ピンやツメではめ合わされた部品を分解/取り外す際に欠かせない“こじる”作業。狭い隙間などに物を入れて捻ったり開いたりする“こじり”は、バイクや自動車いじりの現場でよく遭遇する。マイナスドライバーでは傷が付き、金属製のスケールはしなって役に立たない場面で活躍するのが、リフターやリムーバーと呼ばれる工具だ。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:アストロプロダクツ ストレート ワールドインポートツールズ横浜
クリップリフター:クリップ対応の溝幅設定が細かく、傷をつけにくいクロームメッキ仕様
自動車のドアの内張やモール類のクリップをピンポイントで狙って取り外すための5本組リフター。クロームメッキ仕上げの本体とラバーグリップの組み合わせは使い勝手が良く上質。
0.7mmの極薄先端部分を滑り込ませることで、狭い隙間をこじ開けられる。二股に分かれた先端部分は、ガソリンホースや負圧ホースを引き抜く際にも威力を発揮する。
プライバー:鋭利な先端が隙間に食い込む、細かい作業が得意なピンポイントタガネ。ハンマーで叩けるキャップ付き
“こじる”よりも力強く叩いて使うこともできるプライバーは、数多くのユニークな自動車整備工具を製造するアメリカ・ライル社製。
全長約100mm/一辺1/4インチの四角軸の先端には鋭いエッジがあり、グリップ後部をハンマーで叩いてタガネのように使うことができる。張り付いたガスケットを剥がす作業等に適している。
メタルトリムリムーバー:金属ならではの薄さで隙間を開くフラットエンド
くさびのように先端が尖っていても、はめ合いがキツい隙間に挿入すると、しなったり割れることもある樹脂製のこじり工具に代わり、約0.6mmという薄さで強度を確保して人気となったSMTのメタルトリムリムーバー。
全長210mmで、両端はストレート形状とベントタイプの2形状。しなることなく力を伝達でき、強くこじれる工具だ。
メタルトリムリムーバーほか:作業内容に応じて選べる豊富なバリエーション
樹脂製/金属製ともに数多くのリムーバーを販売しているアストロプロダクツ。その中でもスクレーパーのような幅広形状が特徴的なメタルトリムリムーバーは、発売以来人気アイテムとなっている。
また、ドア内張を剥がすクリップリムーブハンドルもフラット形状とベンド形状があり、機種や作業内容に応じて使い分けができる。
ホースリムーバー:張り付いたパイプとホースを尖った針先で引き剥がす
ラジエーターホースの着脱時、ホースとラジエーターの隙間に鋭利な先端を差し込み固着を引き剥がすホースリムーバー。コーケンはソケットレンチの専門メーカーだが、自動車整備工具にも力を入れており、エンジンルーム内の整備に必要な工具としてラインナップしている。グリップを手前に引いて使えるのがポイントだ。
内張りこじ郎:先端の薄さと仕上げの良さでロングセラー
分かりやすい「こじ郎」のネーミングで商品を展開し、金属素材を用いた「頑固タイプ」を2016年に発売するなど、こじり系工具に先見の明を持つストレート。内張りこじ郎 頑固タイプは、登場から8年を経た現在もヒット商品だ。
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