![[絶版車メンテ] 樹脂パーツからマフラーまで、“クロームメッキ”の輝きを取り戻すお手入れ方法](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
今を遡ること50年前には、すでにホンダCB750フォアもカワサキZ2も登場しており、マフラーこそメッキの4本出しだったものの、外装パーツとして樹脂部品が使われ出していた。バイクブームからレーサーレプリカブームが訪れた40年前には、樹脂の割合がさらに増え、現在ではクロームメッキは一部のモデルに使われる表面処理となっているのが現実だ。だからこそメッキの輝きを維持していきたい。そこで本記事では、NAKARAIのメッキ専用ケミカル・KINGシリーズ3種を紹介する。
●文/写真:栗田晃(モトメカニック編集部) ●外部リンク:NAKARAI
キラリと輝くクロームメッキは絶版車のアイコン。磨き、サビ取り、保護は専用ケミカルを活用したい
メーカーから出荷された新車当時は同じ状態でも、その後の環境や手入れによって、10年後/20年後のコンディションは大きく異なるものだ。紫外線を浴びず冷涼で低湿度の環境に保管するか、屋外に置くかで、塗装/メッキ/ゴム/樹脂の劣化度には雲泥の差が生じてしまう。
買った時には「このバイクに一生乗り続けていく」と決めても、徐々にくたびれゆく姿を見て「そろそろ潮時かも…」と乗り換えを考え始めるのが一般的なユーザーの行動パターンだろう。いじり好きのサンデーメカニックならレストアで起死回生を狙うかもしれないが、劣化が始まる前に手を打っておくのが理想。
クロームメッキの場合、表面の光沢は一様に見えるが顕微鏡レベルでは穴だらけで、そこから浸入した水分がクローム層の下でサビを発生させる。そのためメッキ表面に点サビが出た時点では、跡形なく消し去るのは難しいのが実態だ。とはいえワックスなどの油分を使うとクロームならではの透明感を鈍らせる原因となるし、永続性は期待できない。
メッキのプロであるNAKARAIが開発した「メッキング」は、完全透明の特殊シリコーンによる被膜でクロームメッキ表面をコーティングすることで、水分の浸入を防止。またこの被膜はメッキ表面の穴に浸透して水分の通り道を防ぐ効果もあり、耐食性を向上させる。
今から数十年を遡って新車当時のメッキに塗布できないのは残念だが、「ミガキング」「サビトリキング」との組み合わせで今後の劣化防止や防錆を行うことは有効であり重要だ。
左から【NAKARAI デカキング】●価格:2980円(260g) 【ミガキング】●価格:2780円(180ml) 【メッキング】●価格:5980円(100ml)
金属以上にデリケートな樹脂メッキの汚れは、ミガキングと史上最鏡クロスの組み合わせがベスト
ヤマハ ビーノやスズキ ヴェルデなどと同様に、1990年代後半に登場したレトロ風デザインの50ccスクーター・ホンダ ジュリオ。ヘッドライトリムやエンブレム類にプラスチックメッキを採用している。プラスチックメッキも経年劣化によって点状の腐食が発生するが、母材の樹脂は腐食しないため、メッキの皮膜だけがカサブタのように剥がれることが多い。
メッキ表面のくすみや汚れ、点状の軽度な腐食にはミガキングが有効。強く擦るとスクラッチで曇るので、付属の史上最鏡クロスで撫でるように磨く。
超微粒子コンパウンドと専用クロスの相乗効果で、傷を付けることなく汚れが効果的に取れる。
屋外保管が災いしてサビが発生したバックミラー。点々と見える赤サビは、メッキの穴から水分が浸入した結果。これを見過ごすと裏側で進行してサビの穴も大きくなるから、早期対応が必要。
初期段階ならミガキングで除去できる。汚れたクロスで擦ると傷が増えるので、きれいなクロス面を使うことが重要。
今では少数派となったクロームメッキマフラー。点サビはサビトリキング後のメッキングが重要
サビが広範囲に広がっている、あるいは深く進行している場合に使用するサビトリキングには、研磨剤とともにサビに反応して溶解する成分が含まれている。
サビトリキングを付属の汚拭クロスにたっぷり付けて優しく撫でると、研磨剤の物理作用と化学作用でサビが落ちる。
クロームメッキ表面の痕跡は消えないが、傷つくことなくサビを除去できた。
サビトリキング後は、今後の防錆のためメッキングを塗布する。
史上最鏡クロスに1〜2滴を垂らして10×10cmを目安に薄く塗り広げる。
皮膜が厚いとメッキ光沢剤成分が虹ムラになる。その場合はメッキングが付着していない部分で乾拭きしよう。
メッキングが使えないエキゾーストパイプは小まめな洗車と確認が長持ちの秘訣
マフラーの中でもより高温になるエキゾーストパイプは、水分が付着することでサビが進行しやすくなる。雨天走行後は洗車を行い、乾いたウエスで拭くことで予防になるが、車体下部だけに見落とすことも多く、気がついた時には点サビが発生していたということも多い。
サビトリキングをつけた汚拭クロスで点サビ部分を擦ると最初はサビに引っかかるが、やがてスムーズな手触りに変化してくる。
硬化後のメッキングには200度の耐熱性があるが、エンジン取り付け部分から15cm は高温すぎるため使用できない。
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