見た目も走りも兄貴分を踏襲

’19タイヤマハXSR155試乗インプレッション【小排気量でも走りに妥協なし】

  • 2020/1/19
タイヤマハXSR155

タイで生産・販売されているヤマハXSR155がバイク館SOXを通じて日本上陸。兄貴分の900や700のネオレトロ感を忠実に再現したスモールXSRは、ルックスだけでなく走りまでもシリーズのDNAを継承していた。ツインスパーフレーム+倒立式フォークによる高い剛性と、動きのスムーズな足回りとの組み合わせによる素直な旋回性が印象的だ。

●まとめ:大屋雄一 ●写真:真弓悟史 ●取材協力:バイク館SOX

[◯]乗り手の操作に応えるヤマハハンドリングだ

MT-09、特に初代のトリッキーに過ぎるハンドリングが好みではなかった私にとって、単に外装を着せ替えただけかと思っていたXSR900に試乗したときの衝撃は忘れられない。845ccの水冷トリプルは相変わらず元気が良すぎる傾向にあるものの、それに見合うだけのハードな足回りとなりトータルバランスが向上。ネオレトロなそのスタイルからは想像できないほど、積極的にスロットルを開けていけるキレのいい走りを手に入れていたのだ。

そんなスポーティなXSR像を抱いていただけに、排気量が小さいとはいえXSR155に対する期待値は決して低くはなかった。そして、試乗を終えた今、ルックスだけでなく走りまでもシリーズのDNAを継承してきたことに、素直に感心している。

タイヤマハXSR155

【’19 YAMAHA XSR155 (THAILAND)】主要諸元 ■全長2000 全幅805 全高1080 軸距1330 シート高810(各mm) 車重134kg ■水冷4スト単気筒SOHC4バルブ 155cc 19.3ps/10000rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量10L ■ブレーキF=ディスク R=ディスク ■タイヤF=110/70-17 R=140/70-17 ●価格:42万9000円 ●色:白×赤、灰、黒

ハンドリングは、ツインスパーフレーム+倒立式フォークによる高い剛性と、動きのスムーズな足回りとの組み合わせによる素直な旋回性が印象的だ。基本的にはニュートラルで扱いやすく、さらにそこから荷重移動や車体のピッチングを意識して操作すると、それに応じて旋回力が高まる。ライダーの技量の差に応じられるだけのポテンシャルを秘めており、気が付けば無心でワインディングを楽しんでいた。

前後のブレーキも、そうした走りに見合うだけの制動力とコントロール性を有している。パワーや車重の違いは大きいものの、ライディングフィールのベクトルは兄貴分のXSR900と共通といっていいだろう。なお、テスト時の燃費は38.7km/Lをマーク。なかなかに優秀だ。

タイヤマハXSR155

【シリーズの末弟ながらクラスを超えた存在感】フレームはスチール製のツインスパー。ベースはMT-15だが、わざわざサイレンサーのデザインまで変更するなど、XSRシリーズ共通のイメージをこの排気量で忠実に再現している。なお、標準装着タイヤはIRCのトレイルウィナーだが、国内に流通しているGP-210ではなくGP-211となる。

タイヤマハXSR155

シート高はMT-15と同じ810mmで、足着き性はご覧のおとり良好。絞り角の少ないバーハンドルによってXSRらしさを成立させている(身長175cm 体重62kg)。

タイヤマハXSR155

【YZF-R15やMT-15と共通のハイメカエンジン】ソレノイドコイルによってピンを押し出し、吸気側のローカムとハイカムを切り替える可変バルブ機構VVA(バリアブル・バルブ・アクション)を採用。

タイヤマハXSR155

XSR155にはアシスト&スリッパークラッチも導入されている。

タイヤマハXSR155

【贅を尽くした足回りにタイの過熱ぶりを見る】倒立式フォークは車体色が白×赤のみアウターチューブがゴールドとなる。スイングアームはアルミ製で、リヤサスはリンク式モノショック。ブレーキは前後ともディスクで、ホイールはアルミキャストと、実に豪華な足回りだ。

タイヤマハXSR155

兄貴分と同様にコックピットはブラックで統一。メーターもその例に漏れず、サークルデザインを採用する。可変バルブ機構が切り替わると”VVA”のアイコンが点灯する。

タイヤマハXSR155

スタイリングの要であるタンクカバーも、シリーズ共通のイメージをうまく踏襲している。

タイヤマハXSR155

シートのみ兄貴分とは異なりタックロールタイプを採用。よりクラシカルな雰囲気を演出。

【兄貴同様ベースはMT】XSR155のベースとなっているのは、同じくタイで販売されているMT-15だ。現地価格はこちらの方が約8%高いほか、ホイールベースは5mm長く、車両重量は1kg軽いなど微妙に異なる。

タイヤマハMT-15

[△]125が登場すればヒット間違いなし!

輸入元のバイク館SOXでは主要な純正パーツをストックしているようで、維持していく上での心配は少ない。だが、やはり多くの人が望むのは正規ラインナップ化だろう。排気量は155ccのままでもいいが、もし125が登場したらかなりヒットするはず。

[こんな人におすすめ]志の高さに感動。小排気量でも走りに妥協なし

小排気量=コミューターというイメージが強いが、これは155ccでありながら所有欲を満たすだけの質感があり、さらに走りにも光るものを秘める。このクラスのネオレトロが欲しかった人にとってはまさに朗報。購入はお早めに。

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大屋雄一

大屋雄一

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『ヤングマシン』にて厳正なる新製品テストを担当するベテランモーターサイクルジャーナリスト。

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ヤマハ XSR155

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