プロト直営店「リグニス」によるカスタムコンプリート、ニューフリスコスタイルのデビューは以前の記事でお伝えした通りだが、そのライドフィールを確かめることができた。
●文:青木タカオ(ウィズハーレー編集部) ●写真:増井貴光 ●外部リンク:リグニス愛知
リグニスによるカスタムコンプリートのニューモデル『フリスコスタイル』とは
「これこれっ、これなんだよなぁ」と、エボリューションVツインを知る人はもちろん、もしかしたらハーレーダビッドソンに乗ったことがない人も「イメージ通り」「求めていた乗り心地」と、納得させてしまうかもしれない。
それほどに心地良く、ファンたちの欲しいテイストを巧みに打ち出している。プロトの直営店「リグニス」によるカスタムコンプリートのニューモデル『フリスコスタイル』だ!
アメリカで1950〜60年代に誕生したチョッパーカルチャー。余計なものをチョップ=“ぶった切る”を語源にしたガレージカスタムは、さまざまなスタイルに派生していくが、1970年代にサンフランシスコのショップ「フリスコチョッパーズ」が生み出したと言われているのが、このフリスコスタイル。
ロングフォークやアップスイープマフラーなど、ド派手に見せる手法をあえてせず、タイトなハンドルをまっすぐに伸びた長いライザーで上へ持ち上げる。幅の狭いライディングポジションは、渋滞が著しい都会の交通の中をすり抜けしやすくし、ポリスマンからもたやすく逃れられるようにしたから。西海岸を縦横無尽に走るバイカーたちが求めたスタイルだ。
たしかに、身構えるだけで猛々しい気持ちになってくるではないか。専用のトリプルツリーでナローフォーク化され、フロント19インチのハンドリングはクセがなく軽快。ステップはミッドコントロールで自然な位置にあり、コントロールがしやすい。ゆったり流すのもいいし、ペースを上げて攻め込むライディングにもしっかりと応えてくれる。
アグレッシブに走らせることができるのは、乗り手の意志に従順だからで、扱いやすいエンジンとCVキャブレターの組み合わせにあることも見逃せない。
セルスターターで元気よく目覚めたVツインモーターは、ボア88.8×ストローク108mmで排気量1337cc。アイドルアジャストスクリューを右手で少しだけ回すと、アイドリングはすぐに低い回転で落ちつく。そして走り出せば、冒頭で述べた通り、テイスティで奥深い。
ダイヤフラムを用いた吸入負圧でピストンバルブが開閉するCVキャブは、ライダーのアクセル操作に対するレスポンスがピーキーすぎず穏やか。
1次振動を打ち消すためのカウンターバランサーを備えていないエボリューションエンジンをソリッドマウントすることによって生じる鼓動感に全身を包まれてのクルージングは、これぞハーレーと言わんばかり。10年以上エボを所有していた筆者も「やっぱり、これだよ!」と、舌を巻くばかり。魅了されてやまない。
心地よいサウンドと力強い鼓動感、メカニカルな造形美、テイストと信頼性が高い次元でバランスしているエボリューションハーレーは、中古車市場でも人気が上昇傾向にあるのはご存知の通りだろう。
しかし、生産終了からすでに20年以上が経ち、故障やメンテナンスなど、所有するのにあたって不安要素が多いのも現実。そこでリグニスでは、ユーザーが安心して乗れるよう、信頼性の高い1996〜99年式、つまり最終モデルをベース車両に選び、各部をフルオーバーホールしたカスタムコンプリートとして販売をスタートしたのだ。
過去に自社設計し、量産していた「ゼロエンジニアリング・ロードホッパー」の製造技術をもとに、今回のニューフリスコスタイルではトリプルツリー/アルミビレット製フットペグ/ガンファイターシート/ショットガンスタイルのマフラーなど、専用設計のオリジナルパーツをふんだんに組み込んだ。
「目指したのは誰でも気軽に乗れるハーレー」で、リグニス愛知のトータルMCサポーター牧野亜夢さんは、そう言ってまたがる姿を見せてくれた。
身長は162cm。両足がカカトまでベッタリと地面に届き、取り回しも軽々としてみせる。「足つきに不安がないので、小柄な人にもオススメです。お店のツーリングにも乗って同行していますし、試乗会では先導役も務めさせていただきました」と、余裕の笑みを浮かべる。
品質とアフターサービスに絶対的な自信があることは、6ヶ月の保障とロードサービスを付帯していることでもわかる。
ゼロエンジニアリングから端を発するプロトカスタムバイク。ロードホッパーに続き、今度はいま人気のフリスコスタイルでデビューだ!
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