
ワールドインポートツールズ(WIT)で大ヒットを記録している、ガレージにあると便利な工具を6種紹介する。たとえばプライヤー。専門老舗ブランド・クニペックスが今までに製品化していなかったのが、スリップジョイントプライヤーだ。主に日本とアメリカ市場のリクエストに応えて、同社で初めて誕生。ピボットの剛性と精度の高いアゴ部分により快適な使い心地を発揮する。他にもバーコのモンキーレンチやマタドールのセット工具など、同店がおすすめする理由も含めて紹介しよう。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:ワールドインポートツールズ横浜
クニペックス:ストレートタイプのプライヤーは初の試みにして大ヒット
グリップを開いて長穴をずらして開口幅を調整するプライヤーと異なり、クニペックスはウォーターポンププライヤーのコブラのようなプッシュボタン式ピボットを採用し、3枚合わせ構造とすることでひねり動作に対する剛性を確保しているのが大きな特長だ。
【クニペックス[KNIPEX] スリップジョイントプライヤーツイングリップ 8202-200SB】●販売価格:4620円
プッシュボタンにより開口幅が5段階に調整でき、アゴの正面にも溝が刻まれているので、ボルトやビスを正面から掴むこともできる。この際も3枚合わせのピボット構造のおかげでグリップと先端のねじれ感は皆無で、回転トルクをしっかり伝達できる印象だ。
側面の掴み部分の溝形状とデザインは独特で、コブラのような平行四辺形というより、一方の面が内側に反り出している印象。これにより、ボルトナットだけでなく平板を掴む際も3点支持となり、より強固に保持できる。
スナップオン:伝統のフランクドライブはボルトナット回しで強さを発揮
スリップジョイントプライヤーに馴染み深い日米の工具メーカーの中でも、特に積極的なのがスナップオン。新製品は、ボルトナットを回す際に角部を避けて接触する同社ならではの面接触=フランクドライブを採用したのが大きな特長だ。
【スナップオン[SNAP-ON] フランクジョースリップジョイントプライヤーHJ46ACF】 ●販売価格:7535円
特許を取得したリベット式スリップジョイントにより、独特のモーションで開閉する。グリップを閉じれば先端は揃うので、ボルトや部品をつまみ上げる動作に問題はない。
面接触の先駆けとなったスナップオン発祥のフランクドライブを採用するアゴ部は、左右のデザインがまったく異なる。ボルトを回す際は本体の矢印方向に回転トルクを加える。
バーコ:創業130周年限定モンキーレンチ&角部をなめたボルトも回せるパイプレンチ付きモデル
メガネレンチやソケットレンチがあれば出番はないが、いざという時にないと困るのがモンキーレンチ。開口幅を任意に調整できるが遊びが出るというネガティブな印象は、バーコ製品を使えば一掃されるだろう。全長に対して開口幅が大きいのもバーコの特長だ。
【バーコ[BAHCO] アジャスタブルレンチ ブラック仕上げ8031 130周年モデル(上)/アジャスタブルジョー付きレンチ ブラック仕上げ31-T(下)】●販売価格:4708円/4378円
8031(右)は全長220mmに対して最大開口幅38mmで、創業130年を記念したロゴを採用。31-Tはジョーの厚みが4.5mmと薄くダブルナットのロック時に最適。
31-Tの後端にはサメの歯のような突起付きのパイプフィッティングがあり、棒やパイプはもちろん、角が丸まったボルトやナットも回すことができる。
マタドール:使用頻度高めのアイテムをコンパクトな樹脂ケースに納めたセット工具
1900年にドイツで創業したマタドール社は、ラチェットハンドルの老舗ブランドとしてヨーロッパで高い知名度を誇る。そのラチェット工具を中心としたアイテムを樹脂ケースに収めたセット工具は、持ち運びや車載工具として魅力的な内容だ。
モンキーレンチが入ったセットがNo.81453115(差込角3/8)。ビットが豊富なセットがNo.81452110(差込角1/4)。ケースサイズは同一。差込角1/4にはプライヤー入りのセットもある。
【マタドール[MATADOR] 81453115(3/8SQ)ソケットレンチセット25PCS(左)/81452110(1/4SQ)ソケットレンチセット52PCS(右)】●販売価格:2万5696円/1万6104円
90ギヤのラチェットハンドルのグリップには、高所作業時の落下防止用ストラップが付属する。
ソケットは6~22mmまで1mm刻みで用意されている。16mmや18mmがあるのがヨーロッパ製工具ならでは。
81453115セットのモンキーレンチは、ボルトナットを掴む面が平行ではなく、黒く見えるローラー状の部分が面接触&早回し作業時に機能する。
ボッシュなどでも採用しているL-BOXは、重ね合わせてロックすれば複数の箱を連結して持ち運びできる。箱のサイズは幅206×奥行156×高さ63mm。
シグネット:ステンレス製インサートコイルでリカバリー。ドイツ生まれの雌ネジ補修アイテム
シグネットの雌ネジ修正ツール。ステンレス製のインサートコイルで新たな雌ネジを作るアイテムとしてはオーストラリアのリコイルが有名だが、こちらはドイツ製。コイルのほか、下穴用ドリル/専用タップ/挿入工具など必要なアイテムがすべてセットされている。
【シグネット[SIGNET] Vコイルスレッドリペアキット】●販売価格:(M4-0.7×1.5DNS 47475)6116円/(M5-0.8×1.5DNS 47476)6116円/(M6-1.0×1.5DNS 47477)6600円
サイズのラインナップはM2-0.4/M3-0.5/M4-0.7/M5-0.8/M6-1.0/M8-1.25/M10-1.5/M12-1.75の8種類。コイルの長さは全サイズ1.5D=ネジ径の1.5倍。各サイズとも補充用のコイル単体も用意されている。
WIT:こじる/ずらす/開く作業に便利なプライバーは、作業条件に応じて先端角度を変えられるのがミソ
ガスケットが張りついてパーツが剥がれない/隙間をこじ開けたい/オイルシールを抜きたいといった時に、マイナスドライバーに代わって使いたいのがプライバー。ここで紹介する2タイプは先端の角度を調整できるので、テコの原理でより大きな力を加えられる。
【WIT フレックスプライバーS(上)/伸縮式フレックスプライバーM(下)】●販売価格:3520円/6380円
床の重い荷物を持ち上げて“かまし”を入れたい時、先端を曲げることでハンドルに力を入れやすくなり、さらにテコの容量で隙間を大きくできる。
伸縮式フレックスプライバーMは12段階の調整機能により335~475mmとなり、こじる/開く/外すなどの作業に応じて先端角度を14段階で設定できる。
※本記事は“モトメカニック”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
あなたにおすすめの関連記事
消耗/補修部品分野で純正部品と同等の性能を持つ、NTBの「規格部品」 「エンジンオイルは潤滑油であるとともに機能パーツのひとつでもある」といわれるのと同様に、フロントフォークのフォークオイルにもにもサ[…]
「水性だからサビと反応しやすい」という驚きの発想! 空気と水があるかぎり、物質の酸化は避けられない。金属の場合は酸化=サビとなる。塗装やメッキといった表面処理を施しても、年月が経過することで素材表面で[…]
オークションで購入した格安中古車のステムベアリングをチェック 「ノークレーム/ノーリターンの現状販売」という条件で購入したという格安中古車・カワサキ バリオス。 以前の記事で、[1]丸中洋行が販売する[…]
GBミーティング主催者はSNSを通じてGB仲間をスカウト ほどよいスポーティさを持つシングルを求め、ジレラ サトゥルノと迷ってGBを選んだIさん。ちなみにSRはモダンすぎて却下となったそう。アストライ[…]
グレー系のシックなカラーリングに注目!! デイトナは「MCガレージ ベーシック」の限定仕様として、ステンレス製の創業50周年記念プレートが付属した2タイプを発売した。いずれも限定数は50(2022年1[…]
人気記事ランキング(全体)
突然の交通取り締まり! 違反をしていないときでも… 交通ルールを守って安全運転に努めているのに、とつぜん取り締まり中の警察官に止められてしまった経験がある方は多いはずです。 「え? なにか違反した?」[…]
ビッグ・ホーネットの派生で待望のネオクラが来る! ホンダが2025年モデルとして「CB1000」という名称のバイクを登場させる。本誌が掴んだ最新情報である。……が、事情通の方なら既報のビッグ・ホーネッ[…]
ホーネット(250)はなぜ大型バイク並の極太タイヤを採用したのか? CBR250RRをルーツとする250cc4気筒エンジンを搭載し、1996年2月に発売されたネイキッドモデル・ホーネット。2007年に[…]
Snap-on(スナップオン):世界初のソケット工具を開発 1本のハンドルにソケットをかわるがわる取り付けられる構造。現在のソケットレンチを発明した創業者によって、1920年にアメリカで設立されたスナ[…]
車名の後ろに排気量の数字が入るのは欧州仕様が初めて カワサキは、北米やインドネシアに続き、欧州でも451cc版エリミネーターを発表した。正式名称は「エリミネーター500」「エリミネーター500 SE」[…]
最新の記事
- 地域のグルメや特産品が大集合! 北海道ハイウェイShowArea2023in輪厚PAが9/23・24に開催
- 気鋭のアーティストによるデジタル空間演出! 「北海道ハイウェイ Show Area 2023 in 輪厚PA」で開催
- エリミネーター500/SE だとぉ?! 欧州版はA2免許対応の45ps仕様で低回転トルク重視だ!
- クシタニがストア限定の新作革小物アイテムを発売! 大阪・南海なんば駅南に新店舗もオープン
- スズキが「Vストロームミーティング2023」の開催概要を発表! 11月12日は浜松市のスズキ本社に集まれ~!
- 1
- 2