国内第1ロットはデリバリー完了

’20カワサキ Z H2実測ライディング検証#1【唯一無二のスパチャ搭載ネイキッド】

“キュイーン!!”と響き渡る過給音。スーパーチャージドエンジンをネイキッドに搭載するという前代未聞のモンスターマシン・カワサキZ H2が’20年4月に国内リリースされた。本稿ではドイツのバイク専門誌『モトラッド』が行った実測テスト結果をレポートする。まずはあらためてスペック紹介から。

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日本国内仕様は去る4月4日に発売開始。第1ロットが購入者のもとに納車されている。だが、新型コロナの影響によりその後の工場運営に影響が生じたのは、カワサキとて例外ではなかった。第1ロットについては続々売約済みで、いち早く手にできたユーザーは幸運だったと言えるだろう。 

【’20 KAWASAKI Z H2】■全長2085×全幅810×全高1130 軸距1455 シート高830(各mm) ■239kg(装備) ■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ+スーパーチャージャー過給 998cc 200ps/11000rpm 14.0kg-m/8500rpm 燃料タンク容量19L ■ブレーキ F=Wディスク R=ディスク ■タイヤ F=120/70ZR17 R=190/55ZR17 ●色:黒×灰×緑 ●価格:189万2000円

何と言ってもスーパーチャージャーの存在が目を惹く車体右サイド。マフラーはユーロ5に対応するため全面的に見直され、排気チャンバーを廃止した新システムが導入された。低中速域向上や大幅な軽量化にもつながっている。

マシンのフォルムは、Zシリーズらしいストリートファイター系。スーパーチャージドエンジンのパワフルさにふさわしい安定性を与えるためか、車体寸法やホイールベースはZ1000よりもわずかに大きめとなっている。

ZシリーズのSugomi(凄み)デザイン共通イメージを持ちながら、左側のみエアインテークを設けたアンシンメトリーで、よりアグレッシブさを強調。全灯火類はLEDだ。マフラーは右側1本出し。装着タイヤはピレリのDIABLO ROSSO IIIが装着されている。装備車重はスーパーチャージャーがある分だけ240kgと重めだが、外観からはそれがあまり感じられない。

【足つきはSS並】シート高はリッターSS並みの830mmとかなり高めでつま先ツンツン。だが、ポジション自体は街中からツーリングまで幅広く対応。ヘッドライトがフレームマウントで操作感も軽い。[身長165cm/体重62kg]

世界的基準調和の現在、国内仕様も欧州仕様と同スペック。ちなみに国内仕様はETC2.0車載器が標準装備となるうえ、カワサキプラザ購入特典の3年保証&1年間距離無制限のロードサービスも付帯。さらに「カワサキケアモデル」として点検5回&オイル交換3回の無償メンテまで付いてくる。これで価格は200万円切りと、スーパーチャージドモデルとしてはぐっと身近になった。ツーリングに役立つ電源ソケットやタンクバッグをはじめ、カワサキ純正アクセサリーも豊富に用意されており、バイクライフをさらに充実させることも可能。工場はすでに再開しており、次の入荷は争奪戦が繰り広げられそうだ。

Z H2では、2次減速比のショート化とバルブタイミングの最適化で低中速域のスムーズな加速感を実現させ、マニホールド集合部の管長を長くとったチャンバーレスエキゾーストシステムにより、低中速域の出力向上を図っている。目指したのは扱いやすくトルクフルな設定だ。

エアインテークの前方投影面積は、スーパーチャージドエンジン本体の吸気口の約3倍を確保。エアクリーナーはインテーク内に設置されている。

カワサキ Z H2

専用設計のトレリスフレームがハイパワーを受け止める剛性と軽快さをもたらす柔軟性を両立。面積が少ないためエンジンの放熱性にも優れる。

カワサキ Z H2

Ninja H2は片持ちスイングアームだったが、Z H2では高剛性化と軽量化の面で有利な両持ちを採用。ここにはZX-10RRの技術が反映されている。

カワサキ Z H2

フルカラーTFTメーターは豊富な情報を表示するほか、「KAWASAKI RIDEOLOGY」に対応し、スマートフォンとの連携が行えるようになっている。

カワサキ Z H2

電子制御はIMU連動型トラコン&ABS、3段階パワーモードやローンチコントロールなどに加えクラッチ操作いらずのクイックシフターも装備。

カワサキ Z H2

国内仕様のみの特典として今や必需品のETC2.0車載器を標準装備。車載器本体はリヤシート下の小物入れスペースに収められている。

カワサキ Z H2

鏡字で「Z」が並ぶような意匠のテールランプもZシリーズである証。前後ウインカーと合わせてレンズはクリアタイプが採用されている。

スーパーチャージャー搭載のモンスターネイキッド「Z H2」。次ページよりドイツのバイク専門誌『モトラッド』記者による実測テストの結果をお届けする。


●取材・写真:MOTORRAD、鶴身健 ●まとめ:宮田健一 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

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