ」と、これまた心強い。

作業進行の様子を撮影したのだが、写真のようにクランクシャフトは丸々マスキング。ネジ部分を旋盤で削って、新規ナットサイズに合せてネジ切りを行った。

クランクASSYのまま切り粉が入らないようにウエスとテープでぐるぐる巻きにしてから、旋盤でクランクシャフトエンドのネジ作りを開始。サイズダウンでトラブル対応。

スペシャル加工を施したクランクシャフトなので、分解すると組み立て精度が面倒になることは井上ボーリングのスタッフも理解してくださっていた。こんな加工業もあるそうだ。

作業依頼時にはロックナットを事前に準備し、そのロックナット用の専用レンチも同時に製作。この内燃機修理によって、安心してクラッチの分解組み立てができるようになった。

オリジナルエンジンと同様に、メカノイズの減少化を目的に改造エンジンのクランクケースも加工。いよいよ本気の試運転開始である。

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