’19年のVストロームオーナーズミーティングの会場で、スズキの鈴木俊宏社長によって国内導入意向が電撃発表された「Vストローム1050/XT」は、予想よりもかなり早い4月24日に発売。STDは価格据え置きの143万円、充実仕様のXTも+8.8万円の151万8000円と健闘ぶりを見せている。
●文:谷田貝洋暁 ●写真:山内潤也 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
前モデルから大幅ブラッシュアップ、価格面も◎
7psものパワーアップに、電子制御システムの大幅進化。さらにデザイン刷新&ユーティリティ性能向上などなど。これだけブラッシュアップポイントが山盛りな新型Vストローム1050/XT、現行モデル比でいかほど価格がアップするんだろう? 10万円アップ? もしかしたらXTは20万円アップ? なんてドキドキしながら発表を待っていたのだが、フタを開けてみれば、なんとなんと! STDのVストローム1050は、前モデルからお値段据え置きで登場したのだ。
一方、ワイヤースポークホイールを備えたXTは、今回新たに6軸IMUやクルーズコントロールといった新装備が奢られたにも関わらず、1050(STD)比では8万8000円アップの151万8000円。前モデルのXTからすると、わずか4万4000円アップに留まる大健闘での発売となったのだ。
【SUZUKI V-STROM1050/XT】■全長2265 軸距1555 シート高850/870(各mm) ■247kg(装備) ■水冷4ストV型2気筒DOHC4バルブ 1036cc 106ps/8500rpm 10.1kg-m/6000rpm 燃料タンク容量20L ■タイヤF=110/80R19 R=150/70R17 [写真タップで拡大]
あらためて旧型からのブラッシュアップポイントを見ていくと、兎にも角にもまずデザインである。現代のアドベンチャー系で主流の〝クチバシ〞デザインは、スズキのパリダカラリーレーサー・DR-Z(ディーアール・ジータ)がその元祖。新型Vストローム1050/XTは、そのDR-Zを手がけたデザイナー本人によるもの。つまり、模倣ではなく本物のDNAを注入。タンクデザインにハンドル、ステップなども、オフロードテイストが強調されることになった。
【足着き性も向上】骨格変更はしていないものの、タンク形状を中心とするまたがり部分のくびれを強調したことで、現行モデルよりも足着き性が良くなっている。またタンク形状を見直したことでスタンディング時のポジションもより取りやすくなった印象だ。 [写真タップで拡大]
スポークホイールのXTには、往年のDR-Zのマルボロカラーやキャメルカラーを彷彿とさせる、ブリリアントホワイト×グラスブレイズオレンジ、チャンピオンイエローNo.2に加え、ソリッドなグラススパークルブラックを用意。 [写真タップで拡大]
【ユーティリティ面も向上】XTは、工具なしで11段階、50mm幅で高さが変えられる可変スクリーンを採用。一方、STDの1050にも上下3段階で高さが変えられる可変機構が備わっている(工具が必要)。メーター上部には、スマホホルダーなどを取り付けやすいアクセサリーバーも装備。 [写真タップで拡大]
メーターがフルデジタル化されるとともに、よりオフロードらしさの高いテーパーハンドルも新採用。また機能面ではスロットルバイワイヤを新採用し、アクセサリーソケットはUSBソケット化(2A)された。また国内仕様にはワンキータイプのヘルメットホルダーも装備される。 [写真タップで拡大]
STDはクルーズコントロールやIMUを搭載せず
ワイヤースポークではなく、キャストホイールだったり、スクリーン調整機構、ハンドガード&ミラー形状といった外見の違いに目が行きがちだが、XTとSTDの大きな相違点はむしろ内部機構だ。STDには6軸IMUが搭載されておらず、トラクションコントロールやABSといった電子制御がXTほど走行状況に対応しない。またユーザーからの要望が多かったクルーズコントロールもXTだけの機能。これほどの機能差で価格差が8万8000円となると、よほどキャストホイールにこだわりがある人でない限り、XTを選ぶ人が多いのではなかろうか。
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