圧巻のハイスペックを誇るスーパーネイキッドマシン・KTM 1290スーパーデュークRが刷新。モーターサイクルジャーナリスト・鈴木大五郎氏が、ポルトガル・ポルティマオにてサーキット&公道テストを行った。速くて乗りやすい!というビーストらしさには、さらに磨きがかけられていた。後編では公道へとテストの舞台を移す。
圧巻のハイスペックを誇るスーパーネイキッドマシン・KTM 1290スーパーデュークRが刷新。モーターサイクルジャーナリスト・鈴木大五郎氏が、ポルトガル・ポルティマオにてサーキット&公道テストを行った。[…]
●文:鈴木大五郎 ●写真:KTM
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公道テストでは意外な優しさを見せる
昼食を挟んで、午後はワインディングを中心とした公道を走行した。サーキットでのポテンシャルアップは正直、明らかであった。反面、もともとスーパーデュークRがそのスペックに見合わないほどのフレンドリーさを持っていたのは、車体剛性のしなやかさから来るものでもあったと考える。
サーキットユースでのポテンシャルアップを狙うあまり、公道でのフレンドリーさがスポイルされているのではといった心配もあったのだが、ライディングモードをストリートにし、足まわりもプリロードと減衰力も抜く方向でセットアップされたビーストは、午前中の走行で疲労感の残る身体にいきなり優しいフィーリングで接してくれたのだ。
従来モデルの、いかにもモンスターマシンを操っているといったしなり感も捨てがたい魅力があったが、新型はリニアさが増していて、マシンがより軽快でコンパクトに感じられる。
高回転域までしっかりパワフルなビッグツインエンジンは反面、低回転域での扱いやすさを犠牲にすることも少なくないのだが、このビーストの低速域は良く調教されていて妥協がまったくない。AT車のように5速、あるいはトップに入れて鼻歌交じりに走れるスムーズさに驚かされたのだ。
ちなみに、KTMの試乗会では開発者も一緒に走る機会が多いのだが、感心するのが彼らのライディングスキルの高さとバイクへの愛情深さ。ビーストの完成度の高さは電子制御の進化もあると思われるが、彼らの情熱が育んだ結晶であると改めて感じたのだった。

ビースト3.0と称された1290スーパーデュークRの第3章。スタイリングはキープコンセプトながらその多くを刷新。LED製ヘッドライトのセンターはラムエアーダクトとなっており、超高速域でも衰えないパワフルさを発揮。 [写真タップで拡大]

ボリューム感あるスタイリングであるが、実はそれが相当スリムなのがわかる。エンジン幅ギリギリまで追い込めるのがトレリスフレームにこだわる理由でもある。タンクおよびサイドパネルは高速域でダウンフォースを生み出す形状に。ノンカウルであることから、風圧がものすごいことに変わりはないが…。 [写真タップで拡大]
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