’18年にフルモデルチェンジした250SSブームの火付け役であるカワサキNinja(ニンジャ)250。全面刷新されたその実力を改めてチェック!
(○)紛うことなき正常進化。扱いやすさはそのまま
’08年のデビュー以来、このジャンルの顔であったカワサキのニンジャ250が、3代目でついにエンジンとシャーシを全面刷新した。先代のエンジンの基本設計は’85年のGPZ250Rまで遡り、デビュー当初から古さが指摘されていたが、今回のモデルチェンジで最高出力は31→37psとなり、ついにライバルと比肩するパワーを獲得した。 一方、シャーシについては、このエンジンをストレスメンバーする新設計のトレリスフレームへと進化。エンジン後部にスイングアームマウンティングプレートを結合し、ここにピボットシャフトを貫通させる構造を採用したことで、大幅な軽量化を達成した。ABSも標準装備となり、先代のABS仕様との比較で車重はマイナス8kgの166kgへ。パワーウエイトレシオでもCBR250RRやYZF‐R25といった直接のライバルと対等になったのだ。 まずは新しくなった水冷並列2気筒エンジンから。最初に実感するのは軽快な吹け上がりで、ダウンドラフト化された吸気ラインや20%軽くなったフライホイール、サブスロットルバルブの廃止などがレスポンスの向上に貢献しているようだ。軽快に吹け上がるとはいえ、低回転域での粘り強さは相変わらずで、実質的な常用域である5000〜9000rpmは明らかに力強さが増している。そして、そこからさらに伸び上がり、レッドゾーンの1万3500rpmまで勢いよく到達する。スポーティさだけならCBRにまだ分があるが、あらゆるシーンでの扱いやすさという点においてはニンジャに軍配が上がる。また、バランサーの効果で微振動が少ないのもいい。 ハンドリングは、フレームの全面刷新に加えて正立式フォークの大径化、ディメンションの見直しなど変更点は多岐にわたるが、基本的な特性は先代をそのまま引き継ぐ。ハンドルへの入力による逆操舵によって倒し込みのきっかけを作ることを得意とし、バンクしてからのライン修正もイージー。新しいシャーシはしなやかでありながらライダーの入力に対してキビキビと反応し、サーキットを走らせても面白いだろう。
(△)ホンダに続きヤマハも倒立式フォークに…
正式発表された新型YZF‐R 25 が倒立式フォークを採用。国内仕様の詳しいスペックは未発表ながら、現行R25は旧ニンジャの上位互換的なキャラだっただけに、購入を迷う人がいても不思議ではない。
こんな人におすすめ:どんな遊び方も余裕でこなす万能キャラ健在
コンパクトで快適なライポジに適度な防風性、荷かけフックの多さによる積載性の高さなど、どんな遊び方もこなせる性格は新型も継承。洗練されたエンジンフィールが実に心地良く、どんな人にも自信を持って勧められる1台だ。
【KAWASAKI Ninja 250】 ●価格:62万9640円〜64万440円 ●色:青、赤×黒、緑×黒 主要諸元 ■全長1990 全幅710 全高1125 軸距1370 シート高795(各mm) 車重166kg(装備) ■水冷4スト並列2気筒DOHC4バルブ 248cc 37ps/12500rpm 2.3kg-m/10000rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量14L ■ブレーキF=ディスク R=ディスク ■タイヤF=110/70-17 R=140/70-17
●写真:飛澤 慎
●取材協力:カワサキモータースジャパン 0120-400819(お客様相談室) https://www.kawasaki-motors.com/
※ヤングマシン2018年12月号掲載記事をベースに再構成
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