ハーレーのフラッグシップであるツーリングファミリーのベーシックモデル「ロードキング」と、カスタムトレンドのバガースタイルをまとったロードグライドスペシャル。対象的なスタイルを持つ2台の2020年モデルを詳解。
伝統のフォルムを現代に受け継ぐキング・オブ・ハイウェイ
「キング・オブ・ハイウェイ」と呼ばれた1960年代のFLHから、大きく変わることなく受け継がれてきた伝統のフォルムが、まさにコレだ!
搭載する空冷Vツインエンジンが、パンヘッドからショベルとなり、エボリューション、ツインカムを経てミルウォーキーエイト107(1746cc)となった現在でも、大柄なウインドシールドとヘッドライトナセルの組み合わせ、質実剛健なエンジンガード、長旅に耐えるタフなダブルシート、荷物を収納するサドルケースというスタイルは何ら変わらない。美しい光沢を放つクロームを散りばめ、高級感と王者の貫禄は相変わらず。
2020年モデルではフロント17/リア16インチだった足まわりを、前後18インチに大径化し、迫力がいっそう増しているのも見逃せない。いつまでも変わらないでいて欲しい……、その声に応え続けるレジェンダリーなモデルだ。
重厚なイメージのツーリングファミリーをカスタムトレンドをリードするバガースタイルへ
リミテッドが登場したロードグライドシリーズ。そのバガーカスタム仕様〝スペシャル〞は、Vツインエンジンをはじめ、2‐1‐2デュアルエキゾーストWITHテーパードマフラーやフロント/リア19インチのプロディジイ・アルミ鋳造キャストホイール、フロントフォーク、ハンドルバー、コンソールパネルに至るまでをブラックアウト仕上げにし、カスタムトレンドを反映したアグレシッブなスタイルとなっている。
舌を巻くのは、左右のマフラーに覆い被さるようにしてストレッチされたハードサドルケースだ。低く身構えるロー&ロングの美しいシルエットがより際立ち、ケースボトムからテールエンドにかける巧妙なカーブが見る者を魅了してやまない。たくましくワイルドな一方で、艶めかしくゴージャス。そんな二面性を持ち合わせているからこそ、ロードグライドスペシャルは幅広い層から支持されている。年齢層の高いツーリングファミリーユーザーだが、若年層も評価し指名買いする。
もちろん走りも一級品で、ミルウォーキーエイト114エンジン(1868cc)は最大トルク163Nmを発揮。ゆとりある走りを全域で見せ、高速巡航ではオートクルーズコントロールが走りをアシストしてくれる。
また、剛性の高いタフなシャシーにセットされるインナーチューブ径49mmのショーワ製デュアルベンディングバルブフォークは、安定した減衰力特性で路面のうねりなどによる車体のふわつきを抑制。快適な乗り心地だけでなく、トラクション性能が向上し、制動力や旋回性、操縦応答性も上げている。スポーティさも兼ね備えるホットロッドバガーだ。
【映像】2020ツーリングファミリー劇的進化! REFLEXディフェンシブライダーシステム「RDRS」搭載
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