国産ニューモデルの話題は新型カタナのデビューで持ち切りだった感もあるが、多様なカスタム車が出展されていたのは’17年発表のZ900RSだ。なかでも目立ったカスタムがいくつかあったので、数回に分けて紹介したい。今回はイタリアのリゾマ(rizoma)だ。
日本とも縁が深いイタリアのリゾマ社
日本では元MotoGPライダーの中野真矢さん率いる56デザインが日本総代理業を担うことでもおなじみのイタリアのリゾマ(rizoma)は、高品質な市販車用カスタムパーツを製作することで知られている。じつは中野真矢さんがカワサキのMotoGPライダーとして走っていた時代のチーフエンジニアがリゾマの製品開発責任者であり、リゾマの創業者はその甥というつながりがある。そうしたつながりから生まれたのが、ミラノショーに飾られていたZ900RSカスタムというわけだ。
そのリゾマ、もともとは’09年にMotoGPマシン用のレバーガードを開発したところから歴史がはじまっている。他車との接触時にブレーキレバーが押されて、予期せずブレーキがかかってしまうという危険を避けるためのプロテクターで、もちろんこのZ900RSカスタムにも装着されていた。ハンドルバーエンドにボルトオンする部分はアルミ製で、レバーガードの部分は樹脂製として万が一の接触時にしなって衝撃を逃がす構造。レーシングエディションとストリートエディションの2種類が存在する。
正統派Z900RSカフェベースに流麗さをプラス
ハンドル位置はスタイリングを決めるうえで要となるだけに悩みのタネでもある。このリゾマZ900RSカフェは、いわゆるスワローハンドルを装着することで、ふつうのバーハンドルとセパレートハンドルの中間的な位置としている。これがやりすぎ感のない流麗さを作り出しているほか、保安部品の小型化やブラックアウトした削り出しパーツによって、筋肉質な雰囲気にアダルトなツヤを加えているのがポイントだろう。ステップバーやハンドルグリップ、レバーなど多様なパーツが揃っているので、1点ずつ足してくという楽しみ方もできそうだ。
レース起源の高品質パーツを市販車カスタムに
こうしたパーツ群をラインナップするリゾマは、レーシングパーツの開発が起源となったメーカーではあるものの、MotoGPの現場で得たノウハウを市販車向けカスタムパーツにダイレクトに反映できるのが強み。さらにイタリアならではのデザイン性の高さと職人気質が加わるのだから、仕上がりのよさにも納得というものだ。56デザインの中野さんも「削るところが一切ない究極のミニマルさ、そしてエレガントさも併せ持っているのが魅力です」と語ってくれた。
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