ヤマハはインドネシアで、可変バルブ機構採用の水冷単気筒エンジンを搭載したオフロードモデル「WR155R」の2024年モデルを発表した。ヤマハが国内で『セロー250の後継機種』について言及する今、注目の集まる機種でもある。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
MT系やYZF-R系も採用するシアンをフレームに
ヤマハがWR155Rの2024年モデルを発表した。2色ラインナップされるカラーはいずれも刷新され、ブルーはロゴまわりを中心にグラフィックを変更、ブラックはシアン系のフレームを採用した斬新なカラーリングとなった。
日本ではかつてオフロード版のYZF-R1と呼ばれたWR250が販売され、高性能な本格オフロードバイクとして人気だったが、ライバル比で高価だったこともあってか生産終了に。そしてヤマハが大切に育ててきたセローシリーズも、初代のセロー225からセロー250へと進化したのち、2020年夏に最後の1台が出荷され生産終了になっている。
海外では、セロー250の兄弟モデルといえるXT250が北米などで、そしてこのWR155Rがインドネシアやタイなどで販売されている。そんな中でインドネシアの2024年モデル発表だが、日本でセロー250の後継機種待望論が再燃し、ヤマハも「セローそのものではなくても、セロー的なものは考えている」と言及しているタイミングであり、コンパクトな車体やそこそこのパワーといった素性を持つWR155Rはセロー後継機種のベースになる可能性もあるのでは? と注目を集めることは必至だろう。
国内で発売されたばかりのYZF-R15と同系のVVA=可変バルブ機構を採用する水冷エンジンを搭載するだけに、排出ガス規制クリアへのハードルも高くはないはず。なんならセローと言わずこのままでも……と考えるオフ車ファンもいるかもしれない(※ただしシート高は880mm)。
ちなみにインドネシアでの価格は3860万ルピア(日本円換算約35万8000円)で、YZF-R15の3987万5000ルピア(約36万9000円)に近い。日本仕様のYZF-R15が55万円であることを考えれば、十分にリーズナブルな価格でWR155Rの日本仕様も販売できそうに思えるが……。ヤマハさん、ぜひご検討を!
YAMAHA WR155R[2024 Indonesia model]
車名 | WR155R |
全長×全幅×全高 | 2145×840×1200mm |
軸距 | 1430mm |
最低地上高 | 245mm |
シート高 | 880mm |
装備重量 | 134kg |
エンジン型式 | 水冷4ストローク単2気筒SOHC4バルブ(VVA搭載) |
総排気量 | 155cc |
内径×行程 | 58.0×58.7mm |
圧縮比 | 11.6:1 |
最高出力 | 16.73ps/10000rpm |
最大トルク | 1.45kg-m/6500rpm |
変速機 | 常時噛合式6段リターン |
燃料タンク容量 | 8.1L |
タイヤサイズ前 | 2.75-21 |
タイヤサイズ後 | 4.10-18 |
ブレーキ前 | φ240mmディスク |
ブレーキ後 | φ220mmディスク |
価格(インドネシア現地) | 3860万ルピア(日本円換算約35万8000円) |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
あなたにおすすめの関連記事
ヤマハ新世代125cc/155ccの先鋒が兄弟そろって登場! ヤマハは、今春のモーターサイクルショーに市販予定車として出展した4車のうち、「YZF-R125」「YZF-R15」を正式発表。大型バイクや[…]
YZF-R7似のデザイン、YZF-R25超えのアグレッシブさ どれも個性的ななスタイルを持つヤマハ新型フルサイズ125の中で、もっともスポーティな存在感を放っているのがYZF-R125だ。フルカウルを[…]
日本仕様の正式導入も期待したい軽二輪スポーツヘリテイジ! ヤマハモーターインドネシアは、MT-15とベースを共有するスポーツヘリテイジモデル「XSR155」の2023年モデルを発表した。ニューカラー×[…]
おお、デカ目! 北米セローはXT250の名で存続、極太タイヤのTW200は懐かしの四角ライト 日本国内では、2020年7月31日にセロー250ファイナルエディションの最後の1台が出荷されてから3年が経[…]
アンダーボーンにブロックタイヤ、フラットなシート ヤマハがタイで面白いバイクを発表したぞ! その名も「PG-1」で、数日前からウェブ界隈を賑わせてきたが、スペックや価格も正式発表されたのでお伝えしたい[…]
最新の関連記事(ヤマハ [YAMAHA])
免許返納後もアクティブに楽しむための小型低速EV パワーユニットに自社の電動モーターを、バッテリーにホンダの「モバイルパワーパックe:」を採用した汎用EVプラットフォームをヤマハが初公開したのは、20[…]
さとみ(すとぷり)がアンバサダーに就任! 日本二輪車普及安全協会は、2025年3月かいさいの「第41回 大阪モーターサイクルショー2025」および「第52回 東京モーターサイクルショー」の開催概要を発[…]
2気筒にもオートマチック『Y-AMT』を投入!! ヤマハは、欧州で選考発表されていた新型「MT-07」の国内モデルを正式発表した。発売済みの最新MT-09と同様に、クラッチ操作とシフト操作を必要としな[…]
通勤からツーリング、サーキット走行まで使えるカウル付き軽二輪スポーツ 日本の道に最適といえるサイズ感や、通勤/通学からツーリングまで使える万能さが軽二輪(126~250cc)の長所。スクーターやレジャ[…]
1989年以降、400ccを中心にネイキッドブームが到来。250でもレプリカの直4エンジンを活用した数々のモデルが生み出された。中低速寄りに調教した心臓を専用フレームに積み、扱いやすい速さが美点。特に[…]
最新の関連記事(新型アドベンチャー/クロスオーバー/オフロード)
人気モデル『400X』の“モデル名称”を変更して再登場したバイク 普通二輪免許で乗れる400ccクラスの中では珍しいアドベンチャースタイルのクロスオーバーモデル/ツーリングバイクとして人気を博していた[…]
スクエアデザインの1050/800/250SXに対し、650と250は穏やかな意匠 スズキは、「Vストローム650」および「Vストローム650XT」の価格を改定し、2025年2月5日に発売すると発表し[…]
外装デザイン&素材ほか細部にわたり多数のアップデート ホンダは「NC750X」をマイナーチェンジ。通常の燃料タンク位置に容量23Lの収納スペースを設け、欧州では半数のユーザーが選択するというDCT仕様[…]
ワイルドさも残る洗練のクロスオーバー スズキの量産バイクで初めて電子制御サスペンションを採用したGSX-S1000GX(以下GX)は、前後17インチホイールを履いたクロスオーバー・アドベンチャー。欧州[…]
オンロードでも安心感ある良好なコーナリング特性 2024年4月に、従来型の400Xがモデルチェンジされ、同時に車名も変更されてデビューしたのがNX400ですが、そのスタイリングにはラリーマシンのテイス[…]
人気記事ランキング(全体)
『通称』と『道路交通法における区分』、『道路運送車両法による区分』がある バイク雑誌やWEBヤングマシンの記事を読んでいて「これってどうなってるの?」と混乱したことがある方もいらっしゃると思う。のっけ[…]
これが後のGL500につながったかは不明 これはいろいろなエンジン型式の可能性を探るために開発された1台で、クランク軸縦置きの200㏄空冷Vツインを搭載したもの。製造コストが高く、商品化できなかったと[…]
クロスオーバー系レトロがアップグレード! インディアヤマハは、ブロックパターンタイヤを履いたネオレトロスタイルの「FZ-X」をマイナーチェンジして発表した。ロングストローク設定の空冷149ccエンジン[…]
さとみ(すとぷり)がアンバサダーに就任! 日本二輪車普及安全協会は、2025年3月かいさいの「第41回 大阪モーターサイクルショー2025」および「第52回 東京モーターサイクルショー」の開催概要を発[…]
通勤からツーリング、サーキット走行まで使えるカウル付き軽二輪スポーツ 日本の道に最適といえるサイズ感や、通勤/通学からツーリングまで使える万能さが軽二輪(126~250cc)の長所。スクーターやレジャ[…]
最新の投稿記事(全体)
日本仕様も近く登場! ホンダは国内向けサイト内で「Gold Wing 50周年記念サイト」をオープン。1975年のゴールドウイング(GL1000)から始まる歴史を紹介するとともに、50th Anniv[…]
【読み飛ばしOK】自動車損害賠償責任保険審議会の結果、基準料率の改定は必要ないと判断【料金表は下の方に】 金融庁が令和7年1月10日および1月17日に行った第150回・第151回自動車損害賠償責任保険[…]
125ccスクーターは16歳から取得可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限[…]
[A] 前後左右のピッチングの動きを最小限に抑えられるからです たしかに最新のスーパースポーツは、エンジン下から斜め横へサイレンサーが顔を出すスタイルが主流になっていますよネ。 20年ほど前はシートカ[…]
免許返納後もアクティブに楽しむための小型低速EV パワーユニットに自社の電動モーターを、バッテリーにホンダの「モバイルパワーパックe:」を採用した汎用EVプラットフォームをヤマハが初公開したのは、20[…]
- 1
- 2