![[バイクDIYメンテ用品レビュー] サビンラップ:サビ防止だけでなく汚れ防止で洗車が楽に](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/06/BAN-ZI_SabinWrap_01.jpg)
本記事では、透明なシリコーンゴム被膜で金属部分をコーティングすることで、水分との接触を防ぎサビを防止する「サビキラー・サビンラップスプレー」をレビューする。その撥水性や防汚性の高さから、オフロードモデルの泥汚れ付着防止にも有効なことをご存じだろうか?
●文/写真:栗田晃(モトメカニック編集部) ●外部リンク:株式会社BAN-ZI
メッキや鉄部品の防錆はもちろん、樹脂部品の防汚にも有効なサビンラップ
パーツ表面のサビを除去するサビトルキラーや、サビの上から直接塗って赤サビを転換して進行を食い止める水性塗料のサビキラープロなど、発生したサビに対抗する製品を開発してきたBAN‐ZI。同社にとって「サビキラー サビンラップスプレー」は異色の商品である。何より特徴的なのは“サビを予防する”機能だ。
「サビがあるからBAN‐ZI製品の活躍の場があるというのに、サビをなくしてどうするの!?」と違和感を覚えるかもしれないが、もちろんユーザーにとってはサビを予防できるに越したことはない。
サビを防ぐ=金属と水分の接触を断つにはいくつかの方法があるが、BAN‐ZIが選んだのは、特殊シリコーンゴム塗料によるコーティング。
スプレータイプのサビンラップは、一般的なシリコーンスプレーと比べてゴムの質感が強く、明らかに塗膜が厚い。
この塗膜は塗りっぱなしではべたつくため、スプレー後はウエスで塗り広げるのがベターだが、フェンダーの裏側などにはあえて厚塗りすることで、跳ね上げた雨水や泥汚れの付着を防止、つまり防汚効果が期待できる。これは泥だらけのモトクロスコースのような特殊な状況だけでなく、トレールモデルで林道を交えたツーリングを行う際にも有効だ。
フェンダーの裏側なら厚塗りのベタつきも気にならないし、約200℃の耐熱温度があるので、サイレンサーの裏側にスプレーしても影響はない。
もちろん、クロームメッキパーツの表面にスプレーしてウエスで拭き取るだけで数ヶ月の防錆効果が得られる手軽さは、旧車や絶版車ユーザーが見逃せない重要なポイント。
この場合でもシリコーンゴム被膜による撥水効果があるので、雨天走行時に汚れにくいのは大きなメリットとなる。ただし塗装されたボディ用ではないという点だけは注意が必要だ。
「サビを予防する」「サビ取り後の再発を防止する」「汚れを防ぐ」という3つの働きがあるサビンラップ。洗車後のメッキ部品や樹脂パーツに手軽にスプレーして、濃厚なシリコーンゴム被膜の防錆&防汚効果を体感してほしい。
パーツ表面の水分を追い出す特殊シリコーン被膜。サビンラップがサビと汚れから愛車を守る
防錆力と耐久力に優れたシリコーンゴムの特性に着目し、水分と汚れを寄せ付けない被膜を形成するのが特長。クロームメッキ部品にスプレーして塗り広げることで、緻密な透明被膜によって光沢を維持したまま数ヶ月間の防錆効果を持続する。
また、カウルスクリーンやヘルメットのシールドに使用すれば強力な撥水性を発揮する。
サビンラップ施工時は事前の洗車が重要
サビンラップにクリーナー成分が入っていないので、塗装前の洗車は必須。クロームメッキフェンダーの表面やスクリーンに使用する際は、スプレー後にウエスで拭き取るため、汚れやホコリは傷の原因となる。
土や泥汚れの洗浄に適しているのが、BAN-ZIが現在開発中のMUD MAX(マッドマックス)。原液はpH13の強アルカリ性で、汚れの程度に応じて希釈して使用する。泥汚れは一般的に酸性に属し、アルカリ洗浄液との相性が良いのだ。
アルカリ性が強いと、金属と反応して変色や粉吹きなどの悪影響をもたらすが、MUDMAXは金属への攻撃を抑えながらアルカリ洗浄剤の利点を引き出している。重度な汚れは2〜5倍、泥汚れには6〜20倍、軽度な汚れは50〜100倍に希釈する。
フェンダー裏側は厚めに塗って防汚効果を発揮
ホームセンターの安価なシリコーンスプレーの中には、塗布面が塗れたかどうか分からないような製品もあるが、サビンラップは重いシリコーンゴム成分がこってり厚めに塗着する。塗った感を感じさせたくない表側に使用する際はクロスでの拭き取りが前提となるが、裏面なら吹きっぱなしでも良い。
クロスを使うのも塗りムラをならす程度で、シリコーンゴム固有のベタつきが残っていてもフェンダー裏なら気にならない。それよりも強力な撥水性や防汚効果のメリットが大きく、コンディションの悪いコースや雨のツーリングの後の洗車が明らかに楽になる。エンジン下部にスプレーするのも有効だ。
もっとも期待できるのがクロームメッキ部品の防錆効果
サビンラップで塗装した部分は滑りやすくなるため、タイヤやブレーキまわりへの付着を避けながらスポークホイールにスプレー。サビキラープロのようなサビ転換機能はないので、すでにサビが発生している場合は除去してからスプレーする。タイヤはNGだがフォークブーツの劣化防止には有効。
ここではスポークホイールのクロームメッキをサンプルに塗装しているが、防錆効果は長期放置で白いアルミサビが発生することがある切削加工されたキャストホイールにも有効だ。また塗装仕様のキャストホイールでも、ブレーキパッドダストやチェーンルブによる汚れが落ちやすくなるメリットがある。なお、ブレーキディスクに付着しないように養生してからスプレーしよう。
シリコーンゴム塗膜は乾燥すると白く濁って見えるので、目に付く部分にスプレーした場合はウェット状態の間にクロスで塗り広げる。ベタつき感がなくなるまで擦ってもシリコーンゴム成分は残っているので、撥水防錆効果は持続する。クロームメッキの光沢がアップするのも嬉しいポイントだ。
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