●文:ヤングマシン編集部(伊藤康司 田宮徹 宮田健一) ※情報更新日:2022年7月4日
カワサキZ900RSシリーズ 概要
直列4気筒ストリートファイターのZ900をベースに、レジェンダリーな外装とワイヤースポークをイメージした専用ホイールで、見事なまでに往年のZ1/Z2イメージを再現した「Z900RS」シリーズ。’17年暮れのデビュー以来、大型自動二輪のトップセールス街道を爆進する超人気モデルだ。2段階+オフのトラクションコントロールとツーリングに便利なETC2.0車載器を標準装備。
’22モデルではSTDと足まわりが豪華な「SE」に加えて、Z生誕50周年を記念する特別仕様車がラインナップされた。初代Z1/Z2の火の玉カラーをモチーフとし、特別な重ね塗り技法による深みあるキャンディカラーを実現。ホイールもゴールド色となるほか、サイドエンブレムやタンクトップのロゴなどに専用装飾が施されている。
「カフェ」は、Z900RSに弱ローハンドル/ビキニカウル/シングル風の段付きツートーンシートを与えて、カフェレーサースタイルとしたマシン。マフラーはシックなヘアライン仕上げだ。’22モデルはシルバーストライプの入ったブラックの1色を設定。エンジンスペックはZ900RSと同じで、ETC2.0車載器やヘルメットロックも同様に標準装備だ。
’22 カワサキZ900RS 50thアニバーサリー:上質塗装で”火の玉”復活!
初代Z1を思わせるカラーで大人気となった’18年の初代Z900RS。アニバーサリーカラーはこれを想起せずにはいられない「キャンディダイヤモンドブラウン」だ。なお、当モデルはZ900RS SEとは別ラインだ。
標準モデルからの主な変更点は以下の通りとなる。
・キャンディカラーを独自の技法で重ね塗りした艶やかで深みのあるフューエルタンク塗装
・フューエルタンク上部に印されたZ50周年ロゴ
・サイドカバーや左右エンジンカバーにあしらわれた専用のエンブレム
・デザインを強調するゴールドカラーのホイール
・上質感を高めるシボ入りの専用シート表皮
・標準装備されたグラブバー
主要諸元
足まわり
主要装備
’22 カワサキZ900RS SE:+22万円で専用ブレンボ&オーリンズ
’22で追加された最上級仕様。オーリンズ製S46リヤショックが装着され、フロントブレーキはキャリパーをはじめパッドとディスクもブレンボ製。車体色は’73年Z1欧州仕様のみで発売された”イエローボール”が元ネタだ。
スペック上はサスペンショントラベルや車重などもノーマルとほぼ同じだが、最低地上高&シート高は10mmアップしており、積極的な走りに対応しているものと思われる。
フロントブレーキは、ブレンボ製のΦ300mmダブルディスク/M4.32ラジアルマウントモノブロックキャリパー/ブレーキパッドを装備。ラジアルポンプ式マスターシリンダーはニッシン製の小径とし、STDのΦ19.1mmに対しΦ17.5mmとした。また、ステンレスメッシュのブレーキホースがダイレクトなタッチと高いコントロール性を実現している。
リヤショックはオーリンズ製S46。シングルチューブ構造のアルミニウムボディを採用し、フローティングピストンで仕切られたΦ46mmの大型ピストンとガスチャンバーが、優れた路面追従性と確かなダンピングを発生し、グリップ感やハンドリングの向上、よりしなやかなライドフィールに貢献する。市販品とは異なり、密閉性に優れたダブルリップ式ダストシールを採用しているのもポイントだ。
このリヤショックの採用に合わせ、Φ41mm倒立フロントフォークのセッティングを最適化するとともに、アウターチューブをゴールド仕様に。同じくゴールド仕様の前後ホイールが華を添える。
また、リヤサスペンションはセッティングの変更に便利な油圧リモート式プリロードアジャスターとダイヤル式リバウンドダンピングアジャスターを装備。オーリンズロゴを刻印したプレートも備えている。
主要諸元
足まわり
主要装備
’22 カワサキZ900RS [STD]:ネオクラの魅力は信頼の基本装備
’22年モデルのカラーバリエーションは従来のイエロータイガーことキャンディトーングリーンと、黒×銀のエボニーは廃止され、継続カラーなしの新色ラインナップとなった。
今回のカラーリングのうち、キャンディトーンブルーと呼ばれる新色は’75式のカワサキZ1(形式名Z1B) の復刻カラー。マニアには通称”青玉虫”と呼ばれる人気色だ。そしてもうひとつは、いわば”黒玉虫”と呼べそうなメタリックディアブロブラックで、こちらは’04モデルのゼファーシリーズがモチーフとなっている。
’18モデルのZ900RSは通称「火の玉カラー」と呼ばれる、’73の初代Z1を再現したキャンディトーンブラウン×キャンディトーンオレンジで登場。’19モデルは継続販売され、’20モデルでは’74式Z1をモチーフとした前述の「イエロータイガー」を採用した。そして今回は’75式というわけだ。
いずれもブラック系のエボニーが併売されてきたが、’21モデルではシルバーのストライプが入ったグラフィックとされ、これは’05モデルのゼファーシリーズをモチーフとしていた。
今回はZ1系のオマージュカラーとしてZ1Bの青玉虫を採用し、一方のブラック系は前年モデルよりも年代を遡ったゼファーをオマージュした黒玉虫としているのが面白い。オマージュ&アレンジカラーの世界観は、まだまだ広がりそうだ。
主要諸元に変更はなく、ABSとETC2.0を標準装備している。
主要諸元
足まわり
主要装備
’22 カワサキZ900RSカフェ:ビキニカウルで防風&味変
従来の曲線ラインやグラデーションを活かしたグラフィックとは一線を画し、マッスルカーなどのアメリカンスポーツを彷彿とさせる。特徴的なシングル風シートはブラウンのツートーンになり、レザーシートの雰囲気だ。
Z900RSカフェは、世界的な人気モデルとなっているネオクラシックネイキッド「Z900RS」にフェアリングとローハンドル、スポーティなデザインの段付きシートを追加したカフェスポーツ。’18に登場した初代カラーはライムグリーンで、ZRX1200ダエグなどが引き継いできた“ローソンレプリカ”のイメージを現代に継承してきた。
その後はグレーやブラウンといったカラーリングモデルが登場し、日本国内ではZ900RSともども’21モデルが新型コロナ禍の影響もあって品薄になるほど人気が続いている。’18~’20の401cc以上カテゴリーでは国内販売台数で3連覇も達成した。
カワサキが発表した’22モデルは、948cc並列4気筒エンジンや図太いサウンド、アシストスリッパークラッチ、ホリゾンタルバックリンク式リヤサスペンションといった装備に変更なく、メタリックディアブロブラック3と呼ばれる新グラフィックを採用。
主要諸元に変更はなく、ABSとETC2.0を標準装備している。
あなたにおすすめの関連記事
ニンジャZX-25Rを製作しての最高速アタック、世界耐久選手権への挑戦などでカスタムビルダー&レースコンストラクターとして名を馳せるトリックスターが、クラシカルなデザインで大人気車種となっているZ90[…]
[◯] 動き出しの良さに感動。純正サスには戻れない 「これがあのZ900RS!?」というのが偽らざる第一印象である。 もともとZ900RSの足回りはスポーティな方向でうまくまとめられているが、バランス[…]
ドレミコレクション:着せ替えカスタムで高い再現度を実現 スチール製のインナータンク方式を採用することで、その上に好みのスタイルのタンク外装を被せる"着せ替えカスタム方式"を実現したドレミコレクション。[…]
やっぱりコレだね! 記念版ファイヤーボール降臨 稀代の名車「Z1」こと、カワサキ900スーパー4が登場したのが'72年の夏。そこから始まったZシリーズが、今年でついに50年を迎える。これを記念して、2[…]
SP忠男:最新ソリッドカラーが登場 独自のサブサイレンサーシステム"パワーボックス"を搭載したSP忠男のマフラー。最新版として、シンプルな輝きで大人な美しさを演出する「チタンソリッド」のフルエキゾース[…]
最新の記事
- 【2024年5月版】125ccバイクおすすめ15選! 人気の原付二種、国産MTモーターサイクルとAT限定免許OKのカブ系を網羅!
- 【2024年5月版】150~250cc軽二輪スクーター 国産おすすめ8選! 125ccの双子モデルからフルサイズまで
- 塗装済みで30万円以下!! モンキー125がCB750Fみたいになる外装キット“エフモン”の価格がついに発表!
- 「ベース車が何だか全然わからんぞ!!」銀幕に登場した魔改造バイクたち
- 2458ccの化物バイク?! トライアンフ「ロケット3 ストームR」は巨大なのに普通に乗れる【試乗インプレ】
- 1
- 2