![[バイクDIYメンテ用品レビュー] サビンラップ:サビ防止だけでなく汚れ防止で洗車が楽に](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
本記事では、透明なシリコーンゴム被膜で金属部分をコーティングすることで、水分との接触を防ぎサビを防止する「サビキラー・サビンラップスプレー」をレビューする。その撥水性や防汚性の高さから、オフロードモデルの泥汚れ付着防止にも有効なことをご存じだろうか?
●文/写真:栗田晃(モトメカニック編集部) ●外部リンク:株式会社BAN-ZI
メッキや鉄部品の防錆はもちろん、樹脂部品の防汚にも有効なサビンラップ
パーツ表面のサビを除去するサビトルキラーや、サビの上から直接塗って赤サビを転換して進行を食い止める水性塗料のサビキラープロなど、発生したサビに対抗する製品を開発してきたBAN‐ZI。同社にとって「サビキラー サビンラップスプレー」は異色の商品である。何より特徴的なのは“サビを予防する”機能だ。
「サビがあるからBAN‐ZI製品の活躍の場があるというのに、サビをなくしてどうするの!?」と違和感を覚えるかもしれないが、もちろんユーザーにとってはサビを予防できるに越したことはない。
サビを防ぐ=金属と水分の接触を断つにはいくつかの方法があるが、BAN‐ZIが選んだのは、特殊シリコーンゴム塗料によるコーティング。
スプレータイプのサビンラップは、一般的なシリコーンスプレーと比べてゴムの質感が強く、明らかに塗膜が厚い。
この塗膜は塗りっぱなしではべたつくため、スプレー後はウエスで塗り広げるのがベターだが、フェンダーの裏側などにはあえて厚塗りすることで、跳ね上げた雨水や泥汚れの付着を防止、つまり防汚効果が期待できる。これは泥だらけのモトクロスコースのような特殊な状況だけでなく、トレールモデルで林道を交えたツーリングを行う際にも有効だ。
フェンダーの裏側なら厚塗りのベタつきも気にならないし、約200℃の耐熱温度があるので、サイレンサーの裏側にスプレーしても影響はない。
もちろん、クロームメッキパーツの表面にスプレーしてウエスで拭き取るだけで数ヶ月の防錆効果が得られる手軽さは、旧車や絶版車ユーザーが見逃せない重要なポイント。
この場合でもシリコーンゴム被膜による撥水効果があるので、雨天走行時に汚れにくいのは大きなメリットとなる。ただし塗装されたボディ用ではないという点だけは注意が必要だ。
「サビを予防する」「サビ取り後の再発を防止する」「汚れを防ぐ」という3つの働きがあるサビンラップ。洗車後のメッキ部品や樹脂パーツに手軽にスプレーして、濃厚なシリコーンゴム被膜の防錆&防汚効果を体感してほしい。
パーツ表面の水分を追い出す特殊シリコーン被膜。サビンラップがサビと汚れから愛車を守る
防錆力と耐久力に優れたシリコーンゴムの特性に着目し、水分と汚れを寄せ付けない被膜を形成するのが特長。クロームメッキ部品にスプレーして塗り広げることで、緻密な透明被膜によって光沢を維持したまま数ヶ月間の防錆効果を持続する。
また、カウルスクリーンやヘルメットのシールドに使用すれば強力な撥水性を発揮する。
サビンラップ施工時は事前の洗車が重要
サビンラップにクリーナー成分が入っていないので、塗装前の洗車は必須。クロームメッキフェンダーの表面やスクリーンに使用する際は、スプレー後にウエスで拭き取るため、汚れやホコリは傷の原因となる。
土や泥汚れの洗浄に適しているのが、BAN-ZIが現在開発中のMUD MAX(マッドマックス)。原液はpH13の強アルカリ性で、汚れの程度に応じて希釈して使用する。泥汚れは一般的に酸性に属し、アルカリ洗浄液との相性が良いのだ。
アルカリ性が強いと、金属と反応して変色や粉吹きなどの悪影響をもたらすが、MUDMAXは金属への攻撃を抑えながらアルカリ洗浄剤の利点を引き出している。重度な汚れは2〜5倍、泥汚れには6〜20倍、軽度な汚れは50〜100倍に希釈する。
フェンダー裏側は厚めに塗って防汚効果を発揮
ホームセンターの安価なシリコーンスプレーの中には、塗布面が塗れたかどうか分からないような製品もあるが、サビンラップは重いシリコーンゴム成分がこってり厚めに塗着する。塗った感を感じさせたくない表側に使用する際はクロスでの拭き取りが前提となるが、裏面なら吹きっぱなしでも良い。
クロスを使うのも塗りムラをならす程度で、シリコーンゴム固有のベタつきが残っていてもフェンダー裏なら気にならない。それよりも強力な撥水性や防汚効果のメリットが大きく、コンディションの悪いコースや雨のツーリングの後の洗車が明らかに楽になる。エンジン下部にスプレーするのも有効だ。
もっとも期待できるのがクロームメッキ部品の防錆効果
サビンラップで塗装した部分は滑りやすくなるため、タイヤやブレーキまわりへの付着を避けながらスポークホイールにスプレー。サビキラープロのようなサビ転換機能はないので、すでにサビが発生している場合は除去してからスプレーする。タイヤはNGだがフォークブーツの劣化防止には有効。
ここではスポークホイールのクロームメッキをサンプルに塗装しているが、防錆効果は長期放置で白いアルミサビが発生することがある切削加工されたキャストホイールにも有効だ。また塗装仕様のキャストホイールでも、ブレーキパッドダストやチェーンルブによる汚れが落ちやすくなるメリットがある。なお、ブレーキディスクに付着しないように養生してからスプレーしよう。
シリコーンゴム塗膜は乾燥すると白く濁って見えるので、目に付く部分にスプレーした場合はウェット状態の間にクロスで塗り広げる。ベタつき感がなくなるまで擦ってもシリコーンゴム成分は残っているので、撥水防錆効果は持続する。クロームメッキの光沢がアップするのも嬉しいポイントだ。
あなたにおすすめの関連記事
塗装面に強固に密着して、サスペンションのサビ予防にも効果的 スポークホイールの鉄製スポークやフロントフォークのインナーチューブ、クロームメッキ仕上げの鉄製フェンダーの裏側は、経年変化で錆びやすいパーツ[…]
汚れ落ちの良さと使いやすさを両立。オイルやグリス泥汚れに効果抜群 鉄の赤サビの上から塗れば赤サビが黒サビに転換し、塗装もできるサビキラープロにより、サビ対策の概念は一変した。ワイヤーブラシやホイールカ[…]
透明シリコーンゴムで強力防錆。樹脂にも使えるサビンラップ 金属パーツをサビから守るには、水分を近づけないのが最善だが、屋外で使用するバイクやクルマはそうもいかない。ワックスやコーティングは、美観向上に[…]
タンク内部や塗装のサビはサビキラーシリーズで強力除去 サビの上から直接塗れる塗料、サビキラープロを開発したBAN-ZIが、徹底的にサビを研究することで誕生したサビ取りケミカルが「サビトルキラー」と「サ[…]
手軽に使えるサビキラープロ。ヤレ感を生かした絶版車ケアに最適 バイクユーザーにとって、サビとの対決は永遠のテーマ。特に交換用部品が簡単に手に入らない絶版車には常に悩みのタネとなる。 ケミカルやサンドブ[…]
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
モトメカニックの最新記事
熱膨張率の均一化によって様々なアドバンテージがある 2ストローク/4ストロークエンジンを問わず、エンジン性能を向上するためには様々な課題や問題がある。特に大きな課題は、“熱膨張率”に関わる問題だ。 「[…]
クニペックス製と瓜二つ!? アストロプロダクツの新製品「プライヤーレンチ」 ボルトやナットの2面を隙間なく掴める、平行に移動するジョー、グリップを握る力が増力される独自のジョイント構造、全長に対して著[…]
ドロ汚れだけではなく油汚れにも効果てきめん。分解前には周囲の汚れ落としが基本 台風被害による河川越水時にエンジン腰下まで水没したカワサキW1‐SA。その後、放置期間がしばらく続いたが、嫁ぎ先が決まった[…]
ガソリンタンク内部は処方前に現状把握から 今回登場するカワサキエリミネーター250は、モトメカニック編集部の友人が所有する車両だ。ガソリンがオーバーフローするため、その相談で編集部ガレージに持ち込まれ[…]
ユニバーサルソケット:手が届かないボルトやナットもナットグリップ機構でホールド スチールボールによるフリクションでボルトやナットをホールドするコーケン独自のナットグリップソケットと、ユニバーサルジョイ[…]
最新の関連記事(オイル/ケミカル)
ドロ汚れだけではなく油汚れにも効果てきめん。分解前には周囲の汚れ落としが基本 台風被害による河川越水時にエンジン腰下まで水没したカワサキW1‐SA。その後、放置期間がしばらく続いたが、嫁ぎ先が決まった[…]
ガソリンタンク内部は処方前に現状把握から 今回登場するカワサキエリミネーター250は、モトメカニック編集部の友人が所有する車両だ。ガソリンがオーバーフローするため、その相談で編集部ガレージに持ち込まれ[…]
論より証拠! 試して実感、その効果!! みなさんは“ガソリン添加剤”を使用したことがありますか? 「メリットあるの?」、「効果はわかるものなの?」などの疑問から、手を出したことがないという方も多いので[…]
シュアラスターの「バイク洗車図鑑」 バイクが違えば洗い方も変わる! 車種別の洗車情報をお届けするシュアラスターの「バイク洗車図鑑」、今回は2025年4月に発売されたばかり、ヤマハの新型「YZF-R25[…]
バイクオイル交換とは? エンジンオイルの役割 バイクのオイル交換とは、エンジン内部の潤滑や冷却、清浄などを担うエンジンオイルを新しいものに入れ替える作業です。 エンジン(内燃機)内部は精密パーツが高速[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
熱膨張率の均一化によって様々なアドバンテージがある 2ストローク/4ストロークエンジンを問わず、エンジン性能を向上するためには様々な課題や問題がある。特に大きな課題は、“熱膨張率”に関わる問題だ。 「[…]
「消えないブレーキランプ」は他人ごとじゃない 街中をバイクで走っていたところ、前を行くスクーターのブレーキランプがなんか明るいな~と思ったら、どうやら点灯しっぱなしになってるぽかったのですよ。 毎度乗[…]
クニペックス製と瓜二つ!? アストロプロダクツの新製品「プライヤーレンチ」 ボルトやナットの2面を隙間なく掴める、平行に移動するジョー、グリップを握る力が増力される独自のジョイント構造、全長に対して著[…]
軽量で取り扱いやすく、初心者にもピッタリ 「UNIT スイングアームリフトスタンド」は、片手でも扱いやすい約767gという軽さが魅力です。使用後は折りたたんでコンパクトに収納できるため、ガレージのスペ[…]
ドロ汚れだけではなく油汚れにも効果てきめん。分解前には周囲の汚れ落としが基本 台風被害による河川越水時にエンジン腰下まで水没したカワサキW1‐SA。その後、放置期間がしばらく続いたが、嫁ぎ先が決まった[…]
人気記事ランキング(全体)
発売当初のデザインをそのままに、素材などは現在のものを使用 1975年に大阪で創業したモンベル。最初の商品は、なんとスーパーマーケットのショッピングバックだった。翌年にスリーピングバッグを開発し、モン[…]
軽量で取り扱いやすく、初心者にもピッタリ 「UNIT スイングアームリフトスタンド」は、片手でも扱いやすい約767gという軽さが魅力です。使用後は折りたたんでコンパクトに収納できるため、ガレージのスペ[…]
まるで自衛隊用?! アースカラーのボディにブラックアウトしたエンジン&フレームまわり 北米などで先行発表されていたカワサキのブランニューモデル「KLX230 DF」が国内導入されると正式発表された。車[…]
LEDのメリット「長寿命、省電力、コンパクト化が可能」 バイクやクルマといったモビリティに限らず、家庭で利用する照明器具や信号機といった身近な電気製品まで、光を発する機能部分にはLEDを使うのが当たり[…]
コンパクトな車体に味わいのエンジンを搭載 カワサキのレトロモデル「W230」と「メグロS1」が2026年モデルに更新される。W230はカラー&グラフィックに変更を受け、さらに前後フェンダーをメッキ仕様[…]
最新の投稿記事(全体)
ローライダーS/STユーザーに朗報 小ぶりでスタイリッシュな仕上がりのシートが、TRIJYAにて受注生産スタートとなった。 足着き性に優れるのはもちろん、日本人の体型にジャストフィットするライディング[…]
メーカーメイドのカフェレーサー ’74年末から発売が始まったCB400フォア、通称ヨンフォアは、’60~’70年代に世界中でブームとなった、カフェレーサーを抜きにして語れないモデルである。カフェレーサ[…]
FXBBストリートボブ:ウィリーGが手がけたストレッチダイヤモンド 拳を突き上げて乗るワイルドなライディングポジションを決定づけるミニエイプバーをはじめ、小ぶりなヘッドライト/スリムな燃料タンク/ショ[…]
竹繊維を配合した柔らかく軽量なプロテクターシリーズ 「お気に入りのジャケットを、もっと涼しく、もっと快適にしたい」、そんなライダーの願いを叶えるアップグレードパーツ「バンブーエアスループロテクター」シ[…]
対策意識の希薄化に警鐘を鳴らしたい 24年前、当時、編集長をしていたBiG MACHINE誌で「盗難対策」の大特集をしました。 この特集号をきっかけに盗難対策が大きな課題に そして、この大盗難特集号は[…]
- 1
- 2