ヤマハは8月17日、タイにおいて新型のネオクラシックモデル「XSR155」を発表した。ベースとなっているのは現地で販売されているMT-15で、兄貴分であるXSR900/XSR700と同じように、旧さだけではないスタイリングを実現している。日本でもぜひ発売を!
タイで生産・販売されているヤマハXSR155がバイク館SOXを通じて日本上陸。兄貴分の900や700のネオレトロ感を忠実に再現したスモールXSRは、ルックスだけでなく走りまでもシリーズのDNAを継承し[…]
軽二輪クラスに待望のスポーツヘリテージ
原付二種~軽二輪クラスでは外国産のネオクラシックモデルが次々と日本に上陸しているが、迎え撃つはずの国産車はこのカテゴリーにあまり力を注いでいないように見える。カワサキのエストレヤやスズキのST250、ホンダCB223は生産終了となり、ヤマハに至ってはルネッサやブロンコまでさかのぼらなければならない。ホンダCB125/250Rは、クラシカルな雰囲気も併せ持つが、どちらかというと新世代スポーツネイキッド寄りだろう。しかし、ネオクラシック……というか『スタンダードな、バイクらしいバイク』は世代を超えて支持を集め、大排気量のクラスではZ900RSやXSR900/700などが人気となっている。
実際にビッグバイククラスでは、スポーツネイキッドをベースに『着せ替え方式』ともいえるネオクラシックスポーツを仕立てたものがカテゴリーとして成立していることから、気軽に乗れるライトウェイトクラスにも、同様の方程式を当てはめたニューモデルが登場するのを心待ちにしているライダーは少なくないだろう。
そうこうしているうちに、GPX(タイ)やイタルモト(イタリア)、ファンティック(イタリア)、マットモーターサイクルズ(イギリス)などが125cc/250ccクラスのカスタムバイク然とした新車のネオクラシックモデルを展開しはじめ、その魅力や価格の手頃さで日本市場でも存在感を示しはじめている。もちろん外車も魅力だが、国産車にもそうしたモデルの登場はないものか……。
そんな機運が高まるなか、ヤマハはタイでMT-15をベースとしたスポーツヘリテージ、XSR155を発表した。「国産車でカッコイイのが出たら買うのに!」「外国車もいいけど比較して選びたい!」といった向きには朗報……と言いたいところだが、現時点で日本市場への導入については不透明だ。そこで、我々ヤングマシンは声を大にして言いたい。「日本でも発売したら絶対に売れますよ!」と。150ccクラスというのは日本の免許制度を考えれば少々イレギュラーな立ち位置かもしれない。だが、先日発表されたホンダのADV150とともに、多くのバイクファンが色めき立っていることを訴えておきたいのである。場合によっては125ccとしてリリースしたっていいはずだ。
YAMAHA XSR155 2020 Model
タイヤマハは、スポーツヘリテージスタイルの最新モーターサイクルXSR155を発表した。XSRシリーズはFASTER SONS(ファスターサンズ=親父を超える息子たち)のコンセプトから生まれたもので、このXSR155は初めてスモールサイズでFASTER SONSコンセプトを具現化したモーターサイクルだ。
ベースとなっているのはYZF-R15の兄弟車でもあるMT-15で、エンジンはVVAと呼ばれる可変バルブタイミング機構を実装した最新の水冷4ストローク単気筒。フレームはツインスパータイプだがXSR155のネオレトロスタイルに違和感なくフィットしており、アナログを象徴する「円」をテーマにデザインされたボディワークによって、見事にXSRシリーズとして成立している。
ヘッドライトとテールランプはLEDを採用し、フルLCDスクリーンのデジタルメータを装備。いずれも「円」を基調としたデザインが施されている。フロントには倒立フォークを採用し、リヤサスペンションはモノショック方式。前後に延長されたダブルシートや存在感のあるテールまわりとの組み合わせは、いわゆる1本サスでもクラシカルなスタイリングを違和感なく表現できることを知らしめている。
主要諸元:YAMAHA XSR155
YAMAHA XSR155■全長2000 全幅805 全高1080 軸距1330 シート高810(各mm) 車重134kg■水冷4ストローク単気筒 SOHC4バルブ 155cc 出力未発表(MT-15は19.3ps/10000rpm) 変速機6段 燃料タンク容量10L■タイヤサイズF=110/70-17 R=140/70-17