’20年のカワサキは、スポーツ性能と扱いやすさを高次元にバランスさせたニンジャ1000が第4世代に突入し「SX」に。一方、スーパーチャージドエンジンを搭載し、Zシリーズの新たなフラッグシップとして「Z H2」が登場。話題の2台を跨り比べた印象をお届けする。
●文:川島秀俊 ●写真:鶴身 健
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ニンジャ1000SX:電脳オールイン進化が150万円斬り!
スポーツ性能と扱いやすさを高次元にバランスさせたニンジャ1000が、いよいよ第4世代に突入! ネーミングも「ニンジャ1000SX」となり、熟成度を高めた。最大のトピックは電脳化が進化したことで、電子制御スロットルの装備によってより細やかな制御を実現。クルーズコントロールやアップ/ダウン対応のクイックシフターなど、ツーリングで疲労軽減に貢献する装備は魅力的だ。今回は実車に触れることができたのだが、車体のサイズ感は従来モデルを継承したもので取り回ししやすく、ライディングポジションも快適。カラー液晶のメーターは質感が高く、スマホと連携してロギングできる機能など、今風なバイクライフを楽しめそうだ。

【’20 KAWASAKI Ninja1000SX】■全長2100 軸距1440 シート高820(各mm) ■236kg(装備) ■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 1043cc 141ps/10000rpm 11.3kg-m/8000rpm 燃料タンク容量19L ■タイヤF=120/70ZR17 R=190/50ZR17 ●色:黒×灰×緑 緑×灰 白×灰 ●価格:148万5000円 [写真タップで拡大]

セパハンながらアップライトなポジションは、長距離でも快適なライディングができそう。8mm低いローシートや15mm高いコンフォートシートが用意されるので、足着きは微調整できる。熟成されたモデルだけに完成度が高い。(身長165cm/体重62kg) [写真タップで拡大]

アップ/ダウンに両対応するクイックシフターを新装備。クラッチワークが減って疲労が軽減できる。

マフラーは集合タイプになり、約2kgの軽量化を達成。ルックス的にもスポーティな外観に仕上がった。

4.3インチフルデジタルTFTカラー液晶のメーターは、2種類の表示モードと黒/白の背景色が選択可能。

全周発熱タイプのグリップヒーターを標準装備。クルーズコントロールやETC2.0など、欲しい装備が満載だ。
Z H2:スパチャ過給の200psが180万円台!
Zシリーズの新たなフラッグシップとして登場したのが「Z H2」。ご存知の通り、スーパーチャージドエンジンを搭載した怒涛のハイパワーネイキッドだ。見るからにワイルドな印象だが、カウルがないぶんニンジャ1000SXよりもボリューム感は控えめ。ワイドなハンドルとマスの集中した車体は取り回しもしやすく、意外なほど気負わずに扱える。制御や装備はニンジャ1000SXと同じものが多く、ツーリングも快適にこなせそうだ。文科省から科学技術賞を受賞したエンジンは、ぜひ体感してみたい!

【’20 KAWASAKI Z H2】■全長2085 軸距1455 シート高830(各mm) ■240kg(装備) ■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ+スーパーチャージャー過給 998cc 200ps/11000rpm 14.0kg-m/8500rpm 燃料タンク容量19L ■タイヤF=120/70ZR17 R=190/55ZR17 ●色:黒×灰×緑 ●価格:189万2000円 [写真タップで拡大]

スーパーネイキッドらしい乗りやすいポジションで、街乗りからツーリングまで幅広く対応可能。ヘッドライトがフレームマウントのおかげでハンドル重量が軽く、操作感はカウル付きモデルのバーハンカスタムっぽい雰囲気だった。(身長165cm/体重62kg) [写真タップで拡大]

タービンに直結する吸気ダクトを、カウル左サイドに設置。左右非対称のデザインも”凄み”の要素だ。

フロントブレーキにはブレンボのM4.32モノブロックキャリパーを採用。高度なABS制御も搭載される。

ETC2.0を標準装備。本体はタンデムシート下に格納されており、固定バンドを外せば取り出せる。

ブースト圧も表示できるフルカラーTFT液晶のメーター。おもな操作は左右のハンドルスイッチでできる。
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