モトメカニック注目の新技術
重曹を使った「EZブラスト」でキャブレターを徹底洗浄【湯通しで残留メディアがガス化】
- 2020/7/8
環境に優しい重曹をメディア(研磨材)として使用する注目の新技術「EZブラスト」。サンデーメカニック生活の長いベテランなら、これがいかにキャブレターのメンテナンス作業に適しているか、理解してもらえると思う。
家庭の掃除に多用する「重曹」で、キャブボディをクリーニング
TVワイドショーの掃除企画などでしばしば登場する重曹洗剤。重曹とは、炭酸水素ナトリウムのことだ。人の体の中にもある物質で、あのシュワーッとなる入浴剤にも入っている。またお菓子作りの世界では”ふくらし粉”としても使われている。これらはあくまでも食用品だが、「EZブラスト」で使用するのは同じ重曹を由来とした工業用メディア。工業用とはいえ、極めて安全性が高く環境性能も良いのが特徴だ。
モトメカニック編集部では以前からこのEZブラストに着目。クロームメッキの表面サビ落とし用としては、最適の工法だと思っている。また、エンジンオーバーホールの際には、ピストントップや燃焼室に堆積したカーボン除去にも高いパフォーマンスを発揮。そして今回は、何とキャブボディのクリーンナップを試してみたのだ。

【EZ-BLUST EZ40-SX ウエットスタートセット】重曹ブラストの可能性に着目し、商品開発&販売から4年になるEZブラスト。現在でも改良改善が施され、アップデートを続けているのがEZ40シリーズである。我々編集部が注目してからも日々進化しており、現在も様々な周辺インフラを開発中。写真左が本体、右側2点が注目のオプションパーツ「EZブースター」。EZブラスト専用設計のエアーバイブレーターを通過させることで、タンク内の重曹メディアがスムーズに落下するブースターキットだ。バイブレーション周波数にも最適値があるそうで、振動が大き過ぎても好結果にならないとのこと。●税別価格:5万5800円 [写真タップで拡大]

現在進行中のレストア企画で取り付けたいデロルト製PHM40キャブレター。最後に走らせていたのがおそらく30年以上前なので、キャブ内部の汚れがなかなか落とせない。海外のガソリン添加剤を放置すると最悪の結果に。

キャブボディをケミカル洗浄するだけでは、性能回復できても輝きを得られない。今回は、作業前に釜茹でして固着汚れを緩めてから分解。その後、ワイズギアのキャブクリーナーで洗浄してから重曹ブラストを施すことに。
さて、重曹メディアはお湯で簡単に溶けてガス化する特徴がある。そのため、キャブのように細かな通路があっても、湯通しするだけで残留メディアを簡単にガス化→除去できる特徴があるのだ。
したがって、重要なエンジンパーツにEZブラストを施しても、組み立て前に徹底的に洗浄するような心遣いは皆無。シリンダーヘッドのような大物部品なら、やかんに沸かしたお湯を掛けながら、オイル通路をエアーブローすれば通路の内部の洗浄は完了である。
実は、キャブメンテナンスにこそ最適なのがEZブラストなのでは? と以前から思ってのトライだったが、我々の想像は大正解!! ご覧のように素晴らしい結果を得られて、大満足である。
●取材協力:EZブラストジャパン
※本記事の内容はオリジナルサイト公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
※この記事はバイクいじりの専門誌『モトメカニック』に掲載したものを加筆修正したものです。最新の雑誌は書店もしくは下記サイトにてお買い求めください。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
関連する記事
最新の記事
- 驚愕115PS! ストリードグライドスペシャルを1966ccにボアアップ〈HSC沼津〉
- ヤングマシン2021年3月号は1/22発売!『初夢スクープ×20車』で2022年モデルを語る!
- 【アエラ×パニガーレV2】ライダーが積極的に動けるポジションを作れる!
- ついに最後…! ヤマハ「SR400ファイナルエディション」伝説の最後に1000台限定車も登場
- 「ホンダモーターサイクルフェス2021」2月20日からオンラインイベント開催