今年こそ林道を走ってみたい! もう一度オフロードライダーに復活したい! そう思っているオフロードビギナーからリターンライダー、さらには買い替えや増車を考えている人へ。『オフロードマシン ゴー・ライド』より、カワサキKLX230、ホンダCRF250L、ヤマハセロー250ファイナルエディションという国産トレールマシンを徹底チェック。最終回では、ここまでのレビューの総合評価と、テスター3人が選ぶセカンドマシンを紹介する。
CHECK14:トレールマシンとしての総合評価
ゴー・ライド独断! 初めてのトレールマシンとしてのおススメは1位の146.5ポイントを獲得した「KLX230」。2位は145ポイントで同率となった「CRF250L」「SEROW250」の2台となった。
1位:カワサキKLX230(146.5ポイント)
KLX230はサスペンションの硬さとシート高の高さがある。軽量コンパクトな車体ながらトレッキング性をセローに譲るのは、そこが原因だ。しかし、それ以上の速度域になれば、空冷230でも非力さはなく、オンオフ問わず走りは軽快。パワーと速さはCRFに譲るが、高速道路では振動がなく、快適さはセロー以上だ。また、サスの硬さは林道やオフロードコースでは頼もしさになり、ちょっとしたジャンプならしっかり耐えてくれる。こうした総合的なバランスのよさが、初めてのトレールマシンとしておススメする理由だ。
2位:ホンダCRF250L(同率145ポイント)
公道でのオンロード性能の高さを前面に出しているCRF250L。トレッキングでの取りまわしや、オフロードコースでのジャンプといったオフロード性能の尖った部分よりも、高速道路も林道も快適に走破できるエンジン特性とサスセッティングになっているのが特徴。オールマイティさは1番だ。
2位:ヤマハSEROW250ファイナルエディション(同率145ポイント)
セロー250FEの高速巡航性能は225時代からはるかに快適になった。しかし、極低速域での扱いやすさを重視したエンジン特性とフレーム剛性は、速度域が上がるほどにライダーに振動を伝えてくる。ただし、低シート高による安心感と抜群のトレッキング性能はまさに独壇場で、そうした扱いやすさが、ビギナーにはさまざまな場面で乗りやすさとして感じられるだろう。
CHECK15:セカンドマシンとしての1台選び
今回のテストライダー、谷田貝はヤマハWR250R、小泉はハスクバーナFE250、小川はホンダXR250と、全員が250オフを所有している。ということで、この3人が今回紹介した3台の中から、セカンドバイクとして増車するならどれ? という視点で1台を選んでみた。セカンドバイク選びの参考になれば幸いです!
ヤタガイ〈セロー250FE〉二輪二足で突き進むマウンテントレール特性
WR250Rとセロー250FEの両方を所有したいなんて、どんだけヤマハ好き? と思われるかもしれないが、ちょっと違う。むしろ同じメーカーだからこそ、この2台なのだ。WRは高剛性なアルミフレームを採用し、高速から林道まで万能にこなすものの、アタック系のセクションでは高剛性な車体がちょっと扱いにくい。そこへ行くとフレームがしなりまくるセローは難所で踏ん張りが効いて、二輪二足でどこでも入り込める感がある。写真のようなセクションを越えていくにはWRでは荷が重い。とくに単独行でのセローの安心感は絶大。セローだからこそ見ることができる、到達できる景色は必ずあるのだ。セローとWRは同じメーカーだからこそ、そのキャラクター分けがしっかりできている。
コイ〈CRF250L〉長距離&突発林道におけるトータルバランスがGOOD
もし愛車ハスクバーナFE250がなくて、1台目を選ぶのだったら、迷わずKLX230です。でもセカンドバイクとしては、FE250と近い性格になってしまうので用がないかな。セロー250はもうファーストとかセカンドとか言う領域にないというか……、セローはセローという何か別物な気がするので、買うとしたらカブ枠に近いノリで買います。セカンドバイクとしてはないですね。というわけで、セカンドバイクとして買うなら断然CRF250Lをチョイス。なぜならばFE250だと少し疲れてしまう往復2000kmくらいの林道探し旅でも、CRFなら楽にできそうだからです。高速走行では安定した走りで体力温存ができて、いざダートになるとオフ車としてのソリッドな性格が出て、安心して楽しめるんじゃないかと。
オガP〈KLX230〉トレールマシンらしい軽快な走りを新車で楽しめる喜び
モトクロッサー、ビッグシングル、アドベンチャーマシン、2ストトレール、ミドルオフなど、大小さまざまなオフロードモデルを乗り継いだ結果、たどり着いたのが現在所有するXR250。取り立てて速くないし、かといって遅すぎない。100km/h巡航なら高速道路も意外と楽で、ワインディングは思ったより軽快。コース走行はレーサーにお任せしたいけど、林道での扱いやすさは未だにナンバー1(俺調べ)。なので、上がりの1台として、ずっと乗り続けていきたいと思っている。ただ、絶版となって15年近く経ち、パーツもそろそろ怪しい雰囲気。ということで、XR250のようなトレールマシンらしい乗り味を、“新車”で味わえるKLX230を増車したい。林道と高速道路での好印象も決め手。
【今回の評価方法】増車ではなく、新車導入や乗り換えという観点から、3人のテストライダーが市街地、高速道路、林道、ダートを走行。そのインプレッションを基に、各項目を5点満点で評価(一部、3人の総合評価項目もあり)。オガPはオンロードとオフロードでの快適性を含めた林道ツーリングマシンとして、やたぐわぁはオンロード性能も考慮しつつ、林道から深く分け入ったオフロード走破性も評価、コイはオンロード性能を重視しつつ、林道まで行く気になるかという初心者目線で評価してる。

(左)【オガPこと小川浩康】元ガルル編集長で現ゴー・ライド編集長。エンデューロ、トライアル、モトクロスの経験はあるが、一向に上達しない五十路のオフロードライダー。愛車は15年目のXR250。身長172.5cm体重63kg。(中)【やたぐわぁこと谷田貝洋暁】元初心者向けバイク誌編集長で現在は売れっ子フリーライター。オンロードマシンでもダート走行するほどのオフロード好きとして名を馳せる。愛車はWR250RとFREERIDE250R。身長172cm体重75㎏。(右)【副編コイこと小泉裕子】元ガルル編集部員で現ゴー・ライド副編集長。旅先でリコーダーを吹くのが好きな林道ツーリングライダー。オフロード歴2年の初心者代表。愛車はハスクバーナFE250とロードマシン多数。身長156cm。
●写真:関野温 ●文/谷田貝洋暁、ゴー・ライド編集部
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