![カワサキA1[名車バイクレビュー] マッハIII/Z1登場前、カワサキ初の海外成功は“SAMURAI”だった!](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2022/12/RideHi_kawasaki-samurai-a1.jpg)
●文:ライドハイ編集部(根本健
オートバイのエンジンだけ生産していた川崎航空機がアッセンブリーメーカーとして発進
1960年、カワサキがまだ系列の川崎航空機を名乗っていた頃、オートバイ用のエンジンを製造して、車体を組み立てる川崎メイハツ工業に納品していたのだが、販売不振で撤退の検討を経て、自ら車体までを設計製造することとなった。
すでにホンダがベンリィ125などで成功を収め、ヤマハやスズキも続き、海外進出のためマン島T.T.出場へのチャレンジをスタートさせていたのだ。
そして1961年、メイハツから自社生産としてB6を発売、実用車として頑丈に強化したB7がその翌年にデビューしたが、先行メーカーはスポーツモデルを加える流れとなり、カワサキも遅れまいと、B8に2人乗りシートを装備したB8Tで続いたのが1964年。
しかし、ホンダはマン島だけでなく世界チャンピオンを獲得、250ccのCB72でヨーロッパとアメリカのスーパースポーツマーケットを得た。続くヤマハも250ccで1964年に初の世界タイトルを奪取。YDSシリーズでホンダと同じく英国製650ccスポーツと変わらない性能をアピールして成功を収め、スズキも世界GP参戦から同じ道を辿り始めていた。
B8Tがどれだけズレていたか、説明の必要もないだろう。
【1964 KAWASAKI B8T】
後発カワサキが存亡を賭けて海外進出を狙い、ホンダ/ヤマハ/スズキより高次元マシンをアピール
そのカワサキが、1966年に250cc2気筒の「A1」でアメリカ市場へ乗り込んだ。
【1966 KAWASAKI A1】
【1966 KAWASAKI A1】
2ストローク2気筒は、左右両側にロータリーバルブが回転する、世界GPでしか見ることのできなかったメカニズム。2気筒の市販車では世界初採用を果たし、しかも鋳鉄ライナーを鋳込んだアルミシリンダーは、先行する日本メーカーも装備していなかったレーシングマシン並みの仕様。2ストでもオイルは専用タンクからポンプで強制圧送され、クラス最高の31psに最高速165km/hとトップ。ダブルクレードルのフレームで当時100マイルで必ず発生するといわれた“ウォブル”なしと高速で揺れる現象が皆無と豪語した。
しかもニックネームを「SAMURAI」とし、アメリカ人にたやすく覚えてもらえるネーミングを与えての発売だった……
※本記事は2022年12月15日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ライドハイの最新記事
ライバルを突き放す90°Vツインと高剛性に低重心の新次元を構築! ヤマハRZ250の切り開いた2スト復活劇から、レーシングマシンのレプリカブームへとエスカレートさせたのは、1983年のスズキRG250[…]
250でもビッグバイクと同じレベルのクオリティを! ヤマハは1988年に250ccのアメリカンクルーザー、空冷60°VツインのXV250 Viragoをリリースした。 それは250ccの片側125cc[…]
テールデザインでトラディショナルから新世代を意識させる! 1992年に発表後、実に30年間という史上まれにみるロングセラーだったCB400 SUPER FOUR。 その経緯にはいくつか節目となるモデル[…]
レプリカに手を出していなかったカワサキがワークスマシンZXR-7から製品化! 1988年、秋のIFMAケルンショーでカワサキのZXR750がセンセーショナルなデビューを飾った。 なぜ衝撃的だったかとい[…]
250cc水冷90°V型2気筒でDOHC8バルブが、たった2年でいとも容易くパワーアップ! ホンダが1982年5月、V型エンジン・レボリューションのVF750Fに次ぐ第2弾としてVT250Fをリリース[…]
最新の関連記事(ネモケンのこのバイクに注目)
新型4気筒を待ち焦がれていたホンダファン CBにXが加わった車名のCBX400Fは、1981年10月にデビュー。バイクブーム真っ只中で爆発的な人気を誇ったホンダの切り札となったマシンだ。 実はカワサキ[…]
ボクサーエンジンの誕生、最強バイクとして世界中でコピー BMWといえば、2輪メーカーとしてスーパーバイクS1000系からボクサーのRシリーズなど、スポーツバイクで世界トップに位置づけられるメーカーだ。[…]
特別な存在をアピールする“衝撃”=IMPULSEと名付けたバイク スズキには、1982年から400ccネイキッドのシリーズに「IMPULSE(インパルス)」と銘打ったバイクが存在した。 IMPULSE[…]
250ccの4気筒はパフォーマンスで不利。それでも届けたかった4気筒の贅沢な快適さ 250ccで4気筒…。1982年当時、それは国産ライバルメーカーが手をつけていないカテゴリーだった。 1976年にD[…]
一般公道は乗りやすさ最優先、そのコンセプトを後方排気でピュアレーシーへ ヤマハは、1980年にレーサーレプリカ時代の幕開けともいうべきRZ250を発売。一躍250ccをビッグバイクを凌ぐパフォーマンス[…]
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車 | カワサキ [KAWASAKI])
レプリカに手を出していなかったカワサキがワークスマシンZXR-7から製品化! 1988年、秋のIFMAケルンショーでカワサキのZXR750がセンセーショナルなデビューを飾った。 なぜ衝撃的だったかとい[…]
昔ながらの構成で爆発的な人気を獲得 ゼファーはレーサーレプリカ時代に終止符を打ち、以後のネイキッドの基盤を構築したモデルで、近年のネオクラシックブームの原点と言えなくもない存在。改めて振り返ると、’8[…]
勝つための合理性と最新テクノロジーが辿り着いたパラレルツイン! レーシングマシンは勝つためを最優先に開発される。だから優位なテクノロジーなら躊躇せず採用する斬新で個性の集合体のように思われがち。 とこ[…]
ナナハン並みの極太リヤタイヤに見惚れた〈カワサキ GPZ400R〉 レーサーレプリカブーム真っ只中の1985年。技術の進化に伴い、各社はレースで培ったテクノロジーをフィードバックさせたモデルを多く打ち[…]
手軽な快速ファイター 1989年以降、400ccを中心にネイキッドブームが到来。250でもレプリカの直4エンジンを活用した数々のモデルが生み出された。中低速寄りに調教した心臓を専用フレームに積み、扱い[…]
人気記事ランキング(全体)
経済性と耐久性に優れた素性はそのままに、ブレーキ性能を向上 ホンダはタイで、日本仕様のキャストホイール+ABSとは別ラインになっているスーパーカブ110(現地名:スーパーカブ)をマイナーチェンジ。新た[…]
※走行写真は欧州仕様 航続距離はなんと362km! ヤマハは、2025春に開催された大阪モーターサイクルショーにて「オフロードカスタマイズコンセプト」なる謎のコンセプトモデルをサプライズ展示。従来型の[…]
125ccクラスは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転可 バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原[…]
500km/hの速度の鉛玉も防ぐ! SHOEIがキャリーケース事業をスタートする。これまでに培ってきたヘルメット製造技術を活かした新規事業で、GFRPを用いた質感と堅牢性、強固なフレーム構造による防犯[…]
充実してきた普通二輪クラスの輸入モデル この記事で取り上げるのは、日本に本格上陸を果たす注目の輸入ネオクラシックモデルばかりだ。それが、中国のVツインクルーザー「ベンダ ナポレオンボブ250」、英国老[…]
最新の投稿記事(全体)
タフネスと優しさを両立した水冷エンジン「シェルパ450」 インド北部にそびえるヒマラヤ山脈は、ロイヤルエンフィールドにとって、ひいてはインド人にとって、いつでも憧れの旅路だ。そんな憧憬が表れているモデ[…]
16日間で211万着の「メディヒール」が物量攻勢で復活 ワークマンが展開するPBリカバリーウェア「MEDIHEAL(メディヒール)」シリーズが、いま爆発的なヒットを記録している。2026年、秋冬商戦に[…]
同時代の旗艦とは異なる改革の旗手としての資質 新技術はビッグバイクから。昨今の2輪業界ではそれが常識になっているけれど、’80年代は400ccが改革の旗手となるケースが珍しくなかった。CB[…]
コスパ全開の冬用インナーがここまで快適になるとは 冬用フェイスカバーと聞けば、息苦しさ/ムレ/メガネの曇りといった不安が先に立つ。それに対しカエディアのバラクラバは、通気性を確保したメッシュパネルと高[…]
1インチセンサー搭載で夜間の峠道も鮮明に記録 ツーリング動画において、画質と画角の広さは非常に重要である。本機は画期的な1インチの360度イメージングエリアを採用しており、低照度環境でもノイズの少ない[…]


![カワサキB8T|カワサキA1[名車バイクレビュー] マッハIII/Z1登場前、カワサキ初の海外成功は“SAMURAI”だった!](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/03/kawasaki_a1_20221024_02-768x432.jpg)
![1966 カワサキA1|カワサキA1[名車バイクレビュー] マッハIII/Z1登場前、カワサキ初の海外成功は“SAMURAI”だった!](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/03/kawasaki_a1_20221024_01-768x432.jpg)
![1966 カワサキA1|カワサキA1[名車バイクレビュー] マッハIII/Z1登場前、カワサキ初の海外成功は“SAMURAI”だった!](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/03/kawasaki_a1_20221024_06-768x432.jpg)







































