
バイクブーム真っ只中の1985年、ホンダから発売されたテイストフルなシングルが「GB400/500TT」だった。ヤマハSR400/500やSRX400/600 に比べると短命で影が薄い印象もあるが、ホンダが得意とするRFVCエンジンをマッシブなボディに搭載したスタイルに惚れ込んだオーナーは少なくない。ここでは一人のGB好きの呼びかけで、鈴鹿ツインサーキットで開催されている走行会「アストライド」のパドックに集まった5台のこだわりを紹介しよう。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:MotoJoy
GBミーティング主催者はSNSを通じてGB仲間をスカウト
ほどよいスポーティさを持つシングルを求め、ジレラ サトゥルノと迷ってGBを選んだIさん。ちなみにSRはモダンすぎて却下となったそう。アストライドは初回から参加し、インスタグラムへの投稿を通じて他のGBオーナーともつながり、アストライドへの誘致を積極的に行うことで5台のGBが集結。パドックにマシンを並べ、一緒にコースを走行できたのは感激だったそうだ。
【HONDA GB500】●ライダー:S.I.
2015年に購入して以来、当時のメーカーやデザイナーが作ったスタイルやコンセプトを大きく変えることなく、サーキット走行を楽しむ上で必要な部分をモディファイするのがIさんのポリシー。マフラーはインターネットで検索した海外ブランド品を輸入。タイヤはコンチネンタル クラシックアタックを装着。
セパレートハンドル対応のタンク加工が見事。随所にDIY精神溢れるクラシック風
キャストホイールのGB250クラブマンや、オンロード仕様に改造したSL250SでアストライドにエントリーするHさんは、Iさんの強い誘いもあって半年がかりでレーサーを製作。セパレートハンドルをクリアするためにえぐられた特徴的なタンクは、純正タンクをハンマーで叩いた力作!!「最初の1個はダメにしちゃいましたし、実はパテだらけですよ」と言うが、ゼッケンからシートエンドまで流れるようなラインを描いている。
【HONDA GB400】●ライダー:N.H.
「乾式クラッチみたいに見えるでしょ」というクリアカバーや、穴開けされたリアブレーキパネル/ショートタイプのメガホンマフラーなど、丁寧な仕事ぶりが光るHさんのマシン。汎用部品を組み合わせた油圧クラッチは「セパハンでケーブルが屈曲して重くなったから」とのこと。
GBひと筋25年以上の超マニア。マットペイントでシックな仕上がり
ロッカーズスタイルに憧れ、初めて手に入れたバイクがGB400だったTさん。現在はバイクの業販や卸売を行うKLFの代表を務めながら、25年以上に渡ってGB400/500との生活を続けている。RFVCエンジン搭載車は必ず手に入れると決めて、GBやXRなど一時は数十台というコレクションになったという。「タンクからシートに流れるラインは最高だと思います」と、今もGB に惚れ込む。
【HONDA GB500TT】●ライダー:A.T.
地元の峠から岡山TIサーキットのシングルレースまで、GBで走り続ける中でモディファイやチューニングを繰り返し、自身もシングルに特化したライダーになったというTさん。手持ちの部品で組み立てたマシンは、ガレージ48製ワンオフメーターステーやマットペイントで質感の高い仕上がりに。
“オバQ”カウルは外せない! GB用オリジナルパーツも開発中
「GBの中でもMk2が好きです」というTさんは、岐阜県各務原市でアルミ加工を得意とするガレージ48を経営。ゴムがカチカチに硬化する純正部品に代わるショートタイプのアルミ製キャブレターインシュレーターや、ドライサンプ用オイルタンク/Mk2用カウルステーなどオリジナルパーツを開発中。
【HONDA GB500TT】●ライダー:K.T.
Mk2用カウルは一部で「オバQカウル(!?)」と呼ばれているらしく、エントリー名もチームOBQとこだわる。この日はオリジナルインシュレーターやレデューサーバルブ内蔵オイルタンクのテストを兼ねており、首尾は上々だったようだ。上記パーツ以外にもブレーキやフルエキゾーストの開発も予定しているとのことなので、GBオーナーは期待しよう。
かつての選手権ライダーは、GBでサーキットにリターン
若かりし頃、岡山県中山サーキットでTZ125を駆ってGP125クラスに参戦していたSさん。それから家庭を持ち、子育て優先の日々を過ごす中でバイクから離れ、リターンの際に選んだのがGB500だった。ちょうど良い出物があったという理由だったが、乗り始めると昔の血が騒ぎ、吸排気系と足まわりを中心にチューニング。今回は模擬レースAクラスで見事優勝を獲得!!
【HONDA GB500】●ライダー:T.S.
走りへのこだわりから、絶版車レーサー御用達のラジアルタイヤ=コンチネンタルクラシックアタックをチョイス。フロントフォークはプリロードアジャスターを追加して、リアショックはオーリンズに変更。キャブレターもFCRを装着して、見た目はあっさりだが、実はやる気高め仕様。
※本記事は“モトメカニック”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
あなたにおすすめの関連記事
“とことん整備”が魅力の絶版車販売 「“Z1の代わり”というより、これが欲しいという方が多いです」と米倉マネージャーが語るように、20代のライダーにも人気が高いゼファー750。販売前にエンジン本体/サ[…]
ラチェットやソケットが小さくなるほど、使い勝手の良さが分かるクイックスピンナー コーケン製クイックスピンナーは、スピンディスク(ローレットが刻まれた円盤外周)の仕上げが丁寧で、素手の指先で回しても当た[…]
レーサーレプリカ由来の高回転型エンジンはエンジンオイルのメンテナンスが重要 率直に言えば、中古車で“安くて良い物”はよほどの奇跡でもないかぎりあり得ない。『モトメカニック』読者のようなサンデーメカニッ[…]
ツイストソケット:螺旋状の刃が食い込む。ラチェット/メガネのどちらでも使える 六角部がなめたボルトやナットはもちろん、十字穴が潰れたナベ小ネジを緩める際にも使えるツイストソケットは、螺旋形状の刃がボル[…]
パウディーシステムライン:金属部品に電気的に付着させるパウダーコーティングの連続作業が可能に 焼付塗料の乾燥器やパウダーコーティング用のコロナガンなど、従来であれば工業系ユーザーをターゲットとしていた[…]
人気記事ランキング(全体)
ヤマハ RZV500R「2ストV4エンジン搭載で衝撃のデビューを果たしたYZR500レプリカモデル」 ライトウエイトピュアスポーツからレーサーレプリカへの橋渡しであり、起点とも言えたヤマハ RZ250[…]
126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccクラス(軽二輪)のスクーターを運転できるのは「AT限定普通二輪免許」もしくは「普通二輪免許」以上だ。 […]
4ストローク2気筒の『オフ・ザ・ロード』 国産4ストローク2気筒型オフロード車を語る上で外せないバイクが1970年登場のホンダSL350です。SL350は1970年代のホンダ車の中でもレアな存在ですが[…]
GPz900Rを受け継ぐ実用系最速マシン【カワサキGPZ1000RX】 1983年にTT-F1の排気量上限が750ccに引き下げられた結果、リッターバイクはレースの呪縛を解かれて独自に発展し始める。 […]
軽量化とパワーアップの両面を果たしたフルモデルチェンジ フルモデルチェンジが実施された2018年モデルの発売は、2018年2月1日。2017年モデルまでのニンジャ400は、海外向けのERシリーズをベー[…]
最新の記事
- 「5大メーカーのガチンコ対決」4月20日決勝の全日本選手権 Rd.1『もてぎ2&4レース』:TOP3をアプリ「なんドラ」で予想してプレゼントをGET?!
- チームスズキCNチャレンジ、2年目の鈴鹿8耐はサステナブルアイテムを拡大! 全日本ロードにもスポット参戦
- 整備やメンテ時は素手派? 軍手派? 手袋派? 実はそれぞれにメリットと落とし穴があるぞ!【DIY整備ビギナーズ】
- 39年ぶり!スズキがコーポレートアイデンティティとユニフォームを刷新する理由
- 「シートのちょっとした破れ」にDIYで対処:張り替えずにお手軽キズ隠し! 【シート補修シールを試してみた】
- 1
- 2