
ピンやツメではめ合わされた部品を分解/取り外す際に欠かせない“こじる”作業。狭い隙間などに物を入れて捻ったり開いたりする“こじり”は、バイクや自動車いじりの現場でよく遭遇する。マイナスドライバーでは傷が付き、金属製のスケールはしなって役に立たない場面で活躍するのが、リフターやリムーバーと呼ばれる工具だ。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:アストロプロダクツ ストレート ワールドインポートツールズ横浜
クリップリフター:クリップ対応の溝幅設定が細かく、傷をつけにくいクロームメッキ仕様
自動車のドアの内張やモール類のクリップをピンポイントで狙って取り外すための5本組リフター。クロームメッキ仕上げの本体とラバーグリップの組み合わせは使い勝手が良く上質。
0.7mmの極薄先端部分を滑り込ませることで、狭い隙間をこじ開けられる。二股に分かれた先端部分は、ガソリンホースや負圧ホースを引き抜く際にも威力を発揮する。
【ワールドインポートツールズ横浜 WIT 5pc クリップリフターセット HND-BM1333】5本のリフターは専用のケース入りで、工具箱にピッタリ収納できる。グリップから軸部分のサイズや形状は5本ともほぼ同一だ。●販売価格:1万780円
プライバー:鋭利な先端が隙間に食い込む、細かい作業が得意なピンポイントタガネ。ハンマーで叩けるキャップ付き
“こじる”よりも力強く叩いて使うこともできるプライバーは、数多くのユニークな自動車整備工具を製造するアメリカ・ライル社製。
全長約100mm/一辺1/4インチの四角軸の先端には鋭いエッジがあり、グリップ後部をハンマーで叩いてタガネのように使うことができる。張り付いたガスケットを剥がす作業等に適している。
【ワールドインポートツールズ横浜 LISLE 1/4インチプライバー 35100】●販売価格:2178円
作業ツナギのポケットに留められるペンクリップ付きの超小型タガネ。ちょっと叩きたい、隙間を広げたい時に便利なWIT横浜の人気商品。
メタルトリムリムーバー:金属ならではの薄さで隙間を開くフラットエンド
くさびのように先端が尖っていても、はめ合いがキツい隙間に挿入すると、しなったり割れることもある樹脂製のこじり工具に代わり、約0.6mmという薄さで強度を確保して人気となったSMTのメタルトリムリムーバー。
全長210mmで、両端はストレート形状とベントタイプの2形状。しなることなく力を伝達でき、強くこじれる工具だ。
【ワールドインポートツールズ横浜 SMT メタルトリムリムーバー STR2】 ●販売価格:2695円
メタルトリムリムーバーほか:作業内容に応じて選べる豊富なバリエーション
樹脂製/金属製ともに数多くのリムーバーを販売しているアストロプロダクツ。その中でもスクレーパーのような幅広形状が特徴的なメタルトリムリムーバーは、発売以来人気アイテムとなっている。
また、ドア内張を剥がすクリップリムーブハンドルもフラット形状とベンド形状があり、機種や作業内容に応じて使い分けができる。
【アストロプロダクツ メタルトリムリムーバー】●価格:2178円
【アストロプロダクツ コインドライバー】●価格:638円
【アストロプロダクツ クリップリムーブハンドル(大) JPN-RM2】●価格:825円
【アストロプロダクツ クリップリムーブハンドル フラットタイプ】●価格:616円
ここでは代表的な4アイテムのみを掲載するが、こじり系工具を持っていないのならメタルトリムリムーバーは必須アイテムだ。他のリムーバーとはデザインが異なるが、何より汎用性が高く使い勝手が良い。コインドライバーはバッテリーの補水キャップを回すのが本来の用途だが、先端が広く剛性が高いので、隙間をこじ開ける際に使えるのだ。
ホースリムーバー:張り付いたパイプとホースを尖った針先で引き剥がす
ラジエーターホースの着脱時、ホースとラジエーターの隙間に鋭利な先端を差し込み固着を引き剥がすホースリムーバー。コーケンはソケットレンチの専門メーカーだが、自動車整備工具にも力を入れており、エンジンルーム内の整備に必要な工具としてラインナップしている。グリップを手前に引いて使えるのがポイントだ。
【山下工業研究所 169HR/2 ホースリムーバーセット】●希望小売価格:3860円(税抜)
内張りこじ郎:先端の薄さと仕上げの良さでロングセラー
分かりやすい「こじ郎」のネーミングで商品を展開し、金属素材を用いた「頑固タイプ」を2016年に発売するなど、こじり系工具に先見の明を持つストレート。内張りこじ郎 頑固タイプは、登場から8年を経た現在もヒット商品だ。
(上から)
【ストレート 隙間こじ郎 19-734】●ストレート会員価格:620円
【ストレート 内張りこじ郎 頑固タイプ 19-732】●ストレート会員価格:1770円
【ストレート クリップこじ郎 頑固タイプ 19-731】●ストレート会員価格:1600円
あらゆる隙間やこじり作業に使える「隙間こじ郎」、ポリッシュ仕様のクロームメッキが滑らかな「内張りこじ郎 頑固タイプ」、先端二股仕様の「クリップこじ郎 頑固タイプ」はいずれもストレートのヒット商品だ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
モトメカニックの最新記事
整備部門に加えて塗装や磨き作業まで社内で行うエルオート。コンディションに応じた最善策で販売車両を製作できるのが最大の強み 数ある絶版車の中で頂点に君臨し続けているカワサキZシリーズ。人気車種ゆえ大物の[…]
メンテナンスで覚えて、カスタムで楽しむモンキー&ゴリラ 今回登場するのは、88ccにボアアップした初期型Z50J-IIIゴリラ(1978)。排気量アップに合わせてキャブセッティングを行う必要性があると[…]
作業環境を整えるアイテムが、ミスを減らして仕上がりを向上させる 塗装好きのサンデーメカニックといえども、整備で使う工具に比べて塗装関連の道具を使う機会は少ないはず。スプレーガンの置き場が定まらずひっく[…]
「失敗したかも…」を最小限に食い止めるアイテムも欲しい 最初から最後までトラブルなく進行すれば文句はないが、ペイントブースを使えない場合、ゴミが付いたり虫が飛んでくることもある。多くのサンメカが経験す[…]
塗装の仕上がりは段取り次第。作業前と作業後に必要な用品にも注目 塗装するパーツが小さなエンジンカバーなのか、ガソリンタンクなのかで、難易度や緊張感は異なるものの、作業に必要な道具には大差はない。エアコ[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
論より証拠! 試して実感その効果!! 老舗カー用品ブランド・シュアラスターが展開するガソリン添加剤「LOOP」シリーズ。そのフラッグシップアイテムである「パワーショット」をさまざまなバイクやクルマに実[…]
マジックフォームとは? 「マジックフォーム」とは、シャンプーを泡状にして広範囲に噴霧する、プロのような洗車を自宅でも実践できるアイテムです。 泡噴射ができるフォームガン2種(蓄圧タイプ/高圧タイプ)と[…]
自分のミスではないアクシデントで運命を分ける空気圧! タイヤの空気圧は大事……わかっちゃいるけど、つい面倒でチェックが疎かになりがち。 しかし脅かすワケではないけれど、実は空気圧が適正に保たれていない[…]
メンテナンスで覚えて、カスタムで楽しむモンキー&ゴリラ 今回登場するのは、88ccにボアアップした初期型Z50J-IIIゴリラ(1978)。排気量アップに合わせてキャブセッティングを行う必要性があると[…]
かつてバイク乗りに親しまれていた「解体屋」文化 ボロボロのバイクが無造作に山に(比喩ではなく本当に山積み)なっていて、客は工具を片手にその山に登って部品を剥ぎ取ってきたり、バラした部品を集めてその場で[…]
最新の関連記事(工具)
作業環境を整えるアイテムが、ミスを減らして仕上がりを向上させる 塗装好きのサンデーメカニックといえども、整備で使う工具に比べて塗装関連の道具を使う機会は少ないはず。スプレーガンの置き場が定まらずひっく[…]
「失敗したかも…」を最小限に食い止めるアイテムも欲しい 最初から最後までトラブルなく進行すれば文句はないが、ペイントブースを使えない場合、ゴミが付いたり虫が飛んでくることもある。多くのサンメカが経験す[…]
塗装の仕上がりは段取り次第。作業前と作業後に必要な用品にも注目 塗装するパーツが小さなエンジンカバーなのか、ガソリンタンクなのかで、難易度や緊張感は異なるものの、作業に必要な道具には大差はない。エアコ[…]
多彩なアダプターによる高い汎用性と車載できるコンパクトさが魅力 買い物用の原付スクーターでもサーキットを走行するレーサーでも、タイヤの空気圧管理は重要。空気圧は徐々に低下するため、気がついたら標準値よ[…]
思い通りに調整できないバイクのチェーン バイクのチェーン調整でこんな経験したことはありませんか? 伸びてゆるくなったチェーンを… アジャスターで調整して、チェーンの弛みを適正値に確認して… アクスルシ[…]
人気記事ランキング(全体)
自分のミスではないアクシデントで運命を分ける空気圧! タイヤの空気圧は大事……わかっちゃいるけど、つい面倒でチェックが疎かになりがち。 しかし脅かすワケではないけれど、実は空気圧が適正に保たれていない[…]
1位:「モンキー125」で黄色いモンキー復活【欧州】 ホンダが欧州で、125ccモデル×3車種を発表。いずれも、日本で販売中のカラーリングを纏ったモンキー125、ダックス125、スーパーカブC125の[…]
1990年に撤廃された、国内販売車の排気量上限自主規制 大排気量ランキングの話を始める前に、少し歴史を遡ってみよう。日本では、1969年のホンダCB750Fourの登場を機に、当時の国産車の最大排気量[…]
整備部門に加えて塗装や磨き作業まで社内で行うエルオート。コンディションに応じた最善策で販売車両を製作できるのが最大の強み 数ある絶版車の中で頂点に君臨し続けているカワサキZシリーズ。人気車種ゆえ大物の[…]
オイルの匂いとコーヒーの香り。隠れ家へようこそ。 56designが4月12日に奈良県奈良市にオープンさせる「56design NARA」。以前から要望が多かったという、同社初となる関西圏の新店舗だ。[…]
最新の投稿記事(全体)
XSR900 GPの登場によりカジュアル寄りに回帰したXSR900 ヤマハは、クロスプレーンコンセプトの888cc並列3気筒を搭載するスポーツヘリテイジ「XSR900」をマイナーチェンジ。ライディング[…]
2025年2月6日改訂 125ccスクーターは16歳から取得可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)[…]
1位:ホンダ「CB1000ホーネット」試乗インプレッション エンジンが抜群に気持ちいい! ホンダが2025年1月23日に発売した新型モデル「CB1000ホーネット/SP」は、ダブルアールこと「CBR1[…]
スマホで各種申請書を作成、二次元バーコード経由でプリントアウト可能に 自動車検査登録手続きのデジタル化を推進する国土交通省は、関東運輸局にて2025年2月より「登録手続き申請書メーカー」を運用開始した[…]
時代に合わせて生き続けた、愛すべきヤマハの象徴 スポーツバイクにおいて、スペックが重要な指標のひとつなのは間違いない。しかし1000ccで200psオーバーが当たり前の近代において、最高出力が25ps[…]