![[バイクDIYメンテ] ボロボロだった絶版車のシートをNTB補修表皮で再生!〈ホンダGB250クラブマンMC10〉](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
経年劣化で縫製部分がほつれ、そこから表皮が破けてスポンジアンコが丸見えになっていた初期型ホンダGB250クラブマン。初期型特有の前後2分割シートは、なんとフロントが樹脂ボトムでリヤは鉄板サメ歯固定の旧式ボトムだった。NTBの「オートパーツサーチ」で検索したところ、初期型用のシート表皮が用意されていたので、それを利用して張り替えを行った。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:丸中洋行
初期型クラブマンは前後分割シート。ボトムは樹脂と鉄!!
シート表皮が破れ、しかも露天保管だったのか、フロントシートのアンコは雨水で水分だらけだった。それでもアンコ崩れがなかったのは不幸中の幸いだったと言える。
シート表皮の交換作業開始
旧シート表皮を剥がしてコンディション確認すると、水分の影響でシートボトム×スポンジアンコの接着は完全剥離していた。このボトムとアンコはしっかり固定したい。
シートアンコは風通しが良い日陰に半日以上干して、完全乾燥することができた。ボトムは洗剤×ブラシでしっかり洗い、乾燥させたらシートアンコを接着固定する。
乾燥したシートアンコの底部分とシートボトムの固定面に接着剤G17を塗布して伸ばし、双方の接着剤をヘアードライヤーで乾燥させる。乾燥して接着力が増すG17。
ひっくり返したスポンジアンコの上にシートボトムを重ね合わせるように接着固定する。ボンドG17のようなゴム系接着剤は、双方が乾燥することでビシッと接着できる。
アンコとボトムがズレやすい時には、双方にマジックインキで合いマークを入れておくと良い。接着したら薄いビニールでアンコ全体を覆うように巻き付けて固定する。
スポンジアンコを覆ったビニールシートは、シートボトムへマスキングテープで固定すると良い。このビニールがスポンジアンコへの雨水の浸水を防ぐ役割を果たす。
作業がしやすいようにと、NTB製のシート表皮のリヤ側にセンターラインが入っている。フロントシートのリヤ側を基準に前へ向かって徐々に貼り込んでみた。作業前のボトムに中心線を記しておこう。
フロント側のステッチラインも合わせようと努力したが、スポンジアンコが経年変化で痩せていて張りが少なく、位置を合わせてもシワが取れなかった。これは残念。使用したエアタッカーもNTB製。ステップル(針)/スポンジ/ボンドなどの補修部品もラインナップしている。
リヤ側基準でシート表皮全体をヘアードライヤーでしっかり温め、前側へシート表皮を引っ張って伸ばしながらタッカーで仮固定を行っていく。理想はスポンジの肉増しですね。
シート表皮をしっかり温めながらボトムへ巻き込みタッカーで仮固定。前後左右のバランスを見ながら、表皮を温め可能なかぎりシートを引っ張りつつ固定していく。
スポンジアンコが経年劣化で痩せていたので、今ひとつエッジがシャープに出なかった。薄目のスポンジシートを上面に敷いて側面と合わせて削れば、より良い仕上がりに!?
初期型GB クラブマンは前後シートがセパレート設計で、リヤシートのボトムは旧タイプの鉄板仕様。通称サメ歯は生きていたので再利用。折れそうなときにはハンダ補強だ。
シート表皮を剥がしてスポンジアンコを半日干してから作業開始。まずは薄いビニールシートで、スポンジアンコ全体を包むように防水カバーを取り付ける。紙テープで固定。
防水用ビニールは、シート表皮を固定するサメ歯を突き抜けて引っかけつつマスキングテープで固定した。こうすることで安定的に防水処理を施せるようになる。
リヤシートはフロント側の縫製ラインがスポンジアンコの角へ来るようにセットして仮り張り込みを進めていく。前側基準でリヤ側へ引っ張るように張り込んでいった。
やはりシート表皮のシワが気になってしまうので、平らなシートだが表皮をヘアードライヤーでしっかり温めて、張り込み作業を再開。手のひらでグイグイ巻き込んでいく。
サメ歯へ突き刺し固定なので、仮固定箇所によっては表皮が切れやすくなってしまう可能性もある。表皮を温めて伸ばしたら、一気に引っ張って仮固定してしまおう。
サメ歯へ仮固定する時には、完全にサメ歯を押しつぶしてしまうのではなく、角度にして30度程度は残しておくように心かけよう。使いやすい工具の面で押し込もう。
おおよそ張り込んだら、表皮を全体的にヘアードライヤーで再度温めよう。伸ばせる部分はグイッと伸ばして、シワが寄らないように巻き込んでサメ歯を完全に押し込む。
経年劣化で痩せていたスポンジの形状をしっかり修正してから貼り込むことで、もっともっと出来栄えが良い張り込み作業ができたと反省。それでも必要十分な仕上がりだ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
モトメカニックの最新記事
ユーザーからのリクエストで開発! ホイールの鉄粉をスプレーひと吹きで溶解 バイク/クルマを問わず、ディスクブレーキでもドラムブレーキでも発生するブレーキダスト。制動時にブレーキローターやブレーキドラム[…]
燃料キット開発時は現物確認と現物採寸が大前提 キースターでは、原付からオーバー1000ccモデルまで、500車種以上のキャブレターに対応した燃調キットを開発してきました。現在でもコンスタントに新製品を[…]
ガレージで眠っているマシンを引っ張りだそう! 今後の展開も期待されるポテンシャルの高さが魅力 コンストラクターの手によるオリジナルフレームを用いたシングル&ツインレースが流行した1990年代、オーヴァ[…]
赤サビの上から直接塗って黒サビに転換。愛車を守るBAN-ZIのラストロックシステム 【RUSTLOCK(サビ転換下処理剤)サビキラープロ】赤サビの上から直接塗ることで黒サビに変化する転換剤機能と、上塗[…]
熱膨張率の均一化によって様々なアドバンテージがある 2ストローク/4ストロークエンジンを問わず、エンジン性能を向上するためには様々な課題や問題がある。特に大きな課題は、“熱膨張率”に関わる問題だ。 「[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
シュアラスターの「バイク洗車図鑑」 バイクが違えば洗い方も変わる! 車種別の洗車情報をお届けするシュアラスターの「バイク洗車図鑑」 ストリートでもサーキットでも大活躍する高性能4気筒スーパースポーツ・[…]
ユーザーからのリクエストで開発! ホイールの鉄粉をスプレーひと吹きで溶解 バイク/クルマを問わず、ディスクブレーキでもドラムブレーキでも発生するブレーキダスト。制動時にブレーキローターやブレーキドラム[…]
バイクいじりで手が真っ黒、そんな時どうしてる? バイクいじりにつきものの、手の汚れ。 特に、チェーンのメンテナンスやオイル交換など、油を使った作業となるとタチが悪い。 ニトリル手袋やメカニックグローブ[…]
タイヤの内圧規定ってなんだ? 今シーズン、MotoGPクラスでたびたび話題になっているタイヤの「内圧規定」。MotoGPをTV観戦しているファンの方なら、この言葉を耳にしたことがあるでしょう。 ときに[…]
シュアラスターの「バイク洗車図鑑」 バイクが違えば洗い方も変わる! 車種別の洗車情報をお届けするシュアラスターの「バイク洗車図鑑」、今回はホンダCL250を洗車します。 洗車ポイントは“黒い部分をしっ[…]
人気記事ランキング(全体)
2ストGPマシン開発を決断、その僅か9ヶ月後にプロトは走り出した! ホンダは1967年に50cc、125cc、250cc、350cc、そして500ccクラスの5クラスでメーカータイトル全制覇の後、FI[…]
PROUDMEN. グルーミングシートクール 16枚入り×3個セット PROUDMEN.のグルーミングシートクールは、横250×縦200mmの大判サイズと保水力約190%のたっぷり液で1枚で全身を拭け[…]
取り付けから録画までスマートすぎるドライブレコーダー ドライブレコーダーを取り付ける際、ネックになるのが電源確保のための配線作業だ。バイクへの取り付けともなると、専門知識や工具、あるいは高めの工賃が必[…]
3つの冷却プレートで最大-25℃を実現 2025年最新モデルの「ペルチェベスト」は、半導体冷却システムを採用し、背中に冷たい缶ジュースを当てたような感覚をわずか1秒で体感できる画期的なウェアです。小型[…]
二輪史に輝く名機「Z1」 いまだ絶大なる人気を誇る「Z1」こと、1972年に発売された900super4。後世のビッグバイクのベンチマークとなる名機は、いかにして世に出たのか──。 1960年代、カワ[…]
最新の投稿記事(全体)
鈴鹿8耐ヤマハブース、歴代マシンと最新鋭機が共演! 2025年に創立70周年の節目を迎えたヤマハが、6年ぶりに鈴鹿8耐にファクトリー参戦を果たし、会場は大いに盛り上がった。ヤマハブースでは、今年の8耐[…]
世界中のビルダーがボンネビルをカスタム 今回開催されたバイクカスタムの世界規模コンペティションには、世界各地から8チームが参加。その中からファイナリストに選出されたのは、ブラジル、フランス、イタリア、[…]
KOMINE プロテクトフルメッシュジャケット ネオ JK-1623 フルメッシュで残暑厳しい秋口のツーリングでも快適さを保つジャケット。胸部・肩・肘・背中にプロテクターを標準装備し、高い安全性も両立[…]
71カ国で認められた気鋭のバイクブランド ゾンテスは、2003年に中国・広東省で設立された「広東大洋オートバイ科技有限公司」が展開するブランドだ。彼らは総投資額26億人民元、従業員3600名という巨大[…]
『鈴鹿8時間耐久ロードレース選手権』を初めて観戦した模様を動画に収録 この動画では、若月さんが鈴鹿サーキットの熱気に包まれながら初めて目の当たりにするロードレースの“速さ”や“迫力”に驚き、感動する姿[…]
- 1
- 2