KTMから普通二輪免許で乗れるアドベンチャーモデル「390アドベンチャー」が登場した。見た目はコンパクトながら充実の機能を装備。日本の道路環境にピッタリな1台だ。
●まとめ:伊丹考裕 ●写真:KTM JAPAN ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
[○]オンもオフもこなし、日常も旅もカバー
250ccクラスのオフロードバイクでは快適性に不満があり、だからと言って400ccクラスのアドベンチャーバイクでは走破性に期待できない。普通二輪免許で乗れるバイクを並べて、オンロードもオフロードも、街中もロングツーリングもこなせる1台を選ぼうとすると、そういう問題に突き当たるに違いない。
ところが、それをやすやすと解決してくれるバイクが上陸する。KTMの「390アドベンチャー」がそれだ。車名や車体パーツから見て取れる通り、同社のスポーツネイキッド・390デュークをベースに持つオールラウンダーである。ただし、フロントホイールを19インチに換装し、サスペンションのストロークを伸ばしただけのお手軽仕様だと思ったなら大きな誤解だ。
ウェブサイトでは岩山を駆け下り、ダートを激しくスライドしながら突き進むPVが公開されているが、あの映像に誇張はない。今回、その試乗会がダート天国とも言えるスペイン領テネリフェ島で開催され、そのポテンシャルを実感。ゴツゴツとした火山岩が続く林道も、サラサラの砂で覆われた海岸沿いも難なくクリアする、抜群の突破力を見せてくれたのである。
まずなにより手頃な車体サイズがいい。シート高は低くないものの、軽量ゆえ持て余すような場面はなく、ギャップで大きく揺すられたとしても足や腕力で容易にリカバーすることが可能だからだ。また、キャストホイールとそこに組み合わせられるコンチネンタルのブロックタイヤTKC70は高い衝撃吸収性と十分なグリップ力を発揮。オフロードに不慣れな身でもすぐにスロットルを開けていくことができた。
それをサポートしてくれるのが、スイッチひとつでONとOFFを切り換えられるトラクションコントロールと、リヤのみ介入をカットできるオフロードABSだ。これによって車体をよりダイレクトにコントロールすることが可能になり、高い一体感が得られたのである。
反対にオンロードではコーナリングABSが機能し、高いスタビリティを確保。充実のスペックと装備を持つ、クラス最良のアドベンチャーモデルとしてヒットしそうだ。
[△]ギヤレシオがちょっと惜しい
1速と2速のギヤが少し離れ気味。どちらを使うか迷う場面で回転数の変動が大きくなるため、ここがクロスしていればベターだ。
[こんな人におすすめ]400cc以下ですべてをこなすなら、コレ一択!?
車体の扱いやすさ、エンジンのパワフルさ、オンもオフも兼ねる足まわり、豊富なオプションがもたらす積載性や快適性。それらが極めて高いレベルでバランスしているため、1台であらゆる用途に使いたいライダーにとって満足度は高いはず。
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