2018年9月5日、スズキが”斬”という文字を隠喩的に表示する「Feel the Edge」というティザー動画シリーズをスタート。その第4回目が9月26日に公開され、ベースがKATANA3.0(カタナ3.0)だということが判明した。カタナという名のモデルが出てくる以上、知っておきたいのはオリジナルの1100。新型登場の前に振り返ってみたい。 ※ヤングマシン2013年10月号臨時増刊「青春名車大図鑑」より
デザイナーの名前を初めて覚えた
GS750・1000はひとまずの成功を収めたが、スズキはさらなる 「高出力化を求めて研究を開始。新4バルブユニットにはGSXの名が与えられ、独自の2過流燃焼室=TSCCが発明された。燃焼速度を高めることで高出力・ 低燃費化を実現、バルブ駆動にはロッカーアームを採用して整備性の向上も図られた。排気量の拡大もあって従来の2バル ブ式よりも大きく重いエンジンになったが、GSX1100Eの出力は105psを達成し、申し分ない出来映えとなった。
しかしそのスタイリングには疑問符が付いた。角型基調のフォルムは新しさを 狙っていたものの「格好悪い」と言う意見が少なくなく、そこでスズキはスタイリングを外部デザイナーへ発注することを決定。BMWから独立して間もない、ドイツのターゲットデザインに白羽の矢 が立てられたのである。渉外を担当したのはハンス・ムート。彼は実際に日本刀や武士道をモチーフに したデザインコンセプトを提案してもいたが、作業に当たったのは彼1人ではなく、無論チームワークによる成果である。 しかしムートの名ばかりがマスコミに報 じられ、「カースタイリング」46号(’84年・三栄書房)で本人が語っているように、 結果として彼はターゲットデザインを 早々に辞してもいる。カタナ誕生にはそんな裏話もあったが、 世界中で熱狂的に迎えられ、休止期間は あったものの、8年の長きにわたり販売された。2輪史にその名を深く刻まれた名車であることは揺るぎない。
GSX1100S KATANA 主要諸元■空冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 1074㏄ 111ps/8500rpm 9.8kg-m/6500rpm 232kg(乾)■タイヤF=3.5-19 R=4.50-17 輸出モデル(1982年)
カタナの系譜
※ヤングマシン2013年10月号臨時増刊「青春名車大図鑑」より
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