’19年モデルのホンダグロム125オーナーからのオーダーで、エンジンオイル交換とケーブルやドライブチェーンへの注油を行うことになったモトメカニック編集部。今回使用したのは、サンデーメカニックの多くがリピーターとなってクチコミが広がっているスーパーゾイルシリーズだ。お気に入りのブランドオイルに添加、もしくはスーパーゾイル配合済みのエンジンオイルを使うこともできる。後者には100%化学合成油と鉱物油ベースの半合成オイルがあるので、好みで使い分けるのもひとつの楽しみ方だろう
●文/写真:モトメカニック編集部 ●取材協力:パパコーポレーション ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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中古車はもちろん、新車でもグリースアップメンテが必要
バイクライフを楽しむ際に、新車を購入するのと中古車を購入するのでは、その後の生活に大きな違いが生じるものだ。程度が良く、しっかり整備されていた中古車なら良いが、ほとんど乗りっぱなしにされていたような車両を購入した場合は、楽しいツーリングのはずが、苦しい想い出になったりすることもある。
その点、新車は実に快適である。エンジンコンディションは良いし、車体もしっかりしていて不安を感じることなどない。しかし、それはあくまで新車購入した時点のことであって、走るにつれてコンディションは落ちてしまうもの。これもまた、新車の特徴なのだ。
特に、最近の新車(特に海外生産車両)は肝心な部分へのグリース塗布が少ない例が多い。以前、リアショックユニットのリンク周りやスイングアームピボットを分解したら、カラカラ乾燥状態で驚かされたこともあった。
その昔の話だが、走り出す前に各部を分解して摺動部分にはグリースアップをしっかり施し、それからお客さんへと手渡したという老舗外車ディーラーが多かったと聞いたことがあるが、メーカーを問わず最近の新車は、乗り出し前のメンテナンスが重要な気がする。
ちなみに、雨中を長時間走ると想像以上に各部へ雨水が浸水する。以前、新車購入直後に雨中のサーキット走行会に参加したことがあったが、帰宅後に足周りを分解すると、走行会前にグリースアップしたリアサスリンク周りのグリースが「あれっ!? どこへ…」なんて状況もあった。雨中の連続走行でグリースが洗い流されてしまったのだろう。一般道でもそれは同じだ。
日常点検が極めて重要なことに変わりはないが、雨中走行後などは足まわりを分解し、しっかりグリースアップや注油を行うことで、間違いなくコンディションは回復する。まったく別の目的で部品を分解するような際にも「ついでのメンテナンス」でグリースアップや注油を心掛けることで、実はそれが効果的な例も多い。
スーパーゾイルシリーズで’19グロムのオイル交換&グリースアップ
さて、新車購入後にさほど乗られることもなく半年が経過していたのが、このホンダ グロム。セルボタンひと押しでエンジン始動する快調さだが、各部のコンディションを見ると、グリースアップや注油を施したい気分になった。
今回のオイル交換では、スーパーゾイルシリーズのセミシンセティックゾイルを使用した。水冷マルチの高性能エンジンなら、迷うことなく100%化学合成のシンセティックゾイルをチョイスするが、伝統的空冷エンジンで、しかも普段の脚として使うと聞いたので、今後しばらくはセミシンセティックゾイルでエンジンコンディションを維持したいと思う。
また、例によって各作動部にオイル感やグリース感がほとんどなかったので、金属表面改質再生効果のあるスーパーゾイルを含有した各種ケミカルで、摺動部やケーブルに注油を施した。
(左)ブルーのパッケージは半合成オイル、イエローゴールドのパッケージは100% 化学合成オイル。いずれも製造段階で金属表面の改質再生効果のあるスーパーゾイル成分を含有している。セミシンセティックゾイル 10W-40〈1000ml〉●価格:3500円(税抜 以下同)、シンセティックゾイル 10W-40〈1000ml〉●価格:4300円
(右)スーパーゾイルをエアーゾールに詰めたオイルスプレー。このような製品は、他にあるようでない。さまざまな使い方が可能だ。白いパッケージのチェーンルーブもファンが多い。スーパーゾイル・スプレー〈280ml〉●価格:2200円、スーパーゾイル・チェーンルーブ〈220ml〉●価格:2000円
まずはオイル交換作業
エンジン暖機後にエンジンオイルを抜き取る。理想的には10分程度走行し、ある程度エンジンが温まってからオイルを抜き取りたい。FI車は冷間始動直後から安定する。
オイル交換ごとにドレンガスケットは新品部品に交換するのが原則だが、手持ちであると思っていたガスケットが欠品していたので、オイルストンで段差を面出しして再利用した。
ドレンボルト周辺がドロやオイルで汚れているときには、旧オイルを抜き取る前に、ドレン周辺の汚れをパーツクリーナーやブラシで洗い流してからオイルを抜くのが良い。
作業車両のクランクケースはキレイだったので、軽くウエスで拭ってからオイルを抜き、ドレン穴周辺をキレイなウエスで拭き取り、ドレンを指先で締めてからレンチで締めた。
今回は半合成オイルのセミシンセティックゾイルを利用した。注入は一気に規定量入れず、7~8割ほど注入してからエンジン始動。アイドリングで30秒ほど始動。
アイドリングを終えたら軽く2~3度ほど空吹かししてエンジン停止。オイルフィラーを抜き取ってレベルゲージをウエスで拭き取り、フィラーを押し付けてレベル測定。
フィラーのネジは締め付けずに押し付けるのがホンダ流。他メーカーではネジを締めてレベル確認するモデルもある。この段階で不足分を注ぎ入れるのが正解だ。
エンジンオイルを規定量入れたら再度エンジン暖機。エンジンオイルは入れ過ぎNG。アッパーレベルの手前、ロアレベルとアッパーレベルの中間でも十分だ。
コンディション維持に効くグリースアップ&注油
クラッチレバーのピボットは、ワイヤーケーブルを外すことで本来の作動性を確認できる。油分がなくなりカラカラに乾燥すると摺動部が摩耗してしまうので、オイルやグリース塗布しよう。
クラッチケーブルへの注油は、その効果を明確に体感しやすい。エンジン側ケーブル固定ブラケット付近のケーブル下にティッシュやウエスを敷いてから作業開始。汚れ防止だ。
ケーブルインジェクターを準備して、まずはインジェクターをパーツクリーナーで洗浄脱脂する。ケーブルにインジェクターをセットして、ゾイルスプレーをケーブルに注油。
アジャスターの遊びを無くしてインナーケーブルの割り通路を一致させてからレバーを握り、ゆっくり戻しながらアウターを引っ張って抜き取るのがケーブルの脱着方法だ。
チェーンルーブを吹き付けるときには、広告紙や新聞紙でチェーン裏側を養生しよう。タイヤにオイルが飛ばないようにすること。新車だからなのか? チェーンがカラカラに乾燥している?
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