
2012年に小判型ヘッドとして当時世界最多の90枚ギアを採用して大ヒットモデルとなった、KTCネプロスブランドのラチェットハンドルNBR390。それから10年、ベストセラーの先代をさらに進化させたNBR390Aが2022年に登場したのでその使用感をお伝えする。
●文/写真:モトメカニック編集部(栗田晃) ●外部リンク:京都機械工具
従来モデルに比べて明らかにスリムになったヘッド周り
ネプロスの新製品開発の最大のテーマとなったのは、コンパクト化と使いやすさの向上。狭い場所での使い勝手を左右するラチェットヘッドは全幅を4mm縮めて、ソケット差込部から先端部分までの突き出し量も削減した。ボリュームを抑えたヘッドに内蔵されるドライブギアには大胆な肉抜きを施し、握り心地の良さと軽量化を両立する伝統の中空グリップも肉抜きを見直すことで、従来品より10%の軽量化を達成。その結果、取り回しの良さと長時間にわたる作業時の疲労を軽減するという魅力を獲得した。
多ギア化に先鞭を付けた90枚ギアも、強度の鍵となるクロウ(回転方向を決める爪)を精密8段式として小型化しながら必要な強度を確保し、狭所でも快適なラチェット動作を実現している。
NBR390Aは一見するとキープコンセプトとも思われるかもしれないが、一度手にすればネプロスに対する意気込みと進化を実感できるはずだ。
【ネプロス 9.5sq.ラチェットハンドル NBR390A】全体のフォルムは先代のNBR390を踏襲しているため、それほどの目新しさはないものの、手に取れば明らかにコンパクなNBR390A。小判形ヘッドは90枚ギアを収めながら強度を確保するため、わずかな余肉も削り落とすように設計され、ソケットを差し込むドライブギアも大胆な肉抜きを行うことでギア単体で40%の軽量化を実現。実際に作業現場で活用するユーザーのリクエストに応えた、10年分の進化を実感できるラチェットハンドルである。●税別標準小売価格:1万2600円
ラチェットヘッドの最大幅が4mm狭くなったことで、ソケットをつまんで指で回す際の作業性も向上(画像は17mmソケット装着時)。幅だけでなく外周もコンパクトになり、狭い場所のアクセス性もアップしている。
従来品のNBR390と並べると、ヘッド幅4mmマイナスという数字以上にボリューム感の差異を感じられる。ヘッド根元からハンドルにつながるラインも見直され、“小顔”フォルムとなったNBR390A。グリップ重量のバランスも見直し、275g→245gも軽量化を実現。
※本記事は“モトメカニック”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
あなたにおすすめの関連記事
高圧洗浄で落としきれないフェンダー裏やホイールリムにも 「バイクウォッシュ」の液性は弱アルカリ性で、汚れた部分に水をかけた後にスプレーすることで、洗浄成分が科学的に汚れを分解し、界面活性剤が吸着して引[…]
倒立フォークとラジアルタイヤの足周りにもクロモリパイプフレームの許容度は充分 2021年11月のKAGURADUKIステージで、テイストオブツクバ・ハーキュリーズクラスに初参戦したオーヴァークラシック[…]
折りたたみコンテナ:あの部品はどこに入れたっけ…? そんな悩みを解決する側面開きが魅力 幅510×奥行325×高さ355mm、容量50Lの折りたたみコンテナは、四方の各側面がワンタッチで開閉できるのが[…]
販売終了が続く絶版車純正パーツ事情に一撃。純正を上回るクオリティを目指す バイクの燃料タンクは、プレスで成型されたパーツをつないで製造される。車体の中で重要度が増すほどデザインは複雑になり、素材や製法[…]
フラットヘッドニッパー:結束バンドの端部を美しく切断。フラット仕上げでケガの心配もナシ 通常のニッパーに比べて刃の表面を薄くフラットにすることで、切断面に出っ張りを残さず平らに仕上げられる、樹脂素材に[…]
人気記事ランキング(全体)
4つの冷却プレート&ペルチェ素子で最強の冷却力を実現 「ペルチェベスト」は、業界最先端の半導体冷却技術を採用し、前後4か所に冷却プレートを搭載した新発想の冷却ウェアです。小型冷蔵庫にも使われるペルチェ[…]
スーパーフォアをベースにシリンダー前傾角を変更、フレームも新設計した4本マフラーのトラディショナル感性! 1997年、ホンダは4本マフラーのCB400FOURをリリース。 すでに1992年からCB40[…]
350ccクラスの破壊者! 現地価格はハンター350やGB350よりも安い BSAモーターサイクルズが新型モデル2機種を発表した。ロンドン開催の国際発表会で公開されたのは、ティーザー展開されていた「バ[…]
RCBテクノロジーを継承し誕生したCB900F CB750FOURの登場から10年ライバル車の追撃から復権するためホンダが選択したのは耐久レース常勝のワークスマシンRCB1000の心臓を持ち既存のバイ[…]
CoolMax素材で快適な着用感を実現 「コミネ クールマックスRフルフェイスインナーマスク AK-090」は、暑い季節や激しい運動時でも皮膚の温度を33.3度に近づけてくれる快適吸汗/即乾素材「Co[…]
最新の記事
- スズキ「GSX-R1000 / R」復活!! エンジンと電子制御を大幅改良しウイングも新装備、初代GSX-R750からの40周年を祝う
- アライ「ラパイドネオ ハブ ア バイクデイ」新登場! 人気カラーを手がけた加藤ノブキ氏によるデザイン第3弾
- 最新相場もわかる! 人気バイク歴代モデル図鑑:カワサキZ900【上級モデルSE復活の2025年モデル】
- CB1100R譲りのエンジンを持つ“エフ”の頂点! 最後の1年だけが舞台だった──俺達の“F”烈伝[1979-1983]
- 4年という短い生涯が伝説を生んだ「待望のナナエフが大ヒット!」俺達の“F”烈伝[1979-1983]
- 1
- 2