2月12日、イタリアのヴァレーゼにある旧AGIPのワークショップ/現ガレージ・イタリア・カスタムで、チームMVアグスタ・イデア・ラボロ・フォワードレーシング(Team MV Agusta Idea Lavoro Forward Racing)の体制発表が行われた。2台のMVアグスタを駆るのは、ステファノ・マンツィとドミンク・エガーターだ。
1976年の撤退以来、43年ぶりの復帰はMoto2クラス
MVアグスタは、1948年から1976年にかけて参戦したロードレース世界選手権=WGPにおいて37回ものタイトルと270回の勝利、そして3028の表彰台を獲得してきた、イタリアの超名門だ。しかし日本製バイクの台頭によって1976年末にレース部門とモーターサイクル部門の解体を発表。いったんその歴史の幕を閉じていた。
再興を果たしたのは1997年。カジバを率いていたクラウディオ・カスティリオーニがそのブランドを取得したのち、天才エンジニアとして知られたマッシモ・タンブリーニ(ビモータの創立メンバーでもある)を招聘し、1999年に伝説的なF4セリエオロを発売した。以降、新生MVアグスタは現在に至るまで『美しき高性能モーターサイクル』の代名詞として、スーパースポーツのF4/F3や、ネイキッドのブルターレシリーズ、ツーリングモデルのツーリズモヴェローチェなどをリリースしてきている。
復活後のレース活動としては、スーパーバイク世界選手権やスーパースポーツ世界選手権などへの参戦もあったが、グランプリへの復帰は今回が初だ。以前から噂はあり、’18年のミラノショーでマシンを発表、あとは参戦マシンの実車が現れるのを待つだけとなっていた。
スチールパイプフレームにトライアンフ3気筒を搭載
名門コンストラクターのフォワードレーシングとコラボレーションしての参戦となるMVアグスタのニューマシンは、’19年からMoto2クラス公式エンジンとなったトライアンフ製の3気筒を搭載する。F2と名付けられたこのマシンは2月15、16日にプライベートテストをこなしたあと、スペインのヘレスで20~22日に開催される公式テストに参加。初日を終えた時点でのF2は、#77 エガーターが21位(1分42秒510/トップと1.364秒差)、#62 マンツィが26位(1分43秒055/トップと1.909秒差)につけている。
ジョバンニ・カスティリオーニ/MV AGUSTA PRESIDENT
「私はレースとともに育ってきました。モトクロスからWGP500、スーパーバイクまで、グループ内ブランドので数々の勝利を手にしてきましたが、我々の夢は常にMVアグスタとともにロードレース世界選手権に復帰することでした。これまで、そしてこれから我々が成し遂げることが我々の夢と情熱的なファンの思い出を再燃させるであろうことを誇りに思っています」
ステファノ・マンツィ/ライダー #62
「このチーム(フォワードレーシング)で走るのは2シーズン目になります。MVアグスタは長い年月を経てレーストラックに戻ってきました。今年は信じられないような年になるでしょう。F2はすでにテストでもうまく機能しています。ヘレスでのテストが楽しみですね!」
ドミニク・エガーター/ライダー #77
MVアグスタのプロジェクトに参加できることを本当に嬉しく思っています。新しいF2の開発に自分のスキルと経験を活かし、貢献できることを楽しみにしています。マシンもチームも、最初の印象はとてもポジティブなものでした。我々は皆、競争力のあるプロフェッショナルです。この1年がうまくいくと確信しています。この偉大なブランドは一歩一歩、このエキサイティングな冒険のなかで正しい道を見つけていくでしょう」
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