前代未聞の国内仕様も’18春に発売確定!

MAX210ps! 禁断のスパチャGT襲来

H2に続くスーパーチャージドマシン第2弾が、いよいよミラノショーで世界初披露された。その名も「ニンジャH2SX」は、200psを維持しつつ、天使にも悪魔にも自在に変貌する新世代のバランス型SCを搭載した前代未聞のスポーツツアラー。コーナリングライトなどを備えた上級仕様の「SE」もラインナップする。また、11月8日にカワサキモータースジャパンが国内仕様の発売をアナウンスしたこともトピックだ。

ストリートを照準に、ほぼ全面新設計で登場

過給機のスーパーチャージー(SC)を搭載する史上初の市販バイクとして、’15年に送り込まれたニンジャH2。以降、長らく本誌が追いかけてきたツアラー仕様が、ついに現実のものとなった。H2SXは、スーパースポーツのH2に対し、「ストリートと旅」に照準を合わせ、入念に造り込まれた意欲作。フレームは完全新設計で、エンジンもH2をベースとしながらインペラー(羽根車)をはじめとするSCと吸排気系、動弁パーツを全面刷新した。

ボディワークは、H2の逆スラントノーズを踏襲しつつ、防風性能に優れたフルカウルとスクリーンを採用。ライポジもリラックスしたもので、ZX-14Rほど前傾せず、ニンジャ1000ほどアップライトではない絶妙な設定だ。全体のフォルムは、トガリまくりのH2に対し、かなり穏やかなデザインに。LEDプロジェクターのモノアイが睨む顔はH2から継承され、カワサキを象徴する製品にのみ与えられるリバーマークも健在だ。アッパーカウルとスクリーン、ミドルカウルは大型化され、ロアーカウルを追加。スポーツ性能を損なわない範囲で快適性を追求している。

テールライトを含め、灯火類は全てLED。ポジションランプはH2と異なり、「H」パターンに点灯する。

上級仕様のSEを設定。本誌が予想していた3眼とは異なるが、SEにのみカワサキ初のコーナリングライトを搭載。左右各3つのLEDがバンク角に応じて点灯し、コーナーの先を照らす先進システムだ。

左がH2 SX SEで右がH2 SXのスタンダード仕様。サイドカウル前部のコーナーリングランプとハイスクリーンがSEのポイントとなる。

 

パワーを維持したまま燃費性能はH2から25%向上!

998cc直4ユニットは、H2を基に、新たなバランス型SCを搭載。H2と同様、最高出力200psを発生し、過給時には210psをマークする。このパワーを維持したまま、燃費性能をH2より25%も向上したというから驚異的だ。これに貢献したのが大幅な圧縮比向上。8.2→11.2:1とすることで、エンジンの熱効率を飛躍的に高めた。出力特性は、毎日の街乗りが可能なほど充実した低中速パワーが特徴。その多彩なエンジンキャラクターは、低速域でも扱いやすく、リラックスした長距離クルーズも悠然とこなすという。もちろんライダーがその気になりさえすれば、SCならではの怒濤の加速を引き出すことが可能。まさに変幻自在のエンジンだ。

過給機をはじめ、スロットルボディやマフラー、ピストン、シリンダー&ヘッド、クランクシャフト、カムシャフトを新設計。ギヤレシオも見直した。結果、分厚い低中速トルクを獲得し、燃費性能は25%も向上。静粛性もアップしている。マフラーは右2本出しのH2に対し、逆テーパー形状の1本出しに。容量を10→7Lに減らしつつ法規制をクリアし、2kgの軽量化に成功した。排気システムを含むエンジン全体では、約3kg軽くなった。

SCの要であるインペラー(羽根車)は、SX向けに新設計。サイズはH2と同じだが、12枚のブレードの形状や角度をSX用に最適化した。なおSCに供給されるラムエアは、H2と同様、アッパーカウル左側のダクトから導入。ただしバランス型SCの性格に合わせ、ダクト正面の面積はH2より約80%に抑えた。またスロットルバルブの小径化(φ50→40mm)、インテークチャンバー容量の減少(6→5L)、ブローオブバルブの応答性向上、吸排気ポート形状の変更などで、スムーズかつ自然な出力特性を実現している。

カワサキのスポーツツアラーとして初めてクルーズコントロールを投入。H2譲りのパワーモード×3、3レベルのトラコン、エンジンブレーキコントロール、コーナリングでのABSを最適制御するKCMF(カワサキコーナリングマネージメントファンクション)も採用。SEのみ上下対応のクイックシフターやローンチコントロールを備える。

 

ZX-14Rを上回る軽快なシャーシ

車重の増加は、H2からわずか+18kgの256kg(SE=260kg)に抑えており、パワーウェイト比はメガツアラーのZX-14R(車重269kg)も上回る。トレリスフレームはH2をベースにした完全新作。シートレールはタンデムとパニアケースの装着が可能な剛性を持たせた。ホイールベースは、直進安定性を向上させるため、1455→1480mmに延長。片持ちスイングアームも15mmロング化されている。

鋼管トレリスフレームは、ステアリングヘッド周辺に補強を新設。さらに剛性の高いシートレールを融合した。最大積載量はH2の105kgに対し、195kgとなる。また、ステアリングヘッドは15mm前方に移動し、ハンドル切れ角は27→30度に増大。街乗りやUターンなど低速時の取り回しが改善されている。キャスター&トレールは、24.7度&103mm。H2の24.5度&103mmからわずかにレイクされている。


鋼管トレリスフレームは、ステアリングヘッド周辺に補強を新設。さらに剛性の高いシートレールを融合した。最大積載量はH2の105kgに対し、195kgとなる。また、ステアリングヘッドは15mm前方に移動し、ハンドル切れ角は27→30度に増大。街乗りやUターンなど低速時の取り回しが改善されている。キャスター&トレールは、24.7度&103mm。H2の24.5度&103mmからわずかにレイクされている。

足まわりは、噂された電子制御のセミアクティブサスではなく、SXの特性に合わせた手動式の前後フルアジャスタブルを採用。フロントはφ43mm倒立に、ラジアルマウントのモノブロック対向4ポットキャリパー+φ320mmディスクを組み合わせる。スポーツABSのKIBSも標準装備。ブレーキホースはSEのみスチールで保護したタイプとなる。

リヤは、’15〜’16H2と同様のKYB製モノショックを採用。圧側減衰力は低速/高速の2way調整が可能だ。これに加え、素手でイニシャル調整が可能なリモートアジャスターを装備。ツーリングに重宝するアイテムだ。ホイールは初代H2イメージの星形スポークで、SEには高級感抜群の切削加工が施される。

 

タンデムシートにパニア、快適装備が揃う

装備面では、シートに注目。2人乗りが可能になったことに加え、フロントシートはより厚みを増し、快適度がアップ。シート高は、コンフォートシートを採用する欧州仕様で835mm。パニアケースはオプションとなり、ニンジャ1000のように、アタッチメントなしでスムーズに装着できるクリーンマウントパニアシステムを採用している。

1人乗りのH2に対し、SXはタンデムが可能。リヤシートはフラット&ワイドな形状で、大型のアシストグリップも備える。タンデムライダーはいかにも快適そうだ。SEは、スエード調のシート表皮に加え、ステッチも施す。

純正オプションのパニアケースはGIVI製で、車体色とマッチしたカラーをあしらう。コンパクトで車体中央に寄せたデザインとしながら、片側28L容量を確保。フルフェイスも収納できる。

円形のアナログタコに液晶を組み合わせたメーターのデザインは、H2を踏襲。STDは、液晶が反転タイプだが、SEはカラーのTFT液晶を採用。さらにSEではツーリングとスポーツの表示パターンを選択でき、ツーリングモードでは車両の状態をグラフィカルに表示する。レッドゾーンはH2は1万4000rpmに対し、1万2000rpm以降に変更。レブリミットも2000rpm低い1万400rpmとなる。

SEはオプションパーツを多数装着。センタースタンドや電源ソケット、グリップヒーター、ニーパッドを標準で備える。車重はSTDより+4kg。

 

日本仕様の登場が確定! 発売時期は2018年春

11月8日、カワサキモータースジャパンが正式に発売をアナウンス。リリースに「日本向け」の仕様が明記されており、国内登場は確実。ちなみに日本仕様は、シート高が15mm低いローシートや、ETC2.0、ヘルメットロックが標準装備となる。待望のSCツアラー、発売時期は2018年春とされるが価格を含む続報を待ちたい。

ヌマ王

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ヤングマシン編集部出身の敏腕フリーライター。特にバイクの社会&時事ネタに詳しく、20年以上にわたって特ダネを追い続けている。趣味はユーラシア大陸横断。

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